米IBM会長「会社のリーダーは少し引いた目線で全体を眺め、必要な決断を」

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100年以上の歴史を誇る元祖『米国ITの雄』が大胆な会社分割に踏み切りました。

クラウドとAI(人工知能)に専念しますが、すでに競合のいる市場で勝ち残れるのでしょうか。

日経ビジネス電子版では、米IBM最高経営責任者兼会長アービンド・クリシュナ氏にインタビューしています。

 

常に『顧客の成功』に集中して取り組んできた

 

2021年11月にITインフラ管理・システム運用事業の『Kyndryl』を分社化し、
クラウドとAI(人工知能)を主軸とする企業に変身を遂げました。

改めて分割の理由と1年目の成果を教えてください。

 

「当社が長年にわたって成功を続けてこられたのは、常に『顧客の成功』に集中して取り組んできたからです。社内ではこれを『ハイバリュー』と呼び、顧客が最先端技術を使って変革を遂げるお手伝いをしてきました。

1930年代にはパンチカードの機械を製造・販売し、60~70年代にはメインフレーム(大型汎用機)を提供して顧客の企業活動を効率化しました。現在はクラウドとAI、量子コンピューターを提供することで企業に変革をもたらそうとしています。こうした取り組みの中でIBMが常に重視してきたのが、変革に向けた洞察を顧客の立場になって考え、『顧客との信頼関係』を築くことでした。

キンドリルの分社化には、このコンテキスト(文脈)が深く関係しています。顧客の革新と発展に今やクラウドとAIは欠かせません。でも開発は簡単ではない。

質の高いイノベーションで高い成長率を顧客に勝ち取ってもらうためには、当社の持てる資産をすべてクラウドとAIに投入する必要がありました。そこで、その他の事業を切り離し、自助努力で成長してもらおうと考えたのです」

 

分割で成長をアンロック

 

切り離したのは当時、売上高全体の4分の1を占めていた事業です。

迷いはなかったのでしょうか。

 

決断はとても難しいものでした。キンドリルは、どこかから買ってきてすぐに売却してしまうような『手ごろな資産』ではありません。社内で生まれ育ち、数多くの社員がそこを通じて成長してきた愛着ある事業で、おいそれと切り離せるようなものではありませんでした。

でも会社のリーダーは、少し引いた目線で全体を眺め、必要な決断を下さなければなりません。『顧客にとって正しい決断か?』『社員にとってはどうか?』を真剣に考えた結果、分割すれば顧客はより良いサービスを受けられ、社員もより良いキャリアパスを望める。IBMもキンドリルも発展できると確信するようになったのです。

というのもキンドリルは、企業にITインフラのソリューションを提供する会社です。サービスに必要な技術を開発するIBMから独立した方が、より柔軟で適切なソリューションを顧客に提案できるようになります」

 


 

インタビューの続きは本誌にてご覧いただけます。

 

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