【30歳未満のローカルヒーロー&ヒロイン】不登校の子と出会い、国語教室を開いた詩人

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日本各地には、若い世代でも地球のことを考え、人々の未来を考え、進んでいく人たちがたくさん活躍しています。

今号のソトコトでは、30歳未満のローカルヒーロー、ローカルヒロインを特集!

その中から国語教室を始めた詩人の向坂くじらさんをピックアップします。

 

詩人・向坂くじらさん
『国語教室 ことぱ舎』を開く

 

 

2022年2月、詩人の向坂くじらさんは埼玉県桶川市にある自宅の一室で『国語教室 ことぱ舎』を始めました。

『国語を専門とした少人数制寺子屋形式の学習塾』を謳っています。

 

取材日に『ことぱ舎』にやってきたのは小学6年生の樽井咲和さん。

玄関のすぐ隣の部屋が教室で、長い机に2つ椅子を並べ、先生と生徒が隣り合って座り勉強をします。

1回の授業はおよそ2時間。

樽井さんは持参したドリルを開いて、わからないところを向坂さんに聞いたり、問題を解いたりしました。

その後は途中になっていた作文の続きを書きます。

教室の感想を聞くと、「私がわかるまで教えてくれるから楽しい」と少しはにかんだ笑顔で答えます。

 

ひとりの女の子との出会いが教室を開くきっかけに

 

 

もともと向坂さんは詩人として詩のワークショップや出張授業を行なっていました。

学生時代に『釜ヶ崎芸術大学』で日雇い労働者や路上生活者など、
詩を書いたことのない人たちと一緒に詩を書くという活動をしていた上田假奈代さんの活動に強く影響を受け、
国内外で詩のワークショップに取り組むように。

 

「この経験はとてもおもしろかったのですが、参加者との関係は1回限りのもの。継続的な関係を持てる場所をつくりたい、という気持ちが強くなっていきました」

 

あるワークショップでの出来事。

そこに訪れた一人の女の子は不登校の小学4年生で、学校に行っていないことで漢字が読めず、
書き順がわからないことに劣等感を持っている様子でした。

 

「タブレットで読み方を教えたりしたのですが、そのときに感じたのは、その場にいる彼女にとって必要だったのは、詩を教わったり、創造性を伸ばすよりも、漢字の読み方や書き方だったのではないか、ということでした。

勉強することは、やはりとても大切なことなんです。勉強することによってさまざまな知識が身につき、いろいろなことがわかってきます。すると、自分にも自信がもてるようになります。また、知識があることで、それを自由に応用し、活用していく創造的な力を得ることができるのです

 

さまざまな経験を通して、向坂さんのなかで

「これまでは違う活動ととらえていた、国語を教えることとワークショップでやっていることを、継続する関係のなかでつなげられるのではないか。国語教室と詩をつくることをつなげたい」

という思いが生まれ、それが、『ことぱ舎』につながりました。

 


 

本誌では、『寺子屋形式』にした理由や、教える際に気をつけていることなども語られています。

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