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「健康こそ人生最高の幸福である」——江戸時代中期に出版され、幕末まで長く読み継がれた伝説のベストセラー『養生訓』。
著者である貝原益軒は、自らの体験をもとに83歳で本書を著し、人生の終盤まで活力に満ちた日々を送りました。
「腹八分目の食事」「適度な運動」、さらには現代にも通じる「ストレス対策」まで、その教えには人生100年時代を健やかに美しく生きるヒントが凝縮されています。
奥田昌子先生の解説とともに、今も昔も変わらない“和やかに楽しく生きるための養生法”を探ります。
150年間売れ続けた伝説のベストセラー!
『養生訓』が江戸時代に大ヒットした理由

この世に生まれてきたからは、良心に従って生き、幸福になり、長生きして、喜びと楽しみの多い一生を送りたい。
そのために最も大切なことは、健康でいることです。
『養生訓』の冒頭には、「健康こそ人生最高の幸福である」と書かれており、
「幸福になるためには人はどう生きるべきか」、健康への考え方や心構えが説き明かされていきます。『養生訓』は、正徳3(1713)年の出版直後から評判を呼び、幕末までの約150年間で12回も重版されました。
ヒットの理由は、当時(江戸時代中期)は産業が発展し、文化も成熟、食と健康への関心が高まっていたことです。
また、印刷技術が向上し、手軽に書物を手に入れられるようになり、漢字仮名交じりの平易な日本語で、さまざまな階層の老若男女が読むことができたのも大きいと思います」
と奥田昌子先生は仰います。
著者・貝原益軒の素顔
弱かった少年期を乗り越え、自ら検証した「養生メソッド」
著者である貝原益軒は、儒学者・博物学者・本草学者とさまざまな肩書をもっており、日本の歴史や文化に造詣が深い医学者でした。
幼少のころ体が弱かった益軒は、書物や医師、周囲の闘病経験者から養生の方法を学び、自らの体で効果を確かめ、よりよい養生のメソッドを模索しました。
「心身ともに健康で84歳まで生き、生涯を通じて実践してきた自らの養生体験と教訓がふんだんに盛り込まれていて、まさに日本人のための養生書。『養生訓』は83歳のときに出版されましたが、そのころも体力気力ともに充実して筆を執っていました。“これを読めば著者のように元気で長生きできる!”という広告も出されたようで、説得力がありますよね。ちなみに奥さんは22歳年下で、旅好きだった益軒は晩年までふたり仲よく旅行をして見聞を広げ、書画を楽しむなど、穏やかな日々を過ごしていたようです」
食はバランスよく腹八分目、酒は少々、体を動かし、過不足なく眠り、楽しみを見つけ、心穏やかに過ごします。
現代にも通じる具体的な教えのなかでも、面白いのは“ストレス”にも言及している点だと奥田先生はいいます。
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