電気事業連合会長「サハリン2からの輸入が途絶えた場合のプランBは絶対に持っておくべき」

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ウクライナ危機などを受けてエネルギー業界が危機に直面しています。

燃料が高騰している上、供給力が足りておらず冬場の停電リスクを抱えています。

日経ビジネス電子版では電気事業連合会長の池辺和弘さんに
有事が長引く恐れもある中で、日本が進むべき道を聞いています。

 

日本はエネルギー資源を海外に依存している

 

ロシアのプーチン大統領が6月、露極東の天然ガス事業『サハリン2』の運営を新会社に移管する大統領令に署名しました。

ここから日本が輸入しているLNG(液化天然ガス)が途絶する懸念があります。

 

「サハリン2からの調達が止まると大問題です。

ロシアがけんか腰なのだから、日本もLNGは要らないと突っぱねるべきだと言う人がいますが、そんなに単純な話ではありません。

 

もちろん、私もウクライナに対しては非常にシンパシーを感じています。

ただ、各国が置かれている状況は異なり、日本はエネルギー資源のほとんどを海外に依存しているのです。

ロシアに経済制裁を科すことには賛成ですが、必ずしも米国などと同じ行動は取れないと考えます。

 

日本がロシアから調達しているLNGの量は年間600万トンで、LNG輸入量全体の約1割に上ります。

出力が100万kWのLNG火力発電所が1年間で使うLNGはおよそ100万トンですから、
サハリン2から入らなくなるとLNG火力6基が稼働できなくなる計算です」

 

権益を手放すべきではない

 

LNGのスポット取引価格が上昇していて、サハリン2から輸入できなくなった分を
スポット調達した場合には年間1兆円を超すコスト増になるともいわれています。

 

「日本の電力・ガス会社は燃料の大半を長期契約で購入しています。

足りない場合などにスポット取引が利用されますが、価格は現在、非常に高くなっています。

ですから、国も言っていることではありますが、サハリン2の権益を手放してはいけません。

日本勢では三井物産三菱商事が権益を持っています。

 

同時に、この夏以上に電力供給が逼迫すると見込まれている冬に備えて、今から手を打っておくことが欠かせません。

ロシアが本当に日本に打撃を与えようとするなら、冬になって突然、『LNGを供給しない』と言ってくる可能性はあります。

 

ロシアからのLNGが急に輸入できなくなったら、電力会社は対応できません。

仮にLNGをロシア以外の国から持ってくる場合には、燃料を運搬する船の手配が新たに必要です。

発電所の稼働準備にも時間がかかる。

 

冬に向けては、例えば日本政府がLNG生産国であるオーストラリアやインドネシアの政府に
追加の供給を依頼することはできるのではないでしょうか。

いずれにせよ、サハリン2からの輸入が途絶えた場合のプランBは絶対に持っておくべきです」

 


 

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