襲名口上に響いた『音羽屋!』――八代目菊五郎・六代目菊之助が歩む歌舞伎の未来

  • 更新日
  • 有効期限 2025.09.30

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2025-07-01 発売号 (2025年8月号)

 

歌舞伎とは日本独特の華やかで奥深い演劇の世界だと考えられるのですが、本当のところどうなのでしょう。
そんな歌舞伎婦人画報で特集。
音羽屋の襲名を通して、歌舞伎とは…をピックアップしてみました。

 

 

「歴代の菊五郎が大切にしてきた伝統と革新に則り、精進してまいる覚悟でございます」

2025年5月2日、團菊祭五月大歌舞伎の初日、菊之助改め八代目菊五郎が『口上』でこう述べると「音羽屋!」「八代目!」の大向うとともに、歌舞伎座が万雷の拍手に包まれました。

 

続く息子菊之助は「襲名させていただく感謝とともに、立派な歌舞伎俳優になれますよう」と力強く挨拶。
名跡、芸、心が江戸から令和に受け継がれ、未来へと広がっていく特別な瞬間。
その新たな幕開けをお届けします。

 

音羽屋とは

1730年に初代が尾上菊五郎を名乗って以来、295年の歴史をもつ江戸歌舞伎を代表する一門の屋号

 

“粋でいなせ”という言葉がぴたりとくるのが音羽屋の芸。

 

立役と女形を兼ねる俳優が多いのも特徴です。

 

 

尾上菊五郎・菊之助

 

 

 

尾上菊五郎(おのえきくごろう)

1977年生まれ。七代目菊五郎の長男。
84年2月歌舞伎座『絵本牛若丸』牛若丸で六代目尾上丑之助を名乗り初舞台。
96年5月歌舞伎座『弁天娘女男白浪』弁天小僧菊之助ほかで五代目菊之助を襲名。
2025年5、6月の歌舞伎座で八代目菊五郎を襲名。
舞踊にも定評があります。

 

尾上菊之助(おのえきくのすけ)

2013年生まれ。八代目菊五郎の長男。
祖父は七代目菊五郎、母方の祖父は二代目中村吉右衛門。
16年5月歌舞伎座『勢獅子音羽花籠(きおいじしおとわのはなかご)』で本名の寺嶋和史で初お目見得。
19年5月歌舞伎座『絵本牛若丸』源牛若丸で七代目丑之助を名乗り初舞台。
25年5、6月の歌舞伎座で六代目菊之助を襲名。

 

音羽屋の姿

 

 

『勧進帳』

5月歌舞伎座、八代目菊五郎としての第一歩を踏み出したのは『勧進帳』の富樫左衛門。
弁慶は市川團十郎さん。これは八代目たっての希望でした。

 

『連獅子』

6月の襲名披露狂言は『菅原伝授手習鑑』と『連獅子』。
舞踊の名手、六代目菊五郎は『鏡獅子』を得意としていました。

「仔獅子を谷に突き落とし、這い上がってくるのを待つ親獅子。
八代目菊五郎、六代目菊之助がこれからどう向き合っていくか、その心も重ねて勤めました」と八代目。

 

松王丸

『菅原伝授手習鑑』で初代目が勤めたのが、『寺子屋』の松王丸
「親が子を思うのと同時に、子が親を思う物語」
小太郎と菅秀才、ふたりの尊い命も重要なテーマです。

 

梅王丸

『車引』の梅王丸は稚気溢れる荒事の代表的な役。

菊之助さんの楽屋の鏡台には、母方の祖父である二代目吉右衛門さんが勤めた際の写真が飾られていました。

 

「祖父の映像を見ると、迫力があって本当にかっこよく、梅王丸そのものがいる、と感じます。
荒事らしく声を大きく太く出し、見得もかっこよく見せられるよう、祖父の姿を目指しました」

 

 

歌舞伎の世界を垣間見れましたが、襲名や親子愛など深い世界…。襲名までの道のりなど、まだまだ特集は続きますので、ぜひ本誌でご確認ください。

 


 

本誌では他にも、「平和画報」や「イスタンブール」などを紹介されています。

 

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