【残りわずか!】 特別増ページ号!
今回の特集は、『久琢磨と総伝――大阪朝日に伝わる大東流技』です。
●特集 久琢磨と総伝―大阪朝日に伝わる大東流技
惣角から唯一免許皆伝を許された久琢磨。本特集では、その久がまとめた写真集『大東流合気武道伝書全十一巻』に注目します。昭和初期、約6年間にわたり、前半は合気道開祖植芝盛平が、後半は大東流の武田惣角が教授した技が、1500枚余りの写真の形で収められている総伝。合気道、大東流双方にとり、これほど膨大かつ貴重な情報を伝える資料はほかにはありません。本特集では、この総伝の内容について、その歴史的意義、また総伝作成の主役を果たした久琢磨に焦点をあててお送りします。登場いただくのは、久の指示で作られた盛平翁のフィルム『武道』を発見した本誌編集長、総伝を引き継ぐ琢磨会の森恕、久の晩年の弟子・天津裕、久と同じく大阪朝日において惣角から教授を受けた中津平三郎の弟子・千葉紹隆、琢磨会の専任指導員である川辺武史の諸氏。そして最後に総伝技演武を原本(総伝)掲載の写真とともに紹介しました。
○「合気道と大東流史における久琢磨の存在」
文:スタンレー・プラニン
合気道と大東流合気柔術が歴史を共有していた時期に久琢磨氏がどのような役割を果たしたかについて述べることは非常に困難な作業です。それは久氏と、現代日本武道史における二大武道家・武田惣角と植芝盛平とのつながりの意味するものがほとんど理解されていないからです。そこで、このエッセイではまず、久氏と両師範の関係を明瞭にさせ、その上で久氏がいかに合気道と大東流に貢献したかを今一度振り返ってみようと思います。
合気道史研究家の立場から盛平、惣角の仲介役を果たした久の生涯を語り、彼の柔術史における存在意義を語る。
○「久琢磨より託された総伝技をまもって」
琢磨会総務長 森恕氏会見
琢磨会を率い、総伝技の研究復元、保存伝達に腐心する総務長、総伝研究の第一人者である総務長のお話は総伝の構成から技にいたるまで微に入り細に入る。
「私らが研究しやってみてわかったのは、植芝先生の旭流の柔術から惣角先生の技に移っていっても境目がぜんぜん気にならないということです。つまり技として同質だということです…」「総伝に載っている植芝先生の技、とくに2〜4巻あたりの技は非常にハイレベルだと思いますよ。やってみて、ああそうか、こういうところに別のコツがあるんだな、ということがあらためてわかる、そういう写真集ですね。」「我々の合気は、受け手側の喪神なんです。受け手が無意識に動く、つまり受け手がどうして動くんだろう、どうして倒れるんだろう、ということをぜんぜん意識しないで動く、そういう状態をつくる受け手の喪神の世界なんです……」
○「戦わずして勝つを糧に」
大東流合気柔術琢磨会 川辺武史氏会見
大東流の専任指導員として後進の指導にあたる琢磨会川辺武史師範に話をうかがった。
「総伝は見ただけでわかるものではない、実際に稽古をしてこそのもの」。「本当に掛かる、使える技プラスやはり合気というミラクルな、口では説明できない(僕は呼吸と言ってますが)究極へたどりつきたいですね。もっともっと力が抜けるように。……抜きながらなおかつ厳しく本当に実戦に使えるように……。」
○「中津平三郎の残した大東流」
中津平三郎門人 千葉紹隆氏に聞く
大阪朝日で久と共に惣角より教授を受けた門人の一人中津平三郎、後年四国に渡り大東流の指導を行なう。その門人・千葉紹隆は中津の技を、「畳一枚で勝負をつける技」と語る。
「……極め技、固め技、投げ技から始めるんですが、投げ切るのではなく、叩き込むんです。横に投げるのではなく縦に……、畳一枚で勝負をつける技をやりました。夢を見るくらいに修行したですよ。」
「惣角先生は、人物を見て教えたんです。久先生は相撲の出ですね、中津先生は柔道です。ですから、残心がこのような構え(両手を上にあげる)になってます。これはなぜかというと、相手を足で踏むかなにかして、相手を制しつつ、まだ四方八方に敵があることを仮定した構えなんですね……」
○「朝日の"久さん"との思い出」
