
この記事が掲載されている雑誌は、こちらからお読みいただけます。

※Tarzan(ターザン) 2025年7/24号 (発売日2025年07月03日)の誌面をもとに記事を作成しています。
「油は太る」「痩せたいから油を控える」と思っていないだろうか。
それは大誤解。最新エビデンスによると、話は真逆だ。
油で太る、油を減らせば痩せるというのは、間違いなのである。
それを踏まえたダイエットの新常識が「オイルファースト」。
最初に油から摂り、油を味方に食事を楽しむラクすぎる減量法だ。
今号の「Tarzan」では、オイルファーストの提唱者でもある山田悟先生が特別授業を開講!
目次
オイルファーストとは?

そもそもベジファースト理論とは?
糖質の多い食事を食べると食後に血糖値が上がる。すると、血糖値を下げるインスリンというホルモンがドッと分泌される。
インスリンは血糖から体脂肪の合成を促し、体脂肪の分解を抑えるため、高血糖でインスリンが一度に大量に出ると太りやすい。
そこで話題になったのが、野菜を最初に食べるベジファースト。野菜は糖質が少なく、代わりに食物繊維を含む。
食物繊維は消化吸収を緩やかにするため、血糖値の上昇を抑えて余計なインスリン分泌がセーブできる。ゆえに太りにくいと注目されたのである。
オイルファーストの定義
1.油(オイル)から先に摂取する
2.糖質を減らし、良質のオイルをしっかり摂ることを優先する。
ベジファーストは、実は、オイルファーストだった?
厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2020年版)』もベジファーストに触れ、「食物繊維に富んだ野菜を先に食べることで食後血糖の上昇を抑制し(中略)体重も減少させる」とある。
しかし、25年4月改訂の最新版ではこの記述はカットされた!
「研究では野菜にオイル入りドレッシングをかけています。食後高血糖を抑えたのはベジファーストか、油から先に食べるオイルファーストかが明白ではないため、削除されたのでしょう。でも、血糖上昇をより強く抑えるのは、オイルファーストだと私は思います」
マヨネーズと青じその血糖治療変化のグラフ

出典/南九州大学研報 47A: 11-18 (2017)
サラダと米飯の摂取順序を変える際、サラダにかけるドレッシングで食後血糖値の上昇の変化を調べた。ベジファーストでは、青じそドレッシングより、脂質が多いマヨネーズをかけた方が血糖上昇をより抑えている。
オイルファーストでなぜ血糖値上昇が抑えられるの?
油で満腹になるメカニズムとは?
オイルファーストでなぜ食後の血糖上昇と肥満が抑えられるのか。その謎を解く鍵が、インクレチン。
消化管から出るホルモンで、油を摂ると小腸上部のK細胞からGIPというインクレチンが出る。GIPはインスリンの適度な分泌を促す働きを持つ。
「先回りしてインスリンが出ると、あとから糖質を摂っても血糖値は急激に上がらず、インスリン分泌が最小限に抑えられます」加えてGIPは、食欲を抑えるレプチンの分泌を促し、脳の満腹中枢にも作用して食欲を抑える。だから油は食べすぎないのだ。
なぜ、糖質は食べ過ぎてしまうのか?
糖質はうどん+親子丼のようにダブルでいくらでも食べられる。なぜなのか。
混乱させるようだが、糖質もインクレチン分泌を促す。でも、糖質を先に摂り血糖値が上がりすぎると、インスリンが過剰に出て肥満ホルモンとして振る舞い始めるので、インクレチンの出番はない。
また、糖質の過食で血糖値が急上昇すると、インスリンが過度に出るため、反動で血糖値が急降下。落差の大きい血糖値の乱高下(血糖値スパイク)が生じる。
すると空腹感が強まり、食後すぐに小腹が空いて食べすぎるのだ。
タンパク質ファーストもかなりの効果あり?
オイルファーストと並んで有効なのは、タンパク質から食べるプロテインファースト。タンパク質を摂るとGLPー1という別のインクレチンが、小腸下部のL細胞から出る。
これもGIPと同様に、インスリンの分泌を早めて血糖を上がりにくくし、脳にも働きかけて食欲を抑える。
肉や魚や卵といったタンパク源には油も含まれる。タンパク源がメインの主菜から食べると、オイル&プロテインファーストでインクレチンが出てくる。
そして糖質を仕上げに食べるカーボラストを徹底すれば、もう絶対太らない。
肥満の原因は油を減らしたことだった

油で痩せるメカニズム
アブラは太りやすいという根強い誤解の根拠は、1g当たりのカロリー。糖質とタンパク質は1g/4kcalなのに、油(脂質)は1g/9kcalと高カロリーなのである。
補うなら、痩せたいなら、糖質と違って血糖値を上げず、食欲も抑える油を選ぶべき。
糖質制限群と脂質制限群を2年間追跡した研究でも、脂質を減らした群の方が痩せにくかった。
「油を悪玉扱いして摂取を減らす政策を取ったアメリカでは、その分だけ糖質の摂取が増えて肥満者が急増。失敗に終わりました」
オイルファーストでも、摂ってはいけない油の種類とは?
心臓病のリスクが!?
油は基本的に好きなものを摂ってOK。ただし、避けてほしいものが2つだけある。まず挙げたいのは、トランス脂肪酸。
乳製品などは微量の天然由来トランス脂肪酸を含有するが、問題は工業的に合成されたもの。心臓病のリスクが高まるのだ。
合成されたトランス脂肪酸はマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングに含まれる。マーガリンは各種パン、ファットスプレッドとショートニングはケーキやクッキーなど洋菓子に多い。糖質を控える食生活なら、これらの食品の摂取も自然に減るだろう。
油は新鮮なものを
もう一つ避けたいのは、酸化して傷んだ油。油は酸素や紫外線、高温などにより酸化されやすい。ことに酸化に弱いのは、青魚などに多いEPAやDHA、エゴマ油などのα-リノレン酸。
青魚を食べるなら新鮮なものを選び、エゴマ油は小さめのボトルを買って早めに使い切りたい。
揚げ物を食べて胸焼けしたら、酸化した油で揚げたヤツかも。
「傷んだ古い油を摂ると、小腸からコレシストキニンというホルモンが出ます。このホルモンがムカムカ感を作り出すのです」揚げ油の使い回しは控えたい。
本誌ではさらに、今日からすぐに真似できる実践的なメニューをはじめ様々なコンテンツも多数紹介しています!
- 【名医の食卓】提唱者・山田先生のリアルな3食を大公開!
「本当にそんな食事でいいの?」という疑問に答える、先生の1日の全メニューを徹底解剖。朝のミニエクレアや、夜のパスタ、お酒のお供まで、「えっ、これも食べていいの!?」と驚くような、無理なく楽しく続けられるリアルな絶品メニューは必見です。 - 【ロカボのおさらい】「主食半分、おかず増」のゴールデンルール
面倒なカロリー計算は不要!主食を「半分」にするだけでOKなロカボの基本を、分かりやすいイラストと食材別の糖質量リストで解説。1日の糖質目安(70〜130g)も一目でわかります。 - 【3つの健康メリット】疲れにくい体と病気予防を手に入れる!
「食後の眠気やダルさ」にサヨナラ!オイルファーストがもたらす「疲れにくさ」「メタボ予防」「がんリスク低減」のメカニズムを優しく解説しています。
あわせて読みたい!おすすめのダイエット記事
この記事が掲載されている雑誌は、こちらからお読みいただけます。








