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料理とドリンクによるケミストリー=ペアリングを食べ手として言語化するのは極めて難しい。
であれば、言葉のプロの方々にお願いしてみよう、というのが今回のRiCEの本記事。
今回は、加藤シゲアキさんによる最先端のペアリング体験を言葉にした記事をピックアップします。
[abysse]で堪能するニューペアリングの体験

文:加藤シゲアキ
[abysse]は魚介を中心に美しいポーションを重ねる名店です。
わたしは以前に一度来店しており、そのときはワインペアリングでお願いした記憶がある。
魚介とワインは緊張関係にある。
魚と言えば白ワインをイメージするだろうが、どんな白でもあらゆる魚介に対応できる、というわけではない。
方向性を間違えれば、魚の個性を悪い方に引き延ばしかねない。
場合によっては赤ワインの方がいい。
すなわち魚介に対する万能なワインというのはあまり存在せず、それを選ぶにはかなりの知識が必要だ。
にもかかわらず、料理の全容を把握する前に最適なボトルを選択するのは不可能に近い。
ゆえにシェフが一品一品に合わせてワインを提供することは大変理に適っている。
そんな[abysse]がこの春からワインだけでなくカクテルも含むペアリングになったと知り、
興味を持ってレストランの扉を開けた。
事前に手渡された料理のメニューからは夏の名残が感じられた。
合わせるペアリングにも季節感が見て取れたが、果たしていかに。
一品目の料理と合わせてまず出されたのはパスカルプルニエの白ワインだった。
カクテルでないのは、まずオーソドックスなところから、といったところだろう。
料理の前に先に一口頂く。
酸味のあるクリアな味わいで、柑橘の香りが遅れて抜ける。
余計な雑味のないこのワインは、ペアリングを考慮しなくても最初にふさわしいように思った。
そして料理を口にする。
細かい切目によって甘味が引き出された柔らかな白イカに、マスカットとサワークリームの酸味、
そして胡瓜の青い香りがアクセントになった爽やかなこの料理もまた一品目にぴったりだ。
夏らしい香りの余韻が口に残るうちに、再びワインを口に含む。
不思議なことに先ほど飲んだときよりも繊細さを感じず、代わりにトーストのような香ばしい風味が広がる。
料理の味わいによって、ワインのある部分は相殺され、
別の特徴が浮き彫りになるというのも、ペアリングの醍醐味のひとつだろう。
本誌では、加藤さんのペアリングボキャブラリーの続きをお読みいただけます。
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