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昭和歌謡がTikTokで話題を集め、80年代をオマージュした作品が次々に誕生している昨今。
そういった“タイムレス”に愛されるカルチャーとその魅力を今号のananでは深掘りしています。
当時を経験していないはずの世代が、なぜ懐かしいエンタメに惹かれるのでしょうか。
その理由をエンタメの観点からはもちろん、経済や心理的な側面からも解き明かしています!
『懐かしい』のに『新しい』のはなぜ?

昭和歌謡=マネしやすい
『トップガン マーヴェリック』や『インディ・ジョーンズ』など、
過去に大ヒットを記録した映画の続編が次々に公開され、
昭和歌謡やシティ・ポップがTikTokで脚光を浴びるなど、リバイバルヒットが相次ぐ今、
昭和や平成初期のカルチャーがウケている要因とはなんでしょうか?
シンガーソングライターであり、Z世代でもある橋本奈津美さんはこうコメントします。
「例えば、若い人たちがレトロな場所を訪れたとき、新しいエンターテインメントに触れたような気分になり、エモさや新鮮なワクワク感を覚える。その感覚で、昭和歌謡も楽しんでいる気がします。
さらに、TikTokなどのSNSにより、今は誰もが表現者になれる環境。その中で、“昭和歌謡=マネしやすい”のが人気の最大の理由なんじゃないかと。口ずさみやすく、歌詞もわかりやすいから、表現もシェアもしやすいんですよね。
シティ・ポップに関しては、『昭和歌謡と同時期にこんなカッコいい音楽があったんや』という驚きから人気を集めている印象。単純でわかりやすい“昭和歌謡ありき”のヒットなのかなと感じています」
『わかりやすさ』は
いつの時代もヒットする上で重要
お笑いトリオ『ニブンノゴ!』のメンバー・宮地ケンスケさんはこう話します。
「“わかりやすさ”というのは、いつの時代もヒットする上での重要なキーワード。お笑い界でも“ベタ最強論”といわれるぐらい、わかりやすい笑いが市民権を得られる。
ドラマも仕組みとしては『水戸黄門』のフォーマットがずっと続いていて、悪い人を物語の後半に成敗して気持ちよく終わる。そういうエンタメが昭和や平成初期には多かったんですよね。
それをサブスクやリバイバル作品などで目にする機会が増え、単純でシンプルだけど面白く感じる。よし、面白いからSNSで伝えよう…って人気が拡散していっている気がしますね」
橋本「SNSという発信する場が増えたことで、自分の好きなものを好きだと言いやすい環境になったのも大きいのかもと思います。
若くても昭和歌謡が好きな人って、昔から一定数いたはずなんです。ただ周囲に同じ趣味の人がいないとなかなか言えなかった。でもSNS上で同じコミュニティの人と簡単につながれて、声が大きくなったんだと思います」
作品たちが新旧問わずどれも並列となり
古い作品も見るチャンスが増えた
懐かしいものに、若い世代が興味を持つ裏には、時代背景も起因しているよう。
経営コンサルタントの坂口孝則さんはこう話します。
「サブスクの台頭によって、今は新旧問わず作品がどれも並列で、古い作品も見るチャンスが増えたのは事実。ただ、それを観たいと感じなければヒットしないですよね。昔から先が見えない時代には、過去に再フォーカスする文化が盛り上がる傾向が。そういった心理も、少なからず関係しているように感じます」
心理学的に見ると『歴史的ノスタルジア』
このブームを、心理学的観点から読み解くとどうなのでしょうか?
臨床心理士・公認心理士・産業カウンセラーの塚越友子さんはこう考えます。
「自分が過去に経験したものではないけれど、ノスタルジーを感じる感情に“歴史的ノスタルジア”と呼ばれるものがあります。その時代を生きていないにもかかわらず、古き良きものを観て、懐かしく思う。と同時に、実際には体験をしていないから“新しさ”も感じる。まさに今の状況です。
ただ、懐かしさの感情には人をポジティブな気分にさせる作用があるので、懐かしいものから何かを吸収するのはネガティブなことではないので安心を」
本誌では、令和にヒットする“エモい”系カルチャーの特徴や、
長く愛されるコンテンツが、再び注目を集める理由なども掲載されています。
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