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今号のOZmagazineでは、パン好きな方のためのパン特集!
ただ美味しいパン屋さんを掲載するのではなく、パン屋がどんな1日の流れで美味しいパンを作り出しているか、『パン屋さんの1日』を特集しています。
今回は、南大沢にある『CICOUTE BAKERY』の一日をピックアップします。
パン屋さんの1日

店主の北村さんと、もうひとりのスタッフで作業を開始。
窯に火をつけ、粉を軽量し、水と酵母を加え、発酵した生地をこね、フィリングを包みます。
まるで赤子をあやすような繊細な動きと、大きな窯を扱う大胆な動きが、同時進行で行われます。
工房に流れるラジオが深夜放送から、1日の始まりを告げる間もこの作業が続きます。
空が明るくなるにつれスタッフが増えていき、パンを作るチーム、サンドイッチを作るチームに分かれて作業が行われます。
そして開店の2時間前になるとラストスパート。
一気に全員の動きが早くにぎにぎしくなり、どんどん焼き上がったパンに具が挟まり、店頭に並べられます。
その連携とフォーメーションのすごさったらありません!
全部がずっと、つながってる

「朝、焼きたてのパンを買う」という、ささやかな生活の楽しみを、みんなに手渡すために。
パン屋さんは、人類が誕生して以来繰り返される「夜寝て、朝起きる」という行為を、半ば手放しています。
まだ、暗い闇の中、白い粉にまみれ、寝ている人たちが夢にも見ないほどの、途方もない勤労に励んでいます。
粉と酵母と水を混ぜ、発酵しふくらみ、アイボリーの生地をこね、やがてこうばしい褐色になるまで、こんこんと粘り強く、お世話をし続けています。
多摩ニュータウンの西、首尾よく整った森のほとりでパン屋さんを営む『チクテベーカリー』の北村千里さんは、さっきまでのキビキビとした所作からは想像もつかない、のんびりあどけない口ぶりで、パン作りの日々について話してくれました。
「パン屋そのものが、こういう仕事なのかなって気がする。全部がずっと、つながってるんですよ。一昨日の準備が昨日の仕込みになって、今日のパンになる。それをエンドレスに繰り返してる。すごくいいパンが焼けた日があっても、次の日も同じになることは、絶対になくて。温度とか、湿度とか、なにかがちょっと違えば、パンも変わる。これがいいと思っていても、また新たな発見がある。なのでまた明日、また明日ってやって、気付くと1年経ってる。そういう、長い仕事なので」
『チクテベーカリー』は北村さんの実家の1階で、たったひとりきりから始まりました。
「お客さんが来そうな場所じゃなかったんで、最初は発送と卸しだけで、できるだけ日持ちするように大きいパンを作ってたんです。ただ軒先のスペースで売るうちに、もう少し小さい、やわらかいのがなきゃいけないんだとかを学びながら、1個ずつ増やしていって。10年かかりました」
そして2013年、今の場所に移転オープン。
ここはひとりではなく、チームとともに切り盛りします。
「あの頃は、誰もいない中でずっとパンを作っていて。“いいのできたねー!”と言っても“しーん”みたいな。だめもいいも、分かち合える人がいないのが、寂しくなって。今はたくさん手伝ってくれる人がいて、みんなでやるのが楽しい」
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