目次
さといもばたけ
大川久乃 文/五十嵐大介 絵
■内容のご紹介
芋掘りといえばジャガ芋やサツマ芋が定番ですが、里芋の畑をご覧になったことはありますか? 大きな葉っぱは、傘にしたくなるくらいの特大サイズ。畑の中に踏み入れば、土の香りと小さな生き物の気配に包まれ、そのまま耳をすませば、風が葉を揺らすかすかな音が聴こえてきます。五感に訴えかけてくる里芋畑の魅力を、詩的な言葉と瑞々しい水彩画によって描きます。
■編集部より
傘にしたくなるほど大きな葉っぱや、ジャングルのようにうねうねと伸びる茎。大川久乃さんは、お子さんと訪れた里芋畑での体験を元に、詩的な言葉を紡いでくださいました。大川さんが子どもの頃によく訪れたという、お祖父さんの畑の記憶も重ねられています。
五十嵐大介さんは、ご自身で里芋を育てたこともあり、畑の緑の瑞々しさと、畑との一体感を、卓抜した表現力で描かれています。里芋が食卓にのぼったら、お芋の来し方に思いを馳せてみてください。