《バンドマンの山籠りキャンプ》ペグは使わない自由なキャンプスタイル

  • 更新日
  • 有効期限 2025.04.04

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2024-08-27 発売号 (2024年10月号)

 

キャンパーの数だけキャンプスタイルがある。

 

ロックバンド・人間椅子の和嶋慎治さんの流儀は、山に一人籠って自分と向き合い対話するキャンプです。

男の隠れ家では、“哀愁のワジマシーン”のソロキャンプに密着しています。

 

ペグは使わないという自由なキャンプスタイル

 

一台のバイクが国道299号線を秩父へ向かって疾駆しています。

2ストロークのエンジン音を響かせながら、ライダーはワインディングロードを楽しむかのように走ります。

正丸トンネルを抜けると左手に「道の駅 果樹公園あしがくぼ」が見えてきたら、左にハンドルを切ります。

 

駐車場にバイクを止めてヘルメットを外すと、白髪交じりの長髪を後ろで束ねた、渋めのライダーが顔を見せました。

ロックバンド・人間椅子のギタリスト&ボーカリストである和嶋慎治さんです。

ロックミュージシャンがキャンプとは意外な組み合わせですが、和嶋さんは学生時代から約40年バイクキャンプを楽しんできた強者です。

 

「僕らはバイクが青春だった世代。バイクキャンプは、ツーリングとキャンプの2つを楽しめる。雨に降られるなど辛いことも多いけれど、やめられないね」

 

愛車のSUZUKI TS185ERは1970年代設計の空冷2ストローク。

TSシリーズは仮面ライダーにも登場するバイクです。

 

「空冷2ストロークはエンジンの音を五感で感じられるのが魅力。バイクに乗っていると風が肌にきて、体重移動する感覚が、子どもの頃に夢で空を飛んだときの感覚に近い。ロマンを感じますね」

 

バイクは積載量が限られます。

お気に入りのもの以外は、できるだけ地元の食材と酒を買うことにしているそう。

道の駅の農産物直売所では、キュウリ、ミョウガ、プチトマトなどの野菜と、秩父名物“おなめ”、地酒を購入。

これで準備OK。

 

目的地の武甲温泉キャンプ場は秩父・横瀬川沿いにある、自然豊かなキャンプ場。

和嶋さんは林の中のテントサイトを選んで、大きな木の近くにバイクを止めました。

まずは荷物を下ろします。

ギアは必要最小限のテント、グランドシート、シュラフ、焚き火台、ミニテーブル、料理用のクッカー、シェラカップ、マグカップは一つずつ。

さらにヘッドランプ、ランタンなど。

 

「バイクはかっこよさですが、ギアは壊されにくさが基準。構造が単純なものが壊れにくいので、シンプルなギアを使っています」

 

 

最初にテントを設営。

10年使用の小型タープテントです。

 

「立てやすいから自立型のテントにしています。ペグは打たない」

 

キャンパーにとってテントをペグで留めるのはルーティンワークですが、強風が吹いていない限りペグを打たなくても問題ありません。

常識にとらわれず自由に行動します。

ロックミュージシャンの心意気です。

 


 

 

本誌では、和嶋さんのキャンプとの向き合い方、海より山を選ぶ理由なども掲載されています。

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