聖地・吉野の山あいに湧く「吉野の隠し湯」——金峯山寺の裏手に眠る、ずっしり肌に効く至高の秘湯へ

  • 更新日
  • 有効期限 2026.10.04

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2025-11-27 発売号 (2026年1月号)の誌面を基に記事を作成しています。

 

 

温泉はゆっくり癒される場所…
今号の男の隠れ家では、「修験のいで湯」を特集。
修験?気になる内容をピックアップしてみました。

 

 

温泉は間違いなく愉楽の場でしょう。
しかし、修行に関わる湯とは?
修験道の聖地で訪ねた温泉には、古来の信仰をもとに重ねられてきた、いくつもの物語が見えてきます。

 

修験道とは?

古来の自然崇拝に、外来の仏教や道教、陰陽道などが融合した日本独自の宗教
山中での苛酷な修行を通して自然の霊力を受けて、神仏を感得する。
吉野は、役小角(えんのおづぬ)が修験道を創始した地とされる。
いわゆる山伏姿も、行者の服装。

 

 

吉野山・大峯山の霊場に湧く 修験のいで湯

 

 

吉野山/行者さんが隠れてでも浸かりたかった 吉野温泉元湯

江戸時代に廃絶されたのは行者のヤンチャのため!?

浴室に入って思わずほうっと息をつく。なんて美しい湯の色か。屋外からの光を含んで褐色、緑、黄などオーロラのように変化していく。なんだかもう間違いない感じ。

 

「これは効きますよ!」と入る前から宣言したくなります。

 

さっそく浸かりましょう。

 

まず驚くのは湯圧です。
ずっしりした湯といえようか。
湧出時は13・2℃という冷泉を加熱しており、含二酸化炭素-カルシウム・ナトリウム-炭酸水素塩泉とのことだが、炭酸分はやわらかく、鉄気が強い。わずかな塩気もある。

 

そうしたミネラル分が肌にぐぐっと迫ります。

 

出ようとすると、“もっとしっかり温まれよな!”とか笑って言われてるような気さえします。
それでいて、さっぱりとしていて湯疲れしません

 

そういう湯だからこそ、厳しい修行の身の行者にはたいそうありがたいものだったのでしょう。

 

吉野温泉元湯は、近鉄吉野駅から「せせらぎに沿った道(“ささやきの小径”という)を20分ほど歩いた場所にある1軒宿です。

 

水音が心地いい。宿の近くでは沢ガニが道を歩き、古い地蔵も祀られています。

 

春には周囲は上千本の桜が見事でしょう。
舗装路になる前は、細い山道だったようでした。

 

木々に隠れて見えないが、急峻な斜面の上方には金峯山寺があります。

 

当時山に120余り点在していた修験坊で戒律厳しい生活をしていた修験者たちも当然、湯に入りたい。

 

やがて、湯治と称して訪れては酒色にふける者が続出し、問題視されるようになったのです。

 

ようはハメをはずし過ぎたわけです。

 

遂に、吉野学頭職(統轄者)によって廃絶を命じられました。

 

 

野小屋の湯として長い時代を生き残った

 

 

けれども吉野の湯の歴史は途切れません。
なにしろ畑の端から自然湧出し、汲みに来る人も多い。

 

そこで秘密裏に野小屋を建てて桶風呂を据え、誰でも入れるようにしました。

 

禁令下での入浴施設は「吉野の隠し湯」「内緒風呂」と呼ばれるようになりました。

 

そして明治に入って禁令が解けたことで、ようやく宿として再興されました。

 

 

まだまだ秘湯のお話は続きます。ぜひ、本誌でご覧ください。

 


 

本誌では他にも、冬籠もりの湯宿を特集されています。

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