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脳は、人によってタイプが違うって、知っていましたか?
そして、そのタイプごとに、適した勉強法は変わってくるのです。
逆に、脳のタイプに合わない勉強法だと、やればやるほど勉強嫌いになる可能性も。
プレジデントファミリーでは、お子さんの脳に合った勉強法を
脳内科医・小児科専門医の加藤俊徳先生が解説しています。
脳の地図に8つの番地をつける
文:加藤俊徳
成績を上げるためにはガムシャラに勉強する必要がある。
そう考える人もたくさんいることでしょう。
たしかに実際問題として入試でよい点数を取るためには、きちんとテスト勉強をしないといけません。
とはいえそこに至るまで、たとえば小学生のうちなら、
まずは脳そのものを成長させることがより大事だと考えています。
子どもたちの脳は、ものすごいスピードで成長していきます。
その成長をさらに促すために取るべきトレーニングというのもあります。
私は脳内科医として、30年以上も人の脳を見てきました。
脳には、その人の経験が記憶されており、次にどうしたらよいかを選ぶためのヒントがあります。
つまり、脳は人によって発達の度合いやタイプが違うのです。
脳には個性があるのです。
その個性に合わせた脳のトレーニングがあり、個性に合わせた勉強法があります。
八つに分類される『脳番地』
個性に合わせた勉強法の話の前に、脳について少し説明しましょう。
人間の脳には1000億個を超えるともいわれる神経細胞があり、「見る」「聞く」「体を動かす」など
同じような働きをする神経細胞ごとに集団を形成しています。
その神経細胞群を私は『脳番地』と呼んでいます。
人間の脳全体では120もの脳番地がありますが、私はその仲で似たような働きを持つ脳番地をまとめて、
八つの代表的系統に分類しています。
- 思考系脳番地…思考や判断に関係する
- 感情系脳番地…感性や社会性に関係する
- 伝達系脳番地…話したり伝えたりすることに関係する
- 運動系脳番地…体を動かすことに関係する
- 聴覚系脳番地…耳で聞くことに関係する
- 視覚系脳番地…目で見ることに関係する
- 理解系脳番地…物事や言葉を理解する
- 記憶系脳番地…覚えたり思い出したりすることに関係する
この中で、小学生のうちに主に発達していくのは、「伝達系」「運動系」「聴覚系」「視覚系」の四つです。
この四つが活発に働き出すことで、ほかの脳番地も発達していきます。
そこで、まずはベースとなる四つを成長させることに注力したいものです。
脳番地には、それぞれ伸ばすべき方法があります。
漠然と脳トレをするのではなく、脳番地ごとにトレーニングをすることで、理想の脳へと近づけることができます。
ここで注意したいのは、人間の脳は、人それぞれで強い脳番地が異なるということです。
これは「得意なことが違う」と置き換えてもいいでしょう。
実際に調べてみますと、たとえばスポーツ選手なら運動系脳番地が突出して伸びています。
一方で研究者なら、理解系脳番地が突出して伸びています。
どうして特定の脳番地が突出して伸びるのでしょう。
人には誰でも得意不得意、好き嫌いがあります。
得意なこと、好きなことは、何度も繰り返して行います。
その繰り返しが、特定の脳を育てているのです。
ではそうした突出した脳番地を持つ人が、ほかの脳番地の成長においては
人と比べて著しく尖っているかというと、決してそういうことではありません。
得意な脳番地に比べて、成長の速度が少々遅いだけにすぎません。
不得意な脳番地であっても、それを使うようになれば、どんどん成長していきます。
先に、スポーツ選手は運動系脳番地が突出して伸びていると説明しました。
実際、現役選手時代はそうであっても、引退後に解説者となり喋る機会が増えると、
運動系脳番地よりも伝達系脳番地が得意になります。
また、脳番地は、互いに刺激し合っています。
得意な脳番地が大きく成長すると、そこから刺激を受けてほかの脳番地も成長していくのです。
特に小学生くらいであれば、得意な脳番地の成長が、ほかの脳番地の成長を大きく促していくことは間違いありません。
つまり自分の得意な脳番地をさがし、そこを伸ばし続けることで、人は脳全体の力を大きく上げることができるのです。
日本ではよく、短所を直すことが必要だといわれます。
試験では苦手教科の克服が大事だとされますし、スポーツの世界でも弱点をなくすように練習を繰り返します。
でも小学生の脳番地トレーニングでは、苦手な分野を無理に強化させる必要はありません。
トレーニングを無理にやらせてみても、弱い脳番地は成長しないのです。
それどころか本人のやる気がなくなるだけ。
勉強そのものが嫌いになってしまいます。
一方で子どもたちは得意なことは楽しみながらやるものです。
得意な脳番地に関してなら喜んでトレーニングをしますから、強い脳番地は成長していきます。
脳番地トレーニングは、短所を直すよりも長所を伸ばすことが大事。
まずは本人の強い脳番地を知ることが重要です。
そのうえで、得意な脳番地を伸ばすための勉強を続けていきましょう。
強い脳番地はどんどん成長しますし、その成長に引っ張られる形でほかの脳番地も活性化していき
成績がぐんぐん上がっていくのです。
まずは、お子さんの強い脳番地をチェックしてみましょう。
本誌では、より詳しい脳番地の伸ばし方・勉強法について、解説されています。
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