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2025-08-06 発売号 (2025年9月号)
素敵な建築を観に行く旅行もなかなかいいもの。
Discover Japanでは、訪ねて見ておきたい!日本の名作 木の居住空間を特集。
素敵な空間を3つご紹介します。
時代とともに姿や用途を変えてきた「木」を用いた居住空間。
伝統を受け継ぎつつ、近代化の流れにも呼応してきたその変遷を、名作建築12軒を通して、4つのカテゴリーに分けてご紹介します。
日本の名作 木の居住空間
愛媛県大洲市 臥龍山荘(がりゅうさんそう)
自然と調和する、贅を尽くした数寄屋建築
肱川(ひじかわ)畔に位置するこの地は、江戸時代から優れた景勝地として知られてきました。
川面に浮かぶ蓬莱山の姿が、まるで臥した龍のように見えることから、大洲藩3代藩主・加藤泰恒が「臥龍」と名づけたと伝わります。
その名と地を継承したのは、明治期に神戸で貿易商として成功を収めた河内寅次郎。
郷里に余生の場を求め、肱川を望む崖上に臥龍山荘を築きました。
桂離宮や修学院離宮といった王朝文化の営みに学びつつ、選び抜かれた自然素材を卓越した職人技で組み合わせ、自然の変化と響き合う木の建築がかたちづくられています。
母屋である「臥龍院」では、各部屋に四季の表現が織り込まれています。
京町家の風情とモダンな美意識が共存する

京都府京都市 八竹庵(はちくあん)
江戸時代から呉服商が軒を連ねてきた、京都・新町通。その中でも随一の豪商とうたわれた4代目井上利助が、大正末期に建てた京町家。
住宅だけでなく商談の場としても使われ、木の住まいの伝統を受け継ぎながら、モダンな美意識によって展開されます。
表戸を開けて入ると右手に出迎えるのは、意外なことに洋間。
その外壁には重厚なタイルや大谷石が用いられ、完成して間もなかったフランク・ロイド・ライト設計の帝国ホテルのデザインが取り入れられています。
ただし、室内には折上格天井や寄木張りの床など、木を巧みに使った工芸的な意匠が施されており、後方の和室とも違和感なく調和しています。
銘木を駆使した、大工の技と遊び心にあふれる和風建築

東京都文京区 鳳明館 本館(ほうめいかん ほんかん)
かつて下宿街や旅館街として賑わった文京区本郷。
この地で、いまなお木の建築のおもてなしの心を伝える存在が、「鳳明館 本館」です。
明治時代に下宿として創業し、戦前は下宿兼旅館として営業、第二次世界大戦後に旅館として再出発した本館は、建築好きの、いわゆる普請道楽の主人が1936年に建物を買い取ったことで、他に類を見ない空間に生まれ変わりました。
戦後に改築された各室は、ひとつとして同じ部屋がない、宿泊者が楽しめるつくりになっています。
まだまだ、素敵な建築を訪ねる旅は続きます。ぜひ、本誌でご覧ください。
本誌では他にも、『木と生きる』を特集されています。
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