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私たちの肝臓と腎臓は、お腹の中で、24時間黙々と文句も言わずに戦っています。
肝臓と腎臓は健康を左右する重要な役割を人知れず果たします。
ですが、年末年始の乱れた食生活や日頃の運動不足などにより、絶体絶命の危機に瀕しています。
それでも沈黙を守り、持ち場に留まり、頑張り続けているのです。
今号のTarzanでは、腎臓・肝臓の健康を取り戻すべくできることを特集しています。
その中から今回は、肝臓の働きと大問題を紹介します。
肝臓の働きと大問題

肝臓はカラダの“防波堤”である
カラダの入り口は口ではなく、小腸だとよくいわれます。
消化管の内部は外の世界と繋がっており、食べ物の栄養素はおもに小腸から体内へ入ってくるからです。
では肝臓はどうでしょうか。
肝臓病学専門の竹原徹郎先生はこう話します。
「小腸が入り口なら、肝臓はカラダの“防波堤”です」
臓器には通常、血液を受け入れる動脈、血液を送り出す静脈という2系統の血管が接続します。
ですが、肝臓には3系統目の血管が通っています。
それが門脈。
正常な肝臓は、動脈から3割、残り7割の血液を門脈から供給されているのです。
門脈は小腸など消化管や脾臓の毛細血管から血液を得て、肝臓の毛細血管(類洞窟)へ送ります。
食事で摂った糖質、タンパク質、脂質の3大栄養素は門脈で肝臓へ運ばれて、
利用しやすい形に代謝されてから全身へ送られます。
ビタミンやミネラルの貯蔵も肝臓の仕事です。
小腸などから体内へ入るのは、栄養素だけではありません。
アルコールなどの有害物も含まれます。
それを解毒して拡散を防ぐのも肝臓の役割。
防波堤といわれる所以です。
肝臓にも脂肪は溜まる
このほか肝臓が作る胆汁は脂質の分解を助ける乳化を行います。
脂肪が溜まるのは皮下(皮下脂肪)や内臓周辺(内臓脂肪)だけではありません。
肝臓にも脂肪は溜まります。
5%以上溜まると脂肪肝です。
脂肪肝は年々増えており、現在の国内の推定患者数はおよそ4000万人に達します。
日本人の3人に1人が罹っている計算です。
脂肪肝は、慢性的な肝臓の病気(慢性肝臓病)の出発点。
肝臓の細胞(肝細胞)が炎症を起こす脂肪肝炎の初めの一歩でもあります。
その早期発見が大事です。
慢性肝臓病を防ぐため、2023年奈良で開催された日本肝臓学会総会は『奈良宣言2023』を採択。
注目されたのがALT値です。
ALT値は肝細胞で作られる酵素。
その値は健康診断の血液検査で必ずチェックされます。
脂肪肝にも脂肪炎にも自覚症状はありませんが、ALTが31IU/リットル超だと脂肪肝の恐れがあるため、
奈良宣言ではALT30未満を目指そうとしています。
肝臓専門医の栗原毅先生はこう話します。
「健康な成人でも約15%はALT30超とされます。私の長年の臨床経験を踏まえるとALTは10~19が理想。30未満でも油断禁物です」
一度、直近の健康診断にて、ALT値をチェックしてみてください。

本誌では、肝臓の健康のためのチェックリストや、腎臓についても詳しく紹介しています。
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