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管理職の名の下、残業代も支払われず限界まで働かされ、使い捨てにされる……。
2008年に『名ばかり管理職』という言葉が生まれてから16年、
空前の人手不足の今、多くの中年が職場で苛酷な労働に喘いでいます。
SPA!では、その悲惨な現状を追い、日本特有の病理を探っています。
鬼残業+パワハラ
名ばかり管理職10年目、自ら降格
ホームセンター運営会社の本社総務部に勤務する堀将人さん(仮名・49歳)は、金属28年。
10年間にわたり、課長として若手の部下を従えて仕事に奮闘していました。
しかし、当時の覇気は今や見る影もなく、虚ろな目でこう話しました。
「自ら降格を申し入れ、休職を経て職場に戻りました。課長の頃の地獄の日々からは解放されたけど、今が幸せなんて口が裂けても言えません」
降格を会社に申請した2年前、堀さんに何があったのでしょうか。
「ヒラ社員の頃、残業は1時間程度でしたが、課長になると部下の育成や店舗サポート業務だけでも大変なのに、一人で複数店舗の改修立案に同時に対処しなければならず、毎日5時間の残業が当たり前に…。過労死ラインの100時間を超える月もありました。
ところが課長になる前はちゃんと支払われていた残業手当が、どうも少ない。当時は、増えるばかりの仕事を片付けるのに精一杯で、考える余裕がなかったんです。休日も自宅で残務処理に追われ、課長時代の後半の3年間は実質休みなし。
ストレス過多が続き、気がつくとため息が止まらない。情緒も不安定になっていたのです」
管理職の肩書はありますが、残業手当は支払われない……。
当時は気づけませんでしたが、堀さんは『超』がつく『名ばかり管理職』だったのです。
「『名ばかり』だから権限なんてないのに、馬鹿正直に、管理職らしく部下のフォローもしてました。でも、あまりに多忙でそれも疎かになり、私を取り囲んだ若手から『課長として最低限の仕事はしてください!』と詰め寄られた。信頼を失ってしまったのです。
ところが、パワハラ体質の上司はフォローしてくれるどころか、暴言を浴びせてきた。大勢の社員の前で怒鳴られるのはまだいいほう。『会社のカネ、垂れ流してるんじゃねえ!』『俺の足を引っ張るな!』などと罵詈雑言を浴びせられ、ファイルで頭を叩かれたり、暴力も振るわれました。
でも、上司と部下の板挟みになっていた私に味方なんてない。誰も助けてくれませんでした」
パワハラ上司の暴言でメンタルが崩壊
堀さんは、逃げ場のない地獄に堕ちたのも同然でした。
「その頃には、突然叫びたくなったり、モノを壊したくなったり、不可解な衝動に駆られるようになっていきました。そんなギリギリの毎日を送る私に、ついにその日がやってきます。私を叱責していた上司が『ホームから線路に飛び込むなよ。後の処理が面倒だから』と言い放ったのです。その瞬間、自分の中で何かが崩れていったのを、今もはっきり覚えています」
堀さんはうつ病と診断されて、3ヶ月ほど休職。
復帰後、積み上げてきたキャリアを諦めて、自ら降格を申し出ました。
「耳を疑いましたね。不祥事を起こしたわけでもないのに、まさかの2段階降格……。会社からは説明は一切なく、課長から一気にヒラ社員です。現在でも怖くて給与明細が見られませんが、課長の頃650万円だった年収は、約430万円に激減しているはず。
49歳という年齢以上に、社内では『あいつは器じゃない』と烙印を押されたせいで管理職に戻るチャンスは一切ない。人生を狂わされました」
実態のない『役職』のために、体を壊して収入は激減……。
あまりにも救われません。
本誌では他にも『救われない中年社畜』の地獄の実態が紹介されています。
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