ジェーン・スーが語る仕事との付き合い方「自分の価値観とは一定の距離をとる」

  • 更新日
  • 有効期限 2024.06.26

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雑誌や新聞のコラム、ラジオに寄せられた相談に真摯に向き合い、腹落ちする答えに導くジェーン・スーさん。

Forbes JAPANでは、そんなお悩み相談のプロである彼女に社会に飲み込まれず自分らしく働くための心得を聞いています。

 

不安であることは悪いことじゃない

 

老若男女を虜にするお悩み相談のプロであるスーさん。

価値観が多様化し、正解がないこの時代に自分らしく『働く』ための心得とは?

 

「SNSなどで質問を募集すると、若い方も中高年もとにかく『将来が心配』っていう声が多いですね。この数年で働き方の選択肢が増えて、そのなかで自分らしさみたいなものがより問われるようになって。そうすると、自分に合う働き方って?自分らしい生き方って?って悩むようになる。自由と不安はセットなんですよ。

私は目標もないし、行き当たりばったりでも不安を感じないタイプですが、慎重な人ほど、将来の心配をしてしまう。でもそういう人は慎重だからこそ大きな間違いも起こさない。不安が危機管理能力として作用しているから、不安であることは悪いことじゃない

 

カタカナとの距離感

 

◯◯ハックとかタイパ、コスパとかいろいろなカタカナをよく聞きますが、そういったテクニックを駆使するような働き方は、自分らしさを見失う危うさがあると思うのです。自分にとって何が損なのか得なのか、自らの価値観の設定が曖昧だと、結局どうすればいいの、って悩んでしまう。

ウェルビーイングとかワークライフバランスとか、新しく出てきたカタカナは全部嘘!

新しい価値観に振り回されるくらいなら、思い切ってそれくらいにとらえていいと思う。都合がいいと思ったことだけ取り入れて、自分の価値観とは一定の距離をとる。

私が地方の自治体からの依頼で日本全国の講演会に行って話すのも、タイパコスパで考えるとかなり悪いですよ。でも、何が「パフォーマンスがいい」とするかは人それぞれで、私にとってそれは「面白いことをすること」であって。この間も沖縄に日帰りで行って講演してきましたが、私に興味をもってくれているのってどんな人なんだろうってワクワクしていました。実際に足を運んで、直接顔を見て話せるほうが、短時間でギャラのいい仕事より面白い。

ワークライフバランスなんていいますが、私は仕事とプライベートのバランスめちゃくちゃです。でもいいんです、楽しいので。

大事なのは自分の働き方を他人に強要しない。私みたいに仕事ばかりで平気な人もいれば、生活に重きを置いている人もいる。いろいろ試して、自身の好き嫌いや損得を考えることが、自分らしく働いていく、ということにつながるのだと思います

 


 

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