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心穏やかな日々を好む長澤まさみさんが、主演映画『ドールハウス』で自身が苦手とする”ドールミステリー”という新境地へ挑みました。
海外の映画祭で得た「映画の自由な楽しみ方」をきっかけに、演技を通して自身の視野や生き方と深く向き合ったと語る長澤さん。
今号の日経WOMAN、カバーインタビューでは、誰もが認めるトップ俳優でありながら常に挑戦を続ける彼女が、作品への想い、そして未来の自分をイメージすることの大切さについて語ります。
視野が狭くならないように時々自分を俯瞰する
ドキドキ、ハラハラするものは苦手。恋の駆け引きも。なるべく心穏やかに過ごしたい。
そんな長澤さんの主演映画『ドールハウス』は、ゾクゾクする“ドールミステリー”。苦手なジャンルへの挑戦は、海外の映画祭で感じた映画の楽しみ方もきっかけに。
「海外では怖いシーンを爆笑しながら見る方も多いんです。見方は自由でいいし、視点を変えると楽しみ方も広がることを知りました。
今作のクランクイン前に映画『エクソシスト』を見たのですが、子どもの頃は恐怖しかなかったのに、実は心の奥深くを捉えた物語であることに気づかされました。いかようにも楽しめるのが映画の醍醐味。そういう自由度を大切にしながら映画作りに携わりたいと改めて感じています」
亡き娘の代わりにかわいがっていた人形が、幾度捨てても戻ってくる。そんな不気味さと不穏がまわりつくなかにもどこか愛情を感じる今作は、「家族の物語でもあるんです」と言う。
「人形が容赦なく迫り、逃してくれない感じは見応えがあります。私が演じる佳恵が愛する娘を亡くして自分を見失う過程、どこか洗脳されたように人形に執着する姿を演じるなかで、私自身はその時々で正しい選択をしているのか、視野が狭くなってはいないかということを考えさせられました。ゾッとしながらも、自分の幸せや生き方と向き合える物語です」
今年は「芝居漬けの日々」。新たなジャンルに次々と挑戦し、舞台作品にも精力的に出演。
誰もが認めるトップ俳優は守りに入ることなく、自分に挑戦し続ける。
「いつも近い将来の自分を漠然とイメージするんです。明確なキャリアプランを立てることはなく、こんな作品に出られたら、こうなっていたら楽しそうだなと勝手に思うだけですが、そのイメージどおりには近づけている気がします。
イメージすると、無意識にそこに向かえる選択をし、努力をしているのかもしれませんね。目の前のことに丁寧に取り組みながら、なりたい自分をイメージすることは大切にしていきたいです」
思い描くことが意識と行動を変え、チャンスを呼び寄せる。
「自分を見失いそうな時は、一度見失いっ放しにしてみます(笑)。
自分とは違う人物に没頭する仕事で、そこに生きがいを見つけているので、悩みながらもお芝居を思いきり楽しんでいきたいです」
本誌ではさらに、映画インフォメーション、長澤さんのQ&Aをご覧いただけます。
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