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この数年、東京の町焼肉が劇的に進化しています。
感動の極厚ハラミに衝撃のおまかせコース、超希少なホルモンの数々。
熱量高い若手“焼肉バカ”たちが、東京町焼肉を新たなステージへと引き上げています。
今号のdancyuにて紹介されている、『東京町焼肉最前線』記事を紹介します。
極厚のハラミからあふれる肉汁に瞠目
焼肉ホルモン 金樹/赤坂
文:松浦達也
「このハラミいいでしょう!」と愛おしそうに店主が塊から切り出す生肉は見惚れるほど艶めかしい。
分厚い「スペシャルハラミ」は、黒毛和牛の力強い肉の繊維と細かなサシが縞模様に綴られ、手切りが美しい「特選生タン塩」は断面がてらてらと光る。
透けるような「シルクロース」は絹のようになめらかで、客の口から思わず感嘆の声が漏れる。
店主の金樹延(キムスヨン)さんは秋田で焼肉店を営む家に生まれた生粋の焼肉っ子だ。
焼肉の話になると「子供の頃から大好きです。何かあればいつも焼肉でした!」とテンションが急上昇する。
その熱は仕入れや仕込みにも反映されている。
芝浦の肉卸に「メスの4等級が好きです!」など熱量高く好みを伝え、ハラミなどは郷里の秋田の問屋からも取り寄せる。
仕込みも肉によってタレの味を調整し、個体を見て切り方やもみ方まで変える。
根底にあるのは、焼肉への熱くて深い愛情だ。
「脂の融点が低い肉は薄めに切って、もみ込みを控えめにするとかね。焼肉って肉とタレでそれなりにおいしくなっちゃう。だからこそ老舗の焼肉店で肉と向き合った丁寧な仕事を触れると、一人の客としてもうれしくなるし、そういう店主に憧れます」
夕方に灯った赤坂「金樹」のロースターの炎は似付けが変わっても煌々と燃え続け、深夜にも肉を求める客の心とお腹を満たしてくれる。
炎の上で起きるのは「美」から「旨」への位相の転換。
黒褐色に焼かれたハラミは弾力豊かな食感を備え、噛むほどに口内に肉のジュースがあふれる。
色っぽさの上に香ばしさを纏った生タン塩は、心地よくしとやかな舌ざわりから上品な脂がにじみ、極薄シルクロースをサッと炙れば、トングですくうだけでロースターに肉汁が滴りそうになる。
美しい生肉にうっとしり、力強い焼肉の味わいに歓喜する。
濃紺ののれんを払い、夜の街に散りゆく人の表情は今夜も多幸感に満ちている。
本誌では、他にもさらに東京町焼肉が紹介されています。
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