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※ムー2021-08-06 発売号 (2021年9月号)の誌面を基に記事を作成しています。
かつて青森の山中にあり、地図や県の公文書から抹消されたと噂される杉沢村。
津山事件や『八つ墓村』がもとになった都市伝説といわれていますが、はたして真実は…?
ネットでは、杉沢村が実在した証拠とされるキーワードもささやかれています。
杉沢村伝説にはただの噂、物語で片付けられない、一縷の真実が隠されているのかも。
目次
昭和初期に惨劇が起きた村「杉沢村」
青森県には地図から消された村にまつわる都市伝説があります。
同県のある山奥には古ぼけた鳥居があり、その鳥居の下には髑髏の形に見える岩が置かれています。
そして鳥居の向こうには廃村となった村『杉沢村』があります。
村へ向かう途中の道には「ここから先へ立ち入る物、命の保証はない」と書かれた看板があり、さらに進むと廃墟が残る村の残骸が現れます。
その廃墟には古びた血痕がこびりついており、そこで惨劇があったことを窺わせます。
実はこの杉沢村は過去に実在した村で、昭和初期まで人が住んでいました。
しかしある日、突然ひとりの若者が何かに取り憑かれたようになって斧を手に村人を襲い始めました。
この凶行により村は若者を残して全滅。
そして村人を皆殺しにした若者も自ら命を絶ちました。
この事件により住民がいなくなった杉沢村は地図から消え、訪れる人間もなくなりました。
しかしこの廃村にはいまだに殺された人々や、殺人鬼となった若者の霊が棲みついており、迷い込んできた人間に牙を剥くといいます。
杉沢村があったという場所はどこ?
私はそんな「杉沢村」を訪れていました。
正確には杉沢村そのものではなく、人々に「杉沢村」と呼ばれている地域があります。
場所は青森空港のすぐ近く、青森市内の小畑沢小杉というところです。
山奥にあるという杉沢村のイメージにそぐわず、杉沢村の入り口とされる鳥居は舗装された道路のすぐそばにあり、容易に辿り着くことができます。
近くにはゴルフ場があり、昼間に行けば不気味さはあまり感じられません。
鳥居の向こうに行くと、「猿田彦大神(さるたひこおおかみ)」と刻まれた石碑のほか、いくつかの石があります。
しかし、杉沢村伝説とともに語られることが多い、鳥居の下にある「髑髏(どくろ)の形をした岩」は見つかりません。ひとつ髑髏のように見えなくもない石はありますが、言われてみないとわからない程度です。
さらに奥に行けば、赤い屋根の小さな小屋のようなものがありますが、血痕(けっこん)は見当たりません。
当然、廃村もなく、「ここから先へ立ち入る者、命の保証はない」と書かれた看板もありません。
禁足地の再開発とグーグルマップへの登録
吉田悠軌(よしだゆうき)氏の著書『禁足地巡礼(さんぞくちじゅんれい)』によれば、90年代にはこの場所は近隣の道路も整備されていませんでしたが、2007年に汚泥・し尿処理施設が建設されたことをきっかけに開けた土地になり、開発が進んだのだそうです。
現在はグーグルマップで「杉沢村」と検索するとこの場所が出てくるため、地図から消えた村どころか、新たに地図に登録された村となっています。
※杉沢村とされる場所
杉沢村は実在したのか?現在は墓場になっている?
もともと、この杉沢村の都市伝説は、青森県で地元の人々に語られていた話なのだそうです。
私が発見した最も古い記録は1995年、弘前大学発行の『境界とコミュニケーション』に収録された小池淳一氏の論文「世間話と伝承」に載せられたものです。
ここでは弘前大学の学生に「知っている怖い話」をレポートとして求めたところ、青森県の怖い話の名所として「杉沢村」が挙げられたということです。
それによれば、杉沢村は「ひとりの男によって住人は全員皆殺しにされた村」で、浮かばれない霊たちがここに来る人を死の道に引きずり込むとされています。
また、「現在は村ではなく墓所となっている」という内容も記されています。
もうひとつの実在する心霊スポット「月光の滝」
また、杉沢村と並んで「月光の滝」という地名が挙げられているのも見えます。
月光の滝は今も有名な心霊スポットであり、実在しています。おそらく杉沢村も、地元青森県の人々の間では心霊スポットの一種として扱われていたのではないかと思います。
月光の滝の地図
【都市伝説】地図から消された村、恐怖の杉沢村【青森県】
語り継がれる「杉沢村伝説」の正体
奇跡体験アンビリバボーで取り上げられ一気に注目を集めた、テレビのブームから20年以上が経った令和の今でも、多くの「都市伝説系YouTuber」たちがこぞって杉沢村を取り上げ、現地検証をしたり、当時の噂を解説したりしていますよね。
情報が拡散する舞台が「ネット掲示板」から「テレビ」、飾らない現代の「YouTube」へと移り変わっても、杉沢村は常にネット怪談の主役であり続けています。
実際に行ってみれば、記事にある通り「のどかで、不気味さはあまりない場所」なのかもしれません。
それでも、私たちがついついYouTubeの動画を再生してしまうのは、あの「絶対に立ち入ってはいけない場所」というおどろおどろしい世界観に、今でも心のどこかでワクワクさせられているからなのかもしれませんね。
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