【業界別『バカな客』撃退ガイド】社会的地位の高い人がカスハラをしやすい傾向にある

  • 更新日
  • 有効期限 2024.10.10

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従業員に土下座を強要、苦情により交通機関が停止……。

近年クレーマーの行動が賑やかです。

正義をふりかざして増長する者にどう対峙すればいいのでしょうか。

 

PRESIDENTでは、クレーム対応などクライシス対応支援を数多く手掛ける西尾 晋氏と
弁護士の香川希理氏のお二人から、接客から対応の真髄をインタビューしています。

 

社会的地位が高いとカスハラを起こす!?

 

商品やサービスに過剰なクレームをつける、従業員や他の客に暴言を吐く…。

 

『カスタマーハラスメント(以下:カスハラ)』と呼ばれる行為が、近年問題視されるようになりました。

「お客様」として訪れる困った人々に、各企業や商店はどのような対策をとっているのでしょうか。

 

労働組合や各種業界団体の調査でも、カスハラ事案は増加傾向にあります。

以前から問題視されていた小売業界や行政機関、病院や介護施設などでも、カスハラは悩みの種になっています。

 

企業の危機管理をサポートするエス・ピー・ネットワークの主席研究員・西尾 晋氏はこう語ります。

「かつては反社会勢力のようなプロフェッショナルが、企業や商店に強硬な要求を行うことが多かった。最近は取り締まりの強化などでそのような事案が減った一方で、一般の方々による過剰な要求についての相談が増えています」

 

なぜそのような条項が生じているのでしょうか。

最大の要因は社会の変化、とりわけ情報化の進展にあると西尾氏は分析します。

 

SNSの普及で、社会全体が『もの言う社会』になっている。自分の主観的な考えや感覚を前面に出すことが習慣化していて、それを受け入れてもらえなかったときの怒りが大きくなる傾向がある気がします」

 

もう一つの要因は、接客する側の意識の変化でもあります。

セクハラやパワハラを筆頭に、各種のハラスメントは職場環境に有害だという認識が、
企業や従業員の間では広く定着しつつあります。

一方で一部の顧客は、昭和的な『お客様は神様』感覚から抜けきれていません。

50代以上によるカスハラ事案が多数を占めるという調査もあります。

会社では管理職としてハラスメントに気をつけていても、
顧客の立場になるとそれを忘れてしまうのかもしれません。

企業のカスハラ対策を支援している弁護士の香希理氏は、
「学者、上場企業の役員、弁護士、医師など、社会的地位の高い人がカスハラをしやすい傾向があります」と指摘します。

 

「周囲から敬意を払われることに慣れている人が、そうでない扱いを受けた際に不満を感じ、カスハラに発展するケースが多いように思います。いわゆるインテリ層ほど、『自分は正しいことを言っている』という自負が強いせいか、知らず知らずのうちにクレーマーになっている可能性があるのです」

 

こうした傾向に対し、企業は対応を迫られています。

カスハラが横行するような現場は求人しても応募が来ないし、たとえ採用できたとしてもすぐに辞めてしまいます。

カスハラが原因で従業員がメンタルの不調に陥ったりすれば、
雇用主として安全配慮義務違反を問われかねません。

 

「ただでさえ人手不足なのに、昔のように『相手はお客様なのだから耐え忍べ』という姿勢では人材が確保できません。『カスハラには毅然と対応する』『会社としてあなたたち従業員を守る』というメッセージを出していかなければ、現場の運用ができなくなり、ひいてはそれが企業の競争力や収益にも影響を及ぼします」

 

カスハラ対応は今や、経営上の重要な課題にもなっているのです。

 

駅員への暴言・暴力がたびたび話題になっていたJR東日本は『カスタマーハラスメントに対する方針』を発表。

暴行、脅迫、ひどい暴言、不当な要求等の迷惑行為が行われた場合には顧客対応を行わないこと、
悪質な行為に対しては警察・弁護士等に相談のうえ厳正に対処する姿勢を打ち出しました。

 

病院、旅館、百貨店などでも、カスハラ対策の方針を掲げる例が増え、
近年は過剰な要求に対しては毅然とした態度で対応するケースも出てきています。

 

「『無理なことは断っていい』という認識が広がりつつあります。日本の企業は今まであまりそういう姿勢を打ち出してきませんでしたが、会社としても従業員としてもそれをやっていい、他の善良なお客様を守るためにも必要ということが理解されつつあるのではないでしょうか」

 


 

 

本誌では、冠婚葬祭業界、介護業界、小売業界、食品業界などさまざまな業種ごとのカスハラの特徴、
そして対応なども細かく掲載されています。

 

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