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香水砂漠、といわれた日本ですが、香りとともにあることが生きる力や幸福感につながると誰もが実感。
未知なるフレグランスとの出合いを望んでいるのです。
調香師 大沢さとり
Preciousでは、今の時代の香り・フレグランスについて特集しています。
かつてない勢いで販売が伸びている高級フレグランス
「香りをつけない女に未来はない」とは昔から知られた言葉ですが、
今なら「香りを更新しない人に未来はない」と言い換えるべきかもしれません。
それほどまでに香りを巡る状況が、劇的に変化しているのです。
香りのアップデートを怠ることで、人生における喜びのひとつを取りこぼしてしまうことになるとしたら……。
事実、この5、6年の間で高級フレグランス市場は世界的に活性化の傾向を見せ、
かつてない勢いで販売が伸びているそうです。
なぜ今、香りを求める熱量が高まっているのでしょうか。
その背景を、調香師の大沢さとりさんに伺っています。
「かつては欧米から見て、その消費量の少なさに“香水砂漠”とまで称された日本ですが、最近は香りに対する関心の高まりを感じます。香りのフェアや専門ショップでは次々に新しいブランドが紹介され、未知の香りとの出会いを求めて多くの人々が集まるというのも近頃の傾向です」
香りはむしろ自分のために必要
ブレイクの理由はコロナ禍という時代を経験したことがきっかけのひとつ。
閉鎖的な日常のなか、香りとともにあることが心の平安と生活の豊かさを生み、
ひいては生きていくことのモチベーションさえ高めてくれる。
香りにはそうした効力があるのだと誰もが実体験としてわかったからだといいます。
「それまで香りは誰かにアピールするためにつけるものという意識があったのですが、自分と向き合う時間が増えたことで、香りはむしろ自分のために必要という考え方に変わったのでしょう。
もともと日本には“丁寧な暮らし”を好む豊かで洗練された文化があり、香りに満たされた生活は受け入れやすかったのだと思います。この頃からニッチなブランドの個性的な香りが注目されるようになりました。アンバーやウードなどエキゾチックな香りも年齢やジェンダーを超えて人気です」
まるでお気に入りのアートを求める感覚で
香りを選び、愛でる
自分のためにつけるのなら、より多くの選択肢から今の気持ちにフィットする香りを選びたいと思うのは当然の流れ。
だから何種類もの香りが揃う専門店やコンサルテーションが受けられる売り場に
人が集まるというムーブメントが起きているのです。
創り手である調香師に興味をもつ人も。
まるでお気に入りのアートを求める感覚で香りを選び、愛でる。
そんな楽しみ方に目覚めた人が増えたということ。
香りのニーズにも変化は起きていて、天然香料を用いた上質な“本物の”フレグランスを求める人が多いのも近頃の潮流。
「SDGsの考え方も香りの世界に影響を与えています。香料となるエッセンスを抽出したあとに残るウォーターから、さらに香りの成分を取り出すといった香料のリユースも実践されています」
誰にも似ていない香り、私のアイデンティティを語ってくれる香りが欲しい、という高い意識の表れ。
そういう意味でも香りは時代を映し出す鏡。
新たな展開を見せている香りの世界をのぞいて、
自分だけの新たなシグニチャーとなるフレグランスを探してみませんか?
本誌では香り・フレグランスブームについてさらに詳しく特集しています。
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