京都・南禅寺で前澤友作が7年をかけて築いた唯一無二の和モダン空間《智水庵》を訪ねる

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日本の庭やインテリアなどを含めた建築は、日本ならではの落ち着く空間だと感じませんか?
特にお寺などを訪れた際により深く感じます。

今号のCasaBRUTUS(カーサブルータス)では「和風モダンを学ぶ」を特集
今回は前澤友作さんが和風モダンに改築した京都・南禅寺の智水庵の建築をピックアップしてみました。

 

 

日本の建築やデザインには不思議な居心地の良さと憧れを感じます。
それは日本人のDNAに深く刻まれて受け継がれてきた感覚なのかもしれません。

アートや家具のコレクターとして有名な前澤友作さんが長きにわたり取り組んだのも、京都の由緒ある別荘庭園群のひとつである〈智水庵〉日本家屋と庭園の改修です。

 

和風モダンを学ぶ

 

 

京都/南禅寺 智水庵

2018年に継承してから7年弱もの歳月をかけて、家屋や庭園の改修を重ねてきた京都・南禅寺の〈智水庵〉
どの視点場から眺めても美しい名邸から和風モダンを学びます。

 

〈智水庵〉の歴史

前澤友作さんが2018年に購入した〈智水庵〉は京都・南禅寺にほど近いエリアにあります。
このあたにりは立派な門や塀に囲まれて外からはうかがうい知れないものの、贅を尽くした数寄屋と広大な庭園を持つ邸宅が多く集まります。

 

〈智水庵〉は明治30年代に建設が始まったと考えられ、遅くとも大正11年(1922)までには現在の構成になったと憶測されています。
しかしこれまでに所有者が何度も変わり、そのつど増築・改修が繰り返されているのです。

 

前澤さんが〈智水庵〉を購入してからは全体の改修計画を〈中村拓志&NAP建築設計事務所〉、数寄屋建築の名門〈中村外二工務店〉、南禅寺御用庭師として江戸末期に発祥する〈植彌加藤造園〉の三者が一体となって推し進めました。

 

大きく変わったところといえば、囲炉裏のあった和室をカーペット敷きにしてヴィンテージ家具を置いたリビングにし、縁先に露天風呂を設けたこと。
そして二間続きの和室を一つにつなげてベッドルームにしたことだろう。
それ以外にも前澤さんが所有する古美術や現代アートを飾ることを意識した空間づくりのために、床の間の大きさや形式などを細かく修正していきました。

 

購入から7年弱の歳月をかけ、施主の感性を指針としながら、建築と庭それぞれのエキスパートたちが専門性を超えて協働し、新生〈智水庵〉がひとまず形となりました。

 

しかしこれで完成ではありません。

 

時間も予算もほぼ度外視で普請に取り組んだ“令和の数寄者”である前澤さんは、すべてが異次元の最高級邸宅と庭園「生涯をかけて手を入れ続けたい」と意欲満々です。

 

 

〈智水庵〉の改修前と改修後の比較写真や、居間や露天風呂のこだわりなど本誌では続けて読むことができるので、ぜひご確認ください。

 


 

本誌では他にも、和風モダンな家と暮らしている方々や、和風モダン住宅を紹介されています。

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