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笑い、涙、喜び、驚き、感動ー。
様々な感情をダイレクトに味わえる“エンタメの現場”に、自由に集うことが難しくなってからおよそ2年半。
いまだ刻一刻と変わる状況の中で、エンタメはその形を変えながらそれでも前に進み続けています。
音楽、演劇、ミュージカル、お笑い、そして新たな熱狂の最前線がananで特集されています。
その中から、西川貴教さんのインタビューをピックアップします。
西川貴教
地元に根ざしたフェスだからこそ気づけた
もっとも大切にしたいこと

滋賀県出身で滋賀ふるさと観光大使も務める西川貴教さんが、
2009年に地元の行政と手を組みスタートさせたイナズマロックフェス。
琵琶湖に臨み、豊かな自然とともにステージを感じることができる西日本最大級の野外フェスイベントです。
他の多くのフェスがそうであったように、こちらのフェスも2020年にはオンライン配信で1日限りの開催。
2021年は中止を余儀なくされました。
「この2年間で感じたことは、どうしようもない無力感でした。
僕たちのようなエンターテインメントの世界をはじめ、スポーツもアートもそうですが、文化的なものというのは、安全とか安心が担保された状態だとみなさん大事なことだと推奨してくださる。
だけど、一度今回のような非常事態が起こると、必要のないものとして片付けられてしまう。
楽しみとしてだけなら、それを我慢すればいいというのもわかります。
でも、それで生活をしている人もいます。経済活動が止まれば、会社がなくなるかもしれない。フリーランスで仕事を受けてくれている方は収入がゼロになるかもしれない。
それを、どう受け止めればいいんだろう。主催者として、どう考えればいいんだろうと悩むことがとても多かったです」
それでも中止の決断はとても速やかだったと西川さんは言います。
「僕が地元でやっていることって平たく言うと“お祭り”を一つ作っているようなものなんです。盆踊りや花火大会と一緒。基本は地元のためにやる。
お祭りがあることで地元が活気づいて、県外からもたくさんの人が集まってきてくれる。そして、来た人たちで会話して、その地域の良さを知ってもらう。それがまず第一にあります。
だから地域の方々がそれを求めていないなら、そもそもやる意味がないと思った。
でも、中止しましょうとなったとき、県知事や自治体のみなさんはとても温かかったんです。前に進むための中止だったんですね。そのポジティブな受け止め方に僕はとても救われたんです」
西川さんは自身の音楽活動も、全国ツアーを予定していましたが、それが中止となり、
代わりに滋賀県内25ヶ所をめぐるホールツアーを開催することに。
客席は半分しか入れられず、マスク着用で発声もできない。
さらに座席の背にもたれた状態を保って観ることもお願いし、お客さんにすごく負担をかけた、といます。
「それでも行った先々で、こういった催し物ができたことに会場の方も自治体の方も感謝してくれました。
ネットのニュースだけ見ていると、それにぶら下がっているコメントに心をえぐられるようなことも多いです。フェスをやるなんてとんでもない、という声は今も聞こえてきます。
だけど、実際に会って話をすると、ネット上だけだと聞こえてこなかった、みなさんの純粋な、率直な言葉が聞こえてきた。それで、すごくいろんなことに気づけた気がします」
西川さんは、目の前にいる人の話をちゃんと聞かないといけない、と感じたそう。
顔と顔を突き合わせて話す人たちのことをまず大事にしよう、と。
「地元のみんなの声を聞いて、動き出そうと、そのとき強く思いました」

さらに本誌では、大きなフェスやイベントを作る方々のコロナ禍を通した苦労や、これからについて特集されています。
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