
この記事が掲載されている雑誌は、こちらからお読みいただけます。
記事の有効期限以降は本誌は非公開となります。ご了承ください。

2024-08-27 発売号 (2024年10月号)
キャンパーの数だけキャンプスタイルがある。
ロックバンド・人間椅子の和嶋慎治さんの流儀は、山に一人籠って自分と向き合い対話するキャンプです。
男の隠れ家では、“哀愁のワジマシーン”のソロキャンプに密着しています。
ペグは使わないという自由なキャンプスタイル
一台のバイクが国道299号線を秩父へ向かって疾駆しています。
2ストロークのエンジン音を響かせながら、ライダーはワインディングロードを楽しむかのように走ります。
正丸トンネルを抜けると左手に「道の駅 果樹公園あしがくぼ」が見えてきたら、左にハンドルを切ります。
駐車場にバイクを止めてヘルメットを外すと、白髪交じりの長髪を後ろで束ねた、渋めのライダーが顔を見せました。
ロックバンド・人間椅子のギタリスト&ボーカリストである和嶋慎治さんです。
ロックミュージシャンがキャンプとは意外な組み合わせですが、和嶋さんは学生時代から約40年バイクキャンプを楽しんできた強者です。
「僕らはバイクが青春だった世代。バイクキャンプは、ツーリングとキャンプの2つを楽しめる。雨に降られるなど辛いことも多いけれど、やめられないね」
愛車のSUZUKI TS185ERは1970年代設計の空冷2ストローク。
TSシリーズは仮面ライダーにも登場するバイクです。
「空冷2ストロークはエンジンの音を五感で感じられるのが魅力。バイクに乗っていると風が肌にきて、体重移動する感覚が、子どもの頃に夢で空を飛んだときの感覚に近い。ロマンを感じますね」
バイクは積載量が限られます。
お気に入りのもの以外は、できるだけ地元の食材と酒を買うことにしているそう。
道の駅の農産物直売所では、キュウリ、ミョウガ、プチトマトなどの野菜と、秩父名物“おなめ”、地酒を購入。
これで準備OK。
目的地の武甲温泉キャンプ場は秩父・横瀬川沿いにある、自然豊かなキャンプ場。
和嶋さんは林の中のテントサイトを選んで、大きな木の近くにバイクを止めました。
まずは荷物を下ろします。
ギアは必要最小限のテント、グランドシート、シュラフ、焚き火台、ミニテーブル、料理用のクッカー、シェラカップ、マグカップは一つずつ。
さらにヘッドランプ、ランタンなど。
「バイクはかっこよさですが、ギアは壊されにくさが基準。構造が単純なものが壊れにくいので、シンプルなギアを使っています」

最初にテントを設営。
10年使用の小型タープテントです。
「立てやすいから自立型のテントにしています。ペグは打たない」
キャンパーにとってテントをペグで留めるのはルーティンワークですが、強風が吹いていない限りペグを打たなくても問題ありません。
常識にとらわれず自由に行動します。
ロックミュージシャンの心意気です。

本誌では、和嶋さんのキャンプとの向き合い方、海より山を選ぶ理由なども掲載されています。
この記事が掲載されている雑誌は、こちらからお読みいただけます。
記事の有効期限以降は本誌は非公開となります。ご了承ください。