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車や電車のない江戸時代の健康作りの秘訣は
「腹八分目」や「夜更かししない」、「呼吸はゆっくり大きく」などでした。
そこに「歩け」がないのは、今みたいに自動車や電車もなく、みんな歩かざるを得なかったから。
しかし現在は便利なモノが増えて歩く機会が激減しました。
医師の長尾和宏先生はこう言います。
「現代人は歩かないからこそさまざまな不調に悩まされています。病気の9割は歩けば治りますよ」
生活習慣病で悩む人の多くは歩く習慣を失っていたと、長尾先生の経験談です。
歩いて健康を手に入れるには、継続が大切。
まずは長尾先生自らが実践しているポイントを紹介します。
ウォーキングを続ける5つのポイント
- 初めは時間や歩数を気にしない
- ゆっくり歩き始め、徐々にスピードアップ
- ストライド(歩幅)も少しずつ広げる
- 肘を引いて肩甲骨を動かし、背すじを伸ばす
- 気分が乗らない日に無理して歩かない
長尾先生が唯一の生き抜きであるゴルフに出かけると、そこには元気にグリーンを歩く高齢者が大勢いるといいます。
「ゴルフは歩くスポーツ。健康だからゴルフができるのではなく、ゴルフで歩いているから健康なのだと思い直し、患者さんにも歩くことを薦めたら、薬なしでも生活習慣病から抜け出せる人が続出しました」
驚くべき、歩きの効能

ポジティブになり、ストレスに強くなる
世の中にはストレスの種は尽きません。
適度なストレスは人生のスパイスといわれますが過度で慢性的なストレスはスパイスどころか劇薬。
脳に深刻なダメージを与え、やる気を削いだり、不安を強めたりします。
そんな劇薬から、私たちを守ってくれるのが、ウォーキングです。
ウォーキングのような軽度でリズミカルな運動を続けると、脳内でセロトニンというホルモンが増加。
セロトニンは、脳の前頭前野というエリアに作用し、ストレスや不安への耐性を調整してくれるのです。
うつ病患者では、脳内でセロトニンレベルが低下し、それがストレスや不安に対して弱くなる一因となります。
ウォーキングでセロトニンレベルが保てれば、ストレスにも不安にも負けない、しなやかなメンタルが身に付きます。
「私の患者さんでも、普段からよく歩いているひとは、いつもご機嫌で満たされた顔をしている。私はそれを“セロトニン顔”と呼んでいます」
心が疲れた日こそ、散歩に出てみましょう。
不眠の9割は歩くだけで治る
日本人の5人に1人は、眠りに関して何らかの障害を抱えており、不眠に悩んでいるそうです。
この不眠も、歩くことで解消できると長尾先生は言います。
最も効果的なのは朝のウォーキング。
朝に歩いて朝日を浴びると、脳内の体内時計が24時間周期に正しくリセット。
同時に脳内では前述のセロトニンが分泌されます。
もともとヒトは暗くなると眠くなるようにできています。
朝、体内時計が始動してから14~16時間ほど経ち、あたりが暗くなるとセロトニンではなくメラトニンというホルモンが作られます。
メラトニンは、いわば眠りの精。
睡眠に相応しい体内環境を整えるスイッチを入れてくれるのです。
日中にウォーキングを行うなどして活動的に過ごしていると、余計に眠りは整いやすくなります。
現代のウォーキングには役立つアイテムがたくさん存在しています!
ウォーキングの効果を学ぶとともに、便利グッズも利用して相乗効果を上げてみましょう!
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