
この記事が掲載されている雑誌は、こちらからお読みいただけます。
記事の有効期限以降は本誌は非公開となります。ご了承ください。

今号のWIREDでは、『未来を再生する次世代カンパニー』を特集。
壊れた社会システムと生態系を再生するためには、何が必要でしょうか。
洗練された事業モデルによって、気候危機や民主主義の危機といった大きな課題に立ち向かうカンパニーから、
その活動を支える新しい仕組みまで。
厳選された50の企業や活動隊と、そこで働く仲間たちの肖像から見えてきたものが特集されています。
今回はコスメティック『SHIRO』の市民とつくる『開かれた工場』についてピックアップします。
市民とつくる『開かれた工場』
SHIRO

ジャングルネットで遊ぶ子どもを見ながら、ベンチで話し込む大人たち。
北海道の雄大な山々を望むカフェでは老夫婦が出来立てのピッツァを頬張り、
ラウンジでは若いカップルが雑誌を拡げます。
そのすぐ後ろには、工場で作業するスタッフの姿。
コスメティックブランド・SHIROの新しい工場は、工場らしからぬ姿をしています。
『みんなの工場』と名付けられたこの工場は、北海道の砂川市に2023年4月末にオープンしました。
「旧工場から拠点を移すにあたり誰もが集える場所をつくりたい」
「SHIROが育った砂川の街に恩返しをしたい」
シロの今井浩恵会長の想いあってのことです。
この移設計画を契機に『みんなのすながわプロジェクト』がスタート。
2年間で市民を交えたワークショップを幾度も開催し、文字通りみんなで工場の在り方を考えました。
そこから生まれたのが、ひとつの建物にカフェやキッズスペース、ラウンジなど、
市内外の老若男女の居場所となるエリアを備えた工場です。
「工場を開く」というコンセプトの通り、工場と付帯施設は一枚のガラスでつながれ、
来場者はSHIROのものづくりの一部始終を見学できるようになっています。
いまでこそすべてのエリアがひとつの空間に集まった設計ですが、
もともとは工場やカフェ、ショップなどを分断し、半屋外のホールでつなぐ計画だったといいます。
「でも市民の意見を聞いているうちに、『このままだと中身のないハコモノになるのではないか』という違和感をもち始め、プロジェクトが半分進んだところで計画をひっくり返したんです」
設計を手がけたアリイ イリエ アーキテクツの入江可子さんは振り返ります。
「最初は観光資源としてよそから来る人も砂川市民もくつろげる居場所をつくりたいと思っていました。ただ、それだとおばあちゃんが井戸端会議したり、子どもが学校帰りに来たりといった日常に寄り添ったシーンが見えなかったんです。建築の態度がよそ者向きだったんですよね」

チームの意思毛底が市民の声によって揺さぶられたのは、1度や2度ではありません。
会議のたび「〇〇さんがこう言っていた」「そのアイデアは△△さんが気にすると思う」という
具体的な名とともに意見が飛び交い、喧々諤々の議論が繰り広げられました。
今井「SHIROでやる必然性がないものを除けば、市民の意見で採用していないものはないと思います」
もちろんそこには、これから実装予定のものも含まれます。
プロジェクトマネージャーを務める高山泉さんはこう言います。
「レストランやツリーハウスも増設予定ですし、砂川の在来種を育てる『種プロジェクト』も進行中です。まだ計画としてはやっと3割程度といったところですね」
ゴールデンウィークを含むオープン後の10日間で、22000人が訪れたという工場。
12%が道外からの来場者で、周りの飲食店からは波及効果を喜ぶ声が上がっているそう。
とはいえ、SHIROと市民の旅は始まったばかりだと今井さんは言います。
「工場が完成してさらに夢が拡がりました。来年はまったく新しい景色が見えていると思います」
本誌では、SHIROのより詳しい紹介や、他にもさまざまなプロジェクトや会社が紹介されています。
初夏の健康応援キャンペーン

初夏の健康応援キャンペーン期間中に
新規でご注文をいただいたお客さまから
抽選で合計10名様にプレゼント!
『giftee Wellness Box』 5,000円相当を10名様に…!
giftee Wellness Boxとは、
日々の健康を意識したラインナップの中から、好きな商品を自由に選べるギフト。
季節の変わりめ、梅雨、体調を崩しやすい時期ですが、
健康を意識して健康のために始める時期にすることで
夏に向けてのカラダづくりができたらいいですね!
Fujisan.co.jpには、健康を応援する雑誌もたくさんあります。
上のキャンペーン画像をタップして詳細をご覧ください!
この記事が掲載されている雑誌は、こちらからお読みいただけます。
記事の有効期限以降は本誌は非公開となります。ご了承ください。






