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今号の日経ビジネス電子版では、アイリスオーヤマ代表取締役社長の大山晃弘氏にインタビュー。
トランプ前大統領が145%という大幅な対中追加関税を発表した直後、同社は米国工場への追加投資を電光石火の速さで決断。
しかし、その後90日間の猶予期間や30%への関税引き下げを打ち出すなど、トランプ氏の方針はまさに予測不能でした。
果たして、このめまぐるしく変わる国際情勢の中で、アイリスオーヤマはどのような戦略を描き、この決断を下したのか?
大山社長が明かす、経営判断の舞台裏と、その先の展望に迫ります。
トランプ関税は怖くない
ーートランプ米大統領の相互関税発動から約10日というスピードで米国工場の増産を決めました。
決断は自然な流れでした。弊社のグローバル生産の基幹工場は中国・大連にありますが、人件費や資材コストなどが上がっていましたし、第1次トランプ政権時から関税も上昇基調でした。
中国から米国に輸出するコストがどんどん上がっていたので、米国で生産した場合にどのくらい生産コストが高くなるかというシミュレーションを常にしていました。
米国への生産移管はオプションとして以前から考えていたのです。
そんなときにトランプ大統領から145%という具体的な数字が示されたことがトリガーとなり、もうこれは決断しよう、と。
父(会長健太郎氏)に話したときも、「そうだろうね」という感じで(笑)、ごく自然な流れでした。
ーー品目によると思いますが米国での生産は中国からの輸入と比べるとどのくらい高いのですか。
まず、当社の全取扱品目数は約3万点と、非常に多岐にわたります。
一概には言えませんが、例えば収納用品のような生活用品の場合、輸送賃と関税を含めれば米国で生産した方が安くなります。
収納用品は体積が大きく空気を運んでいるようなものなので、輸送賃が割高になるからです。
関税を含めても中国は安い
1992年の米国法人設立以降、ウィスコンシン、テキサス、アリゾナ、ペンシルベニアと4つの工場を設置してきたのには、こうした背景があります。
ただ、家電となると事情が変わってきます。
ーー部品供給の問題ですか。
はい。例えば、弊社のサーキュレーターやスティック掃除機のような軽家電は、米国でも大手電子商取引(EC)サイトや大手量販店などを通じて売れています。
これらの商品を米国で生産するとどうなるかシミュレーションすると、やはり中国で作った方が安い。相互関税を含めたとしても、です。
というのも、現地生産で必要になるモーターや基板といった部品を供給できるサプライチェーン(供給網)が米国にはないからです。
部品だけ中国から輸入するという手もありますが、現地で組み立てればやはり米国の方が高くなる。そのため今回の見直しには入れませんでした。
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