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貯金、節約に投資。
老後に向けて、お金を貯め続けなければならないという不安に駆られる人は多いでしょう。
そんななか、お金を使い切って『ゼロで死ぬ』ことを勧めたのが、
アメリカのヘッジファンドマネジャー、ビル・パーキンスです。
著書『DIE WITH ZERO』は日本でもベストセラーになりました。
お金を貯めることに躍起になり、
「何のために貯金するのか」「どのように生きるのか」という視点をつい見失いがちです。
「ゼロで死ね」という提案が支持された背景には、人生を豊かにしたいという期待感があるのではないでしょうか。
しかし、せっかくのお金を、無計画に使い果たしてしまうのでは意味がありません。
そのためにも、合理性に基づいたシンプルな人生設計を目指したいもの。
合理性とは、「投入した資源(リソース)に対して、より多くの利益(リターン)を得ること」と定義できます。
お金を使うのであれば、それに見合うだけの幸福度を得たいと誰もが思うでしょう。
PRESIDENTでは、作家の橘 玲氏が『お金を使い切るための最良の方法』を考えています。
使えるお金は使い切り、死んだあと「ゼロにする」
無限の富は、無限の幸せか?
市場経済では、資産の多寡が幸福度に大きく影響することは間違いありません。
「収入が高い=幸せ」「資産が多い=幸せ」は、ある程度までは正しいのですが、
無限の富を持てば無限の幸福が手に入るわけではありません。
収入や資産は、増えれば増えるほどその効用が逓減するからです。
大阪大学が行った調査では、収入の限界効用がゼロ(平坦)になる金額は年収800万円だそうです。
これは個人単位なので、子どものいる世帯では年収1500万円程度になるでしょう。
この額を超えてしまうと、収入から得られる幸福度は変わらないとのこと。
また、金融資産については、持ち家+1億円を超えると、それ以上幸福度は上がらないようです。
1億円を超える資産は
幸福度になんら関係のない『無関係なお金』

この図では、資産と効用(幸福度)の関係を示したもの。
人間が数学的に合理的であれば、収入や資産に比例して幸福度も増えていくはずです(直線B)。
しかし、脳にプログラムされた進化的合理性(直感)では、一定の金額を超えるまでは、
実際に感じる幸福度は理論的な幸福度を上回ります。
ところがその差は徐々に小さくなって、個人の年収なら800万円、世帯年収なら1500万円、
世帯の金融資産なら1億円を超えると幸福度はほとんど上がらなくなるのです(曲線A)。
この図からわかるのは、
1億円を超える資産は幸福度になんら関係のない『無関係なお金』(図における白い部分)だということです。
これがパーキンスが
「意味のないお金を抱えていても仕方ないのだから、生きているうちに使い切ってしまえ」
と説く理由でしょう。
タイトルからは過激な内容に思えますが、読んでみると、じつは常識的な提言であることがわかります。
パーキンス氏は、こう言います。
- 若いときは、わずかな貯蓄よりも体験を優先すべきだ。
- 子どもには遺産を分け与えるのではなく、必要としているときに生前贈与をする。
- 老後のために十分な備えをしたうえで、それ以上の資産は自分や家族の楽しみに使うか、
寄付などで使い切ってしまう。
(1)については、さまざまな調査でモノを買うよりも体験にお金を使った方が
長期的には幸福度が高まることがわかっています。
たしかにブランドものを手に入れたときはうれしいでしょうが、
その喜びはすぐに薄れてしまいます。
それに比べて、初めてのデートや初めての海外旅行・留学の楽しい思い出はずっと心に残り、
年をとってからも、回想するたびに満ち足りた気持ちにしてくれるのです。
本誌では、体験にお金を使うこと、人生で優先順位が低いものは『選択しない』ということなどもまとめられています。
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