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今号の男の隠れ家では、『オバケのQ太郎』や『ドラえもん』で
有名な漫画家、藤子・F・不二雄さんの『SF短編』を特集!
『SF短編』では、未知のウイルスによる厄災、核戦争の脅威、食糧危機や高齢化問題など
人類の普遍的なテーマが描かれています。
人間の悲哀を『不思議』という優しいベールで包み込んだ短い物語は、
時代や世代を問わず愛され続けています。
シュールでセンチメンタル、ときにノスタルジックな藤子・F・不二雄さんのSF短編の世界から
作家・夢枕獏さんのインタビューをピックアップします。
子どもの頃の思い出と
藤子・F・不二雄からの手紙
作家・夢枕獏さんの書斎は古今東西の本であふれています。
国別・時代別の資料から江戸時代の古書、さらにはプロレスやSFの雑誌まで蔵書は広範囲にわたります。
もちろん漫画もたくさん。
これらは自身が子どもの頃から集めてきたもので古書店で買い揃えたものではありません。
インテリアではない生きた本の集合体で、作家の脳内に入り込んだような感覚を覚えます。
そんな夢枕さんが数々の物語を生み出す書斎の机には、一枚の手紙が飾られています。
差出人は藤子・F・不二雄さん。
丁寧な挨拶文とともに『ドラえもん』と『オバケのQ太郎』のイラストの吹き出しに
「ぼくたち夢枕先生の古い愛読者です。これからもおもしろい小説を読ませてくださいね」と添えられています。
「恐縮しちゃうよね。俺の方が先にファンなのに」
そう感慨深く振り返る夢枕さん。
テレビ番組で共演したことをきっかけに愛蔵していた『どんぐり名探偵』にサインをお願いしたところ、
これは藤子不二雄Ⓐさんの作品だからという理由で、後日直筆の手紙が送られてきたのだといいます。
『どんぐり名探偵』に始まり『海の王子』『シルバー・クロス』……そして『ドラえもん』。
書斎には夢枕さんが子どもの頃から愛読してきた藤子不二雄両名の作品が収められています。
なかでも藤子・F・不二雄さんの手による『SF短編』は異彩を放っています。
「物語として優れているし、ショートショートとして優れているし、SFとしても優れていて、言うことなしだよね。この頃は『ドラえもん』を並行して描いていたはずで、それも『小学校一年生』から『小学校六年生』まで違う短編が載っていたでしょう。
SFでいえば、星新一さんも優れたSF短編の書き手なんだけど、藤子さんの作品と星さんの作品には近いものがあるね。あるときに変な人がやってきて、何かがあって、終わっていく。非常に悲しかったり、無常感だったり。
すごいのは『ドラえもん』では無常感をあまりやらないんだよね。一番好きなのは『のび太の結婚前夜』という作品。しずかちゃんが産まれたときのことをお父さんが『きみの産声が天使のラッパみたいにきこえた。あんなに楽しい音楽はきいたことがない』というセリフがあるんだけど、いまだに覚えている。たまにそうした親の視点の作品もあるんだけど、素晴らしいですね」
本誌では夢枕獏さんのインタビューの続きや、ほかにも様々な著名人の方たちのインタビュー、
そしてSF短編の解説も掲載されています。
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