●特集 岩間と植芝盛平
合気道開祖・植芝盛平開眼の地・岩間
翁の修業と瞑想の地をさぐる
我々が合気道の発祥地はと聞かれたら、ほとんどが即座に本部道場のある“東京”と答えるだろう。しかし、合気道誕生までの盛平をめぐるさまざまな出来事を注意深く見るならば、東京以外の名が浮かび上がってくる。たとえば、開祖の“実験道場”となった、都会を離れた小さな農村というのはどうだろう?
本特集では、植芝盛平が自分の修行のための道場を建て、また武道の神々をまつった合気神社を建立した岩間町(茨城県)にご案内する。“武産合気”と呼ばれるすばらしい技を開祖が編み出した、戦中戦後のあの岩間時代に、いざ、タイムスリップ! この“武産合気”こそ、現代合気道を開花させた原動力にほかならないのである。
〇岩間――合気道生誕の地 文:スタンレー・プラニン
合気道開祖が誰かということは、合気道の初心者であっても誰でも知っていることですが、開祖がいつ、どこで、どのように合気道を完成していったかを知 る人は少数です。その鍵が、今回の特集の地・岩間です。
戦後、開祖は、表向きは、引退した形で田舎町岩間に暮らしていましたが、実は、この地で、農作業のかたわら合気道の修業にあけくれ、一連の技を整理するなど合気道完成への道を進まれていました。その意味で岩間は戦後の合気道発展に重要な役割を果たした地なのでした。岩間の歴史的重要性をさぐる、本誌編集長のエッセイです。
〇岩間の開祖の技をまもって 斉藤守弘師範会見
昭和21年に植芝盛平翁に入門、それから24年間、盛平翁のそば近くに仕え、翁の合気道完成に多大な貢献を果たした斉藤守弘茨城道場長。開祖の技を忠実に引き継ぎ、その技を消滅させないために茨城県岩間の道場を中心に、また海外諸国でも、後進の指導に余念のない斉藤師範に盛平翁との二人稽古の思い出などお話をうかがいました。
「大先生は待ってられないの。あとからあとから技が湧いてきてね。そして武産合気って言うようになったのです。無限の技を産み出すものだということでね。」「先生と二人っきりの稽古です……一の組太刀。あれは打ち込むだけ、毎日、ふらふらになるまで。……打っていってまた押し返されて、その繰り返しです。」
■斉藤守弘のビデオ「剣と杖の特別講座」、本 「武産合気道」 〇岩間道場設立をめぐって
戦前の内弟子 赤沢善三郎氏に聞く
戦前、岩間に盛平翁が道場や神社をつくることになった経緯について、戦前の弟子・赤沢善三郎氏にお聞きしました。
「大先生が戸山学校に稽古に行ったとき、これを実即実戦でみんなに教えることができないかということで、野外道場をという話がでたのです。それなら岩間でやったらどうですかということになり、それが私の家に大先生が見えたそもそもの始まりです……」
〇岩間―大先生と過ごした日々 磯山博/島田栄/藤枝一弘
少年期に岩間の植芝盛平翁に入門した合気会師範磯山博八段、茨城県合気道連盟会長・島田栄氏、同連盟理事長・藤枝一弘氏にお話をうかがいました。
百姓仕事を手伝いながら、開祖直々に稽古をつけてもらった岩間の地は、三氏にとってまさに"心のふるさと"です。
「感動したのは初めてお会いしたときです。大先生は、私のような中学1年の子供に対して正座をして挨拶をしてくれたんです。それが今でも目に焼き付いている。当時大先生は64歳だったと思います。ちょうど私の今の年です……」(磯山師範)
〇一を知って十を知る稽古を 斉藤仁弘師範会見
父・斉藤守弘師範とともに岩間道場において後進の指導にあたる斉藤仁弘師範。
「合気道は大量生産は無理、触れて受身を取ったときに初めてわかるもの――」と、自分で感じて身に付けていく大切さを説く師範はまた、「大先生の伝統ある岩間を一日でも長く守っていきたい」と、その抱負を語られています。
