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佐賀県・嬉野のティーツーリズムの立役者だからこそ実感した宿の在り方。
河畔サウナ、こだわりの食体験、世界的パティシエの味が楽しめるカフェ……。
これからの宿の存在意義は、“泊まる”だけにあらず。
Discover Japanにて紹介されている、
“嬉野での癒し”がすべてかなうウェルビーイングステイについてピックアップします。
あなたは何して癒される?
『整える』『食べる』『知る』『学ぶ』プログラム

文:諫山力
2016年夏に本格的に立ち上がった、嬉野茶を主体とするプロジェクト『嬉野茶時』が、
観光地・嬉野の疑う余地のない転換期といえるだろう。
日本三大美肌の湯のひとつとして嬉野は長く高い知名度を誇ってきたが、
嬉野茶時はそこに400年の歴史がある肥前吉田焼、500年にわたり同地に根づく嬉野茶をひも付けた。
しかも、ただ付け加えるだけの足し算に終始することなく、さまざまなモノ・コト・ヒトを掛け算し、
すべてにおいて“その瞬間その場所でしかできない体験”という点を重視。
その主舞台となったのが嬉野温泉街の宿『和多屋別荘』だった。
その理由はシンプルで、同宿の代表・小原嘉元さんが嬉野茶時の発起人であり、中心的な役割を担っていたから。
そういった背景があって和多屋別荘は嬉野茶時と同じベクトルをもちつつも、
独自の進化のかたちを模索してきた。
もちろん、嬉野茶時を通じて親交を深めた嬉野茶や肥前吉田焼のつくり手たちの力も借りつつ、
一方で約2万坪という圧倒的に広大な敷地を生かす術がないか熟考。
たどり着いた答えが、3年以上の月日をかけて準備を進め、
2023年8月にスタートした『Wellbeing プログラム』だ。
ティーツーリズムを軸に進化し続ける滞在スタイル

2023年、創業73年目を迎える『和多屋別荘』。
塩田川にまたがる約2万坪という広大な敷地、
さらに日本を代表する建築家の一人、故・黒川紀章が設計したタワー棟の存在感もあり、
嬉野温泉街を象徴する宿のひとつだ。
ひと昔前はインバウンド需要が高い九州という土地柄もあり、
海外の団体客も多く受け入れてきたが、いまは個人旅行者を主なターゲットとするなど、
明確な方向性をもってリブランディングを進めている。
その最もたるものが21年11月にオープンした、
旅館という場所を“泊まる→通う”へと意識を変えるショップやカフェの存在だ。
特に香りをつくり出す『Yohaku Lab 創香室』、
約1万冊の書籍を自由に閲覧・購入できる書店『BOOKS&TEA 三服』、
稀少茶葉を丁寧に淹れてもらえる『副島園本店』の茶寮カウンターは
従来の温泉旅館では考えられなかった空間。
そこに、河畔サウナや滋味あふれる食事が魅力の『おにぎり神谷』、
お茶と温泉湯どうふのランチが23年8月に加わった。
まさに和多屋別荘は泊まる場所ではなく、目的をもって通う場所になったといえる。
70年以上の歴史ある宿が慣習を捨て生まれ変わろうとしている。
その理由や意義は滞在を通して実感できるはずだ。
本誌では、連泊しても尽きないウェルネスの選択肢がたくさん紹介されています。
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