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生成AI機能が快適に使える『AI PC』が続々と登場しています。
その背景には何があるのでしょうか。
そして、ビジネスの現場でどの程度役に立つのでしょうか。
週刊東洋経済では、SurfaceブランドのAI PC『Copilot+PC』を発表したマイクロソフトで、
エバンジェリストとして活躍する西脇資哲氏に気になるポイントをインタビューしています。
AIはもはや当たり前
代替できる業務は多数ある
AIが大きく注目を集めています。
ビジネスや経営において、AIは今どんな存在になっているのでしょうか。
「昨年の生成AIの登場はセンセーショナルでした。一過性のブームとの懸念もあったと思いますが、定着しつつあります。従来の画像識別や音声認識、予測といったAI機能と違い、生成AIは誰でも使えて多機能であることがわかってきたからでしょう。実際、積極的な活用に舵を切る企業は急増しています。DX推進に必要不可欠なものとして、AIを活用できる環境を整備するのは当たり前となり、今は活用を試行錯誤する段階に入っています」
試行錯誤から停滞に陥ることなく、AIを有効活用するのに必要な視点は何でしょうか。
「AI活用で停滞に陥る大きな要因としては、どんな業務に使えるかわからないことが挙げられます。文章・画像生成や要約、翻訳ができることは知っていても、自分の業務と関係ないと思っている人はかなり多いんですね。『売り上げを上げる営業の仕事に、生成AIなんて役立たない』と思うわけです。
でも実は、日報や提案資料の作成など、生成AIを活用できる場面はたくさんあります。
重要なのは、『生成AIの活用』を新たなタスクと考えないことです。『今の仕事だけでも大変なのに、生成AI業務が増える』と捉えるのではなく、『今の仕事を生成AIでやる』と考えましょう。仕事を棚卸ししていくと、訪問前に顧客のことを調べる、過去の取引内容を確認するといった業務に使えることがわかりますし、大幅な効率化と質の向上につながります」
AI特化プロセッサの搭載が持つ大きな意味
AIの活用が当たり前となると、どんな環境の整備が必要になりますか。
生成AIサービスはWeb上で使えるものも多くあります。
「確かに、今はインターネットを経由したクラウド上でAIを使うのが主流です。しかし、機密情報はPCなどのデバイス内で扱いたいですよね。それに、どんどんAIが進化すると、デバイスの性能も向上させなくてはなりません」
Surfaceの『AI PC』と従来のPCは何が違うのでしょうか。
「最大の違いは、AI処理に特化したプロセッサを搭載していることです。プロセッサといえばCPUです。プログラムを高速に動かすための演算装置ですね。一昔前はこれがあればよかったのですが、画像や動画を日常的にPCで取り扱うようになってからは、滑らかできれいに表示させるGPUというプロセッサも搭載されるようになりました。
そうしたら、今度はAIを使うようになりました。CPUおよびGPUでも動かせますが、やはり専門的な装置があったほうがいいので、AIを制御するプロセッサが開発されました。それがNPU(Neural network Processing Unit)です。『Copilot+PC』に限らず、AI PCにはNPUが搭載されています」
本誌では、インタビューの続きをお読みいただけます。
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