【日本の独立峰】信仰により、独立峰が女人禁制だった理由とその衰退

  • 更新日
  • 有効期限 2022.03.17

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「名山」とされる山には独立峰が多くあります。

均整のとれた美しさは郷土の象徴として愛され、日本の地方文化を育む原動力にもなってきました。

 

今回は山と溪谷で特集されている『独立峰』の中から、
コラムで掲載されていた信仰の山についてピックアップします!

 

独立峰には信仰の山がなぜ多い?

 

 

富士山や御嶽山、鳥海山など、信仰の山として有名な独立峰は多く存在します。

独立峰はなぜ信仰の対象となりやすいのでしょうか。

日本山岳修験学会の鈴木政宗会長が解説します。

 

「山は、古くから山麓の農民にとっては水をもたらし、海辺に住む人々にとっても航海の安全に欠かせない存在でした。ただし、独立峰だから信仰の対象となったわけではありません」

 

日本人は日々の暮らしを支えてくれる山に対して畏敬の念を抱いてきました。

そういった信仰の山には、大別すると4つの特徴が挙げられるといいます。

 

信仰の山に見られる特徴

 

(1)姿かたちが象徴的で美しい

 

日本の山の多くは里に近く、山麓の人々は常に山を眺めて暮らしていました。

なかでも、独立峰のようにどこから見ても均整がとれた山は
その美しさから信仰の対象となりやすかったそうです。

また、牛や鳥などの動物の姿に似ている山も、神が宿ると考えられることが多かったといいます。

 

(2)死者の行きつく場所である

 

死者の霊魂は山に上ってゆき、年忌供養をするうちに浄化され、三十三回忌には神になり、
神と一体化した先祖の霊は近くの山から子孫を見守る、と日本では考えられてきました。

里に近く特徴的な山は、こうした死者の行きつく場所として畏怖されました。

 

(3)里に恵みの水をもたらす

 

山に降った雪は春になると雪解け水として里の水田を潤します。

そんな恵みの水に感謝し、里の人々は山を崇拝しました。

古くから山岳信仰が盛んな山の周辺は、米どころが多い。

鳥海山や出羽三山と庄内平野、立山と富山平野、白山と加賀平野などがその代表です。

 

(4)生活を豊かにする生産力がある

 

山の恵は水だけではありません。

クマやシカなどの獲物、キノコや山菜、薬草なども与えてくれました。

ほかにも、森林は家を建てるときに必要な建築資材や薪炭などのエネルギー源としても活用することができ、

人々の暮らしを支える重要な存在として大切に扱われてきました。

 


 

それではひとつ、独立峰×山岳信仰よもやま話を紹介します。

 

女人禁制だった理由とその衰退

 

日本では古くから女性が山に登ることを禁じる考え方がありました。

「女性は月経や出産による血の穢れがあり、山の神が怒って天災をもたらす」と考えられていたのです。

 

しかし、江戸時代に富士講が盛んになると、女人禁制を破って富士山に登る女性も現れました。

1832(天保3)年10月下旬、江戸深川生まれの町娘の高山たつは、

男女平等を唱える富士講の先達、小谷三志に率いられて富士山山頂をめざしました。

 

雪が舞うなか、登頂に成功したたつは、人の目を欺くために髪を切り男装していたといいます。

しかし、正式に女人禁制が解禁されたのは72(明治5)年で、40年後のことでした。

 


 

本誌では他にも3つの山岳信仰よもやま話が紹介されています。

また、独立峰の美しさや特徴もたっぷりまとめられています!

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