2026年9月号
[特集]
紙の可能性
―人の感性に訴えるものづくり
[特集2]
変化を味方に
デジタル化が進む時代だからこそ,紙の価値があらためて問われている。手に取ったときの質感や風合い,印刷による豊かな表現力など,物質としての紙ならではの魅力はデジタルでは代替できない。情報を伝えるだけでなく,人の感性に訴え,ブランド価値や商品の魅力を高める媒体として,その可能性はますます広がっている。特集では,7月24日・25日に開かれ,大きな反響を呼んだ「ペーパーサミットジャパン」を中心に,紙の新たな魅力と可能性に迫る。100を超えるブースが集結した会場では,多彩な紙製品や印刷物が展示・販売され,多くの来場者を魅了した。イベントの見どころやトークセッションを振り返るとともに,紙の特性を生かした商品開発や販促ツールなどの実践事例を紹介し,紙と印刷が創出する価値と未来を探る。
「変化するものが生き残る」。ダーウィンの進化論が示すこの考え方は,変革期にある印刷業界にも通じる。デジタル化や生成AI,環境対応,人手不足など,印刷会社を取り巻く環境は大きく変化している。こうした変化をどう捉え,いかに新たな価値につなげていくかが問われている。「ガラパゴス」と言うと,「ガラパゴス携帯」に象徴されるように,「進化の袋小路」というマイナスのイメージが浮かぶ。しかし,本来のガラパゴス諸島が示すのは,生命の柔軟性と適応力である。生成直後は水も土もない不毛の地だった島にたどり着いた植物や動物は,環境に適応するだけでなく,生きるために環境をつくり変え,自らも変化していった。そこには,厳しい環境を生存の場へと変える生命の力がある。
この姿は印刷会社の事業展開にも重なる。既存市場で新たな「ブルーオーシャン」を探すのではなく,自社の技術や設備,人材,顧客との関係性といった強みを生かし,自ら新たな市場や価値をつくり出す。ガラパゴスの生物たちのように,ブルーオーシャンは「見つけるもの」ではなく,「自らつくるもの」と捉えることができる。特集2では,100年以上続く長寿企業や挑戦を続ける企業など,多角的な視点から変化の捉え方を探り,印刷会社がこれからの時代を切り拓くためのヒントを考える。
ペーパーサミットジャパン大盛況
―紙と印刷の魅力、多彩な形で発信
デジタル読書体験から見えてきた紙の価値
―紙の「操作メディア」の価値追及へ
群馬大学大学院 柴田博仁教授トークセッションより
100年以上続く長寿企業の経営実態を調査
―持続成長の秘訣は「時代に合わせて変化し続けること」
大日本印刷㈱
「変数」見つけ、価値共創へ
―全印工連84事業で未来を切り拓く
全印工連・瀬田会長がメッセージ
フレキソトレンドレポート第140回
<トピックス>フレキソ・ジャパン2026 課題解決とビジネス機会を生む交流の場に
印刷元気企業の条件<第356回>
㈱文化ビジネスサービス
ほか、シリーズ企画・印刷業界トピック・連載記事など情報満載
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