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2023年10月31日に開催されたForbes JAPAN『WOMEN AWARD』。
個人部門では、女性の新たな生き方や価値観を世に示し、
企業や社会に新しい風をもたらした各界のパイオニアが受賞しました。
今回、組織や社会全体のしあわせと成長の実現に貢献した女性に贈られる賞
『インクルージョン賞』を受賞した、
パナソニック ホールディングス執行役員、Yohana創業者兼CEOの松岡陽子さんを紹介します。
テクノロジーで暮らしを助ける
『女性発イノベーション』の旗手
「あなたが初めてですよ」
米国でロボット工学と神経科学の研究者の道を歩み、
ビジネスリーダーに転じてAppleやGoogleの要職を経てきた松岡陽子さんは、
職場で妊娠を報告するたびにそう言われ、つらい思いをしてきました。
2023年、ノーベル経済学賞を米ハーバード大学のクラウディア・ゴールディン教授が受賞したことで、
男女間賃金格差や『チャイルドペナルティ』の問題が日本でも注目を集めました。
実力主義の米社会で生きてきた松岡さんには無縁の話かと思いきや、
「私自身、どの仕事においても直面してきた」と語気を強めました。
最初は、米カーネギー大学で教鞭を執っていたとき。
双子を授かりましたが、所属学部で妊娠した女性教授は松岡さんが初めてで、
産休・育休は存在すらせず、「私がつくりましょう」と自ら制度設計に動きました。
シリコンバレーのスタートアップ勤務時代は、休みもろくに取れない厳しい労働環境のなか
第4子が誕生、生後8日で職場復帰。
ベビーシッターが見つからず、新生児を抱っこしながらオフィスで仕事を続けました。
「女性が子育てをしながら昇進するのは本当に難しい。日本だけでなくアメリカでも、キャリアのために子どもを産まなかったり結婚をしなかったという人は、私の世代にはたくさんいる。その選択に幸せを感じている人もいるけれど、本当は結婚や出産をしたかったのに諦めたという人も少なくありません」
賃金格差の問題も、Google元従業員が集団勝訴を起こしたことで女性差別が認められました。
補償の対象であった松岡さんにも、2年前に和解金が支払われたといいます。
私の使命「人々が“なりたい自分”になれるようにサポートすること」
松岡さんは、中学卒業後プロテニスプレイヤーを目指して渡米。
怪我でその夢は断念しましたが、一緒にテニスをする“テニスバディ”をつくりたいとロボット研究者の道へ。
ロボットづくりに情熱を燃やすうちに、テクノロジーで人を助けられると気づきます。
パッションはミッションに変わり、キャリアの軸となりました。
「人々が“なりたい自分”になれるようにサポートすることが私の使命」と語ります。
経験が知見となって次のステージへとつながり、多くの転職を経て無二のキャリアを積み上げてきました。
「パナソニックでいいの?」
その松岡さんが2019年、日本のパナソニック(現 パナソニック ホールディングス、以下HD)に入社します。
誰もが驚き、なかには「あの会社でいいの?」と聞いてくる人もいたそう。
「テクノロジーで暮らしを良くするという私自身のミッション実現に最も近い場所。ほかのグローバル企業からも誘いはあったけれど、パナソニックだから選んだ」
『日本の大企業の社内政治は汚いよ』とささやく声も、こう笑い飛ばしました。
「私はアメリカの会社でも、本当に汚い部分を見てきています。大企業の経営層もくだらないことで喧嘩をするし、権力闘争も激しい。世界中どこでも一緒ですよ」
入社前からパナソニック社員と対話を重ねてきた松岡さん。
家電で人々の暮らしを良くしてきた創業者・松下幸之助さんのフィロソフィーが
今も社内に根づくことに感激したといいます。
現在は、HD100%出資の次世代コンシェルジュサービス『Yohana』CEOとして
忙しい家族の暮らしを手助けします。
アプリで日常のTo-doを依頼すると、専門のスタッフが解決する仕組みです。
サービスは全米で展開、日本では首都圏を中心に順次エリア拡大を目指します。
「これまでのイノベーションは主に男性が起こしてきたので、女性が抱える問題は解決できていません。特に家事や育児は、女性が無報酬で担ってきたので、経済的なビジネスモデルを考えにくいでしょう」
しかし、日本でもコロナ禍でオンラインショッピングが浸透し、
家事のアウトソーシングを肯定的にとらえるマインドセットが生まれ、
Yohanaのようなサービスの需要はますます高まっています。
HDの執行役員でもある松岡さんは、2023年7月に発足した『PanasonicWELL本部』の本部長となり、
AIやロボティクスを活用しながらウェルネス領域のビジネス推進を担っています。
「ハードウェアとソフトウェアを接続しながら暮らしをサポートするエコシステムをつくっていきたい。暮らしを助けるテクノロジーはまだまだ足りてないのです」
本誌では『今年の女性』に選ばれた5名のインタビューが掲載されています。
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