【妄想デート】ちとせよしの「“私たち、しませんか?”って聞かれるのは、嫌ですか?」

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2024-07-02 発売号 (2024年7/9号)

 

同僚女性が部屋に泊まりに来ることになった。

思ってもいない展開に浮き足立つが、3年前の発言が脳裏をよぎる。

まだ、彼女の意思はわからない…。

 

SPA!の連載『妄想デート撮』Vol.54「このあとどうする?」では、大人気すぎるグラドルのちとせよしのちゃんが登場!

作家・戸田真琴さんによるストーリーをより深くするグラビアに臨場感がたっぷりです。

 

“私たち、しませんか?”って
ちゃんと聞かれるのは、嫌ですか?

 

 

職場に新人たちが入ってきた。

怖がらせないよう、なるべく話しかけないようにしている。

しかし、ロッカーで毎日話し込む彼女らの声は、避けていても聞こえてしまう。

 

「……同意とるとかムード崩れるじゃん!」

「えー、でも大事じゃない?断りきれないときあるじゃん」

 

今日の話題は、SNSのトレンドで見る性的同意について。

僕の時代は強引なのがかっこいいとされていた。

リアルな意見は違うのだろうか?

つい気になって聞いていると、そのうちの一人の女のコがこう言った。

 

「……でも、ちゃんと同意をとるのって、いちばんセクシーじゃないですか?」

 

僕は驚いた。

それをはっきりと言う彼女の声こそが、とても芯があってセクシーだったから。

ついガタッと体が動いてしまい、盗み聞きがバレた。

さっきの彼女がこちらをじっと見て、こう言った。

 

「店長は、いいなーって思ってる人に、“私たち、しませんか?”ってちゃんと聞かれるのは、嫌ですか?」

 

僕は手に持っていたペットボトルを落とした。

 

 

それから3年。

僕らはすっかり息の合った同僚になっていた。

彼女も正社員になるために頑張っていて、明日はそのための資格試験だ。

遅くまで勉強をして終電を逃した彼女を家に泊めることになった。

つい期待がふくらむと同時に、あの日の言葉が思い出された。

 

帰り道、コンビニの前を通りかかる。

心の中にある言葉を、意を決して聞いてみる。

 

「僕はあなたが好きです。僕としてくれませんか。もしもOKなら、今このタイミングで買うものがあるので、可否をお聞かせください」

 

彼女は吹き出して、コンビニの前でしばらく笑った。

 

「今の先輩、すっごく面白くてセクシーでした。はい。いいですよ。買いましょう」

 

くすくす笑いながら彼女に手を引かれコンビニへと入った。

明るくて面白い彼女の前なら、真面目すぎる自分を好きになれる気がした。

 


 

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