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ほっとする、リラックスできる、落ち着く。
クウネル世代にとって部屋はくつろげることが大切です。
それは、家族の形態が変わりひとり暮らしをするようになっても、
実家を引き継ぎリフォームすることになっても、都心から自然豊かな地に暮らし替えをしても、
そしてパリのアパルトマンでも。
Ku:nelでは、自分のスタイルとさまざまなストーリーを持つ16組のくつろげる部屋を紹介しています。
その中から今回はエッセイスト・宮脇彩さんの部屋をお紹介します。
建築家の父から継いだコンパクトな家

メンテナンスを重ね、住みつないでいく
「ベランダも入れたら20脚はあるかな」
エッセイスト・宮脇彩さんの家にある椅子の数です。
マンションの一室、夫婦ふたり暮らしにしては多い印象。
リビングの中央にはイームズのラウンジチェアが横たわり、壁際にはウェグナーのザ・チェア、
そして窓際にはコルビュジエのカウボーイ・チェアが悠々と…。
亡くなった父は建築家の宮脇壇(まゆみ)さん。
優れたエッセイストとしても知られ、住宅建築家の憧れです。
そして20世紀名作椅子のコレクターでもありました。
都心の高台に建つ50年超えのヴィンテージマンション。
広い敷地内には、木々が重なり、住民が運営するハーブ園があったり、図書館があったり。
超都会にありながら親密度が高く、小さな村みたいな不思議な場所です。

「ここは父が亡くなるまで暮らしていた部屋でした。元はアトリエだったとこを、終の住処用に整えていたのです」
夫婦がしばらくパリに住んでいた間は空き家になっていましたが、
『やっぱり残しておかないと』と、住むことに。
当時の面影をそのままに……。
迫るように桜が咲く窓には大きな障子3枚、部屋の片側いっぱいには本棚が、
その下に渡った天板は夫婦のデスクとして活用しています。
そして、家の空間を埋めるように名作椅子を配置しました。
「とにかく椅子が一番置けるレイアウトを考えました。もはやパズル」
宮脇さんがインテリアで一番大切にするのは『収まり』。
父から受け継いだものとものの余白にぴったり収まるように、自分たちの暮らしの品をはめ込みました。
たとえば冷蔵庫。
作り付けの食器棚の間に、絶妙のサイズ感で収まっています。
色は壁の色と同じ黄色。
「20年近く作っているので、そろそろ限界かな?と思うのですが、ここに合うサイズと色のものを見つけるのが本当に難しくて」
熟考のうえサイズが合う冷蔵庫を、業者に頼んで黄色に塗り替えてもらうことを検討中。
「コストも手間もかかってしまうけれど、背に腹は代えられない」
安易に新しいものを買わず、あるものをメンテナンスして使い続けていく……
これが『受け継ぐ者』の使命でもあり、喜びであるのかもしれません。
本誌では全部で16ものおちつく部屋が紹介されています。
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