「勝手に受身を取ってころがっちゃったりするのは、相手に対して失礼だと怒られましたね。馴れ合いの受身を取れば、技がそこで止まってしまうわけですから。……岩間の稽古法というのは、大先生の言葉で言えば『かっしり持て』。つまり、がっちり持ってから修行するのです……」
〇岩間に伝わる基本技 写真解説
開祖は、つねに体の変更と諸手取り呼吸法から稽古を始め、座り技呼吸法で稽古を終わらせたという。この二つの呼吸法と、開祖がよく「朝から晩まで投げつづけても疲れない」と言われた腰投げ技を紹介する。
●大東流合気柔術小川道場 小川忠男の合気の世界�
“もっと楽に、もっと自然に 体が合気で楽になると、呼吸も楽になる”
大東流合気柔術小川道場、小川忠男師範の合気の世界を紹介するシリーズ。
合気技を学ぶには、まず素直に掛けられることが大切、と小川師範は言う。素直に稽古しその原理を体に覚えこませていく――。その繰り返しが合気の体得につながる、と――
合気道を13年間修行したのち、大東流の堀川幸道について合気技を修行した小川師範がたどりついた世界を、本号より3回にわけてさぐっていく。
「指をすごく使うんですよ、お腹のほうから肘、指先にと呼吸がすーっと通るような感じに。だから体全身が呼吸するような形になるわけです。」「合気というのは相手の力を一瞬にして元に戻してしまう。引きと攻めを一緒にやるんです。手の中の操作、いわば呼吸の操作でもあります……」
■小川忠男のビデオ「詳細 合気の技」 ●新ビデオ「詳細 合気の原理」
●私を育てた京都の合気道
京都府合気道連盟理事 南道雄師範から田中万川師範について、また京都合気道創成期に活躍された先生方についてお話を伺い、さらに南先生ご自身の合気道人生についてお聞きしました。
「私はよく田中万川先生の受けを取らせてもらったのですが、その技は、ビシッと極めるというよりも、指先が自然に伸びた状態で螺旋の渦の中へ巻き込まれるような本当に流れのよい動きでした……」
●琢磨会に伝わる総伝技 � 総伝写真とともに
演武:川辺武史
前号で特集した久琢磨師範によって伝えられた総伝にある技を、今回も引き続き琢磨会の専任指導員・川辺武史師範に演武していただきました。演武写真とともに総伝の写真も紹介しています。
■合気ニュース129号「特集 久琢磨と総伝」
●宇城憲治氏の「使えるための型と稽古法」�
「型から形へもっていくには、工夫、努力が必要なことはもちろんですが、心の覚悟が必要です。中途半端ではだめだということです。一生懸命やるという一時的な精神論的覚悟ではなく、生活の一部とする覚悟が必要です――」
今回は、武術的視点から見た野球を例に、普遍性のある術が、いかに武道以外のスポーツに生かされるかを語る。
■宇城憲治の本「武道の原点」
●大東流合気柔術初考� 高橋賢 ―読者からの反論に答えて その�―
今回は、120号“読者の手紙”に掲載された岡本真、難波誠之両氏による“高橋氏への反論”への回答です。
●第46回養神館 全日本合気道総合演武大会レポート
恒例の写真中心の演武会レポートです。
●道場見てある記
「拓殖大学合気道部」 元気一杯の合気道部を取材しました。
●多彩な内容をほこる連載エッセイ
甲野善紀『随縁逍遥』『実用的日本刀の知識』/甲野氏の書籍、ビデオあります。
黒田鉄山『柔術万華鏡』/『消える動きを求めて』 発売中
野中日文『錬成の視角』/『武道の礼儀作法』 発売中
琢磨会に伝わる技法 森恕
佐々木の将人『なるほど』
阿部醒石『道歌』
この雑誌の読者はこちらの雑誌も買っています!
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