《人類滅亡の最新科学》すべてが満ち足りた環境でもネズミは2年で絶滅…米での実験『UNIVERSE25』

  • 更新日
  • 有効期限 2025.04.08

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2023-03-09 発売号 (2023年4月号)

 

人類の“終わり”は、すでに“始まり”を迎えているかもしれません。

半世紀以上前、ネズミを使って行われた驚異の実験結果が、われわれ人類が現在置かれている状況と重なり、終末が近づいていることを暗示させているのです。

 

実験の名は『UNIVERSE25』!

 

今号のムーでは、その衝撃の結末と、人類絶滅へのカウントダウンを科学の視点から考察しています。

 

『UNIVERSE25』の恐るべき結末

 

 

文:久野友萬

 

「成長の限界」は来るのか?

 

人間の経済・産業活動が環境を破壊し、最終的に文明を崩壊させるという、ディストピアなアイデアを最初に提示したのは、1972年に発表されたローマクラブによるレポート『成長の限界』だ。

 

ローマクラブは1970年3月にスイスで設立された民間シンクタンクで、各国から集められた財政界、学界からの知的エリート100名で構成される。

その目的は「人類の危機の接近に対し、人類として可能な回避の道を真剣に探索すること」(以下、同訳書)であり、「いかなるイデオロギー」にも「特定の国家」にも偏向しないことを設立の理念としている。

 

ローマクラブが設立後に最初にした仕事が「人類の危機に関するプロジェクト」であり、その研究結果をまとめたのが『成長の限界』だった。

 

同レポートの内容を簡単にいえば、このままでは経済成長を増加する人口の消費量が追い抜き、世界的な食糧危機やエネルギー危機が起きるというものだ。

 

当時は誤読され、30年後には石油などの天然資源が枯渇して人類文明が終わるという報道や記事が多く出たが、それは間違っている。

資源がなくなるのはもっと先で、資源があっても人間には採掘できなくなるのだ。

 

人間はふたりが4人、4人が8人というように幾何級数的に増えるが、それを支える食糧やエネルギーの増産ペースはそうではない。

いずれ人類の数が食糧や燃料の供給可能量を追い越してしまう。

その結果、少ない資源に最適化されるまで人口が減少、文明も停滞もしくは後退する。

 

資源がないわけではないので、増産ペースを上げれば問題は解決するが、石油ひとつとっても簡単にはいかない。

 

ネズミたちはユートピアでどこまで増えるか?

 

もし無限の食糧と巨大な空間があったなら、生物はどこまで増えるだろうか?

 

『成長の限界』では、人口増加率に比較して技術革新の遅れが資源活用のボトルネックとなり、文明は停滞し、人口は激減すると結論した。

ではボトルネックがなくなり、無限の資源があるとすれば、果たしてどこまで生物は数を増やすことができるだろうか?

 

1968~1972年にかけてアメリカの動物行動学者ジョン・B・カルフーン『UNIVERSE25』(ユニバース25)というネズミを使った実験を行った。

 

なぜ25なのかといえば、25番目の実験だったからだ。

1947年からカルフーンは、繁殖に必要な十分なスペースと無限の食料を与えられたら、ネズミはどのような社会を作り出すのか?という実験を始めていた。

『UNIVERSE25』に至るまで、UNIVERSE1~24の実験が行われていたわけだ。

 

実験の目的には都市計画のシミュレーションという側面もあり、当時、急速に進んでいた都市化が、人間を含む動物に与える影響を探るためでもあった。

 

食料、水、営巣材料の不足はないようにし、当然ながら猫のような捕食者はいない。

生活場所は衛生的に保たれ、感染症もない。

いわばネズミのユートピアだ。

ただしスペースは限られる。

カルフーンは実家の納屋を使っていたからだ。

 

カルフーンは納屋の中に大きな箱を作り、その中でネズミたちを飼いはじめた。

カルフーンの予想では、それだけのスペースがあれば最大5000匹までネズミは増えるはずだった。

 

カルフーンが2年間観察した結果、ネズミたちはそれぞれ12匹前後の小さなコロニーに分かれ、総数200匹までしか増えなかった。

 

ネズミが増えない理由は何なのか?

個体数が増えるには、総面積がさらに必要なのではないか?

 

さらに調べるため、アメリカ国立精神衛生研究所(NIMH)の協力でカルフーンの始めた実験が『UNIVERSE25』である。

 


 

本誌では、『UNIVERSE25』にてネズミたちを襲った悪夢や滅んでいく世界について掲載されています。

 

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