大東流合気柔術琢磨会 天津裕氏会見
大阪朝日の編集局員時代、久琢磨に入門した天津氏、"久さんが先生でなかったらこんなにやりません"の言葉から、先輩後輩として、また師弟としてのこまやかな情愛が伝わってくる。
「僕はね、技が上手だからというんじゃなくて、久先生は昔から新聞記者に、編集局の人に教えたかったんです……久さんは僕に「先生でなく、久さんと呼んでほしい」と言われて……」
「僕は、免許皆伝の技がどんなものか知りたかった。それで、『久さん教えてください』と言ったら、『まだ早い、あと2、3年たったら教えてやる。免許皆伝というのは人に教わってなれるものではない、自分で努力して到達するものだ。おれは免許皆伝の域に達したから、武田先生がその証拠に免許皆伝の技を教えてくれたんだ』と言われました……」
〇琢磨会に伝わる総伝技 写真解説集
本号特集の久琢磨師範によって伝えられた総伝写真集にある技を、琢磨会の専門指導者である川辺武史師範に演武していただきました。総伝写真集に掲載されている写真もとともに総伝技7技を紹介。
●心道流沖縄古伝空手宇城憲治の「使えるための型と稽古法」�
"――絶対的な目標は稽古に自信がもてます。過去を大事にし、今を脱却できないのは深さ(高さ)の世界に気付かないだけだと思います。そこが見えれば、気付けば、今が深さ(高さ)への入り口となり、変化が始まると思います――武術を語りながら処世の心構えを説く宇城氏の世界はいよいよ佳境へ。
(宇城憲治氏著 『武道の原点』)
●富木理論に基づく合気道の原理とは
前号の特集によってあらためて認識したことは、富木師範が、生涯一貫して柔道開祖嘉納治五郎の弟子であったということです。それは、富木師範がいわゆる合気道競技という、体育学的見地から試合を合気道に導入したこと、合気道技を整理分析し体系化するという、作業からもうかがえます。それは、一般の合気道と自ずと異なるのは当然であり、伝統合気道からみれば大いにかけはなれたものであるといえます。しかし技術的な見地からすれば、合気道の原理が富木独自の手法によってたいへんよく整理され、練習方法もきちん体系づけられており、我々に多くの勉強材料を提供しています。
本記事では、成山哲郎師範、小松正治指導員のご協力を得て、まず富木がどのようにして合気道を整理していったか、また技の底に流れる理合いなどを詳しくおうかがいし、さらに稽古法の実際を、演武解説していただきました。
(128号 『富木謙治特集』)
●親英体道道主井上鑑昭の世界――2
「大自然の動きを武道のなかに」 親英体道代表 油井靖憲
ビデオに次々と映されていく井上鑑昭師の絶妙な体捌きの数々、これらの技に大自然の営みを具現したという師の宇宙観とは……前号に引き続き、親英体道の親和学の世界・技を探る。待望のビデオ『井上鑑昭と親英体道』もまもなく完成!
(ビデオ『井上鑑昭と親英体道』)
●故田中万川と京都の合気道
京都府合気道連盟 坂根弘基理事長に聞く
京都合気道の発祥の地、頂妙寺道場で合気道を始められ、現在の京都の合気道では最も田中万川先生の身近におられた坂根師範に、故田中万川師範のこと、受け継がれたその技と心についてお話いただきました。
●武田惣角先師の旧大東流技法体系―2 高橋賢
前号(128号)に引き続き、主に久琢磨師編纂の総伝のなかの写真解説資料をつかって、惣角の旧大東流の技法体系を検証します。
●第39会全日本合気道演武大会レポート
恒例の写真中心の演武会レポートです。
●道場見てある記
二つの元気な道場に登場いただきました。「合気道里見八顕会」
「養神館合気道「龍」道場 合気道ファミリークラブ」
●多彩な内容をほこる連載エッセイ
甲野善紀(『随縁逍遥』『実用的日本刀の知識』
甲野氏の書籍、ビデオあります。
黒田鉄山『柔術万華鏡』
『消える動きを求めて』 発売中
野中日文『錬成の視角』
『武道の礼儀作法』 発売中
佐々木の将人『なるほど』
阿部醒石『道歌』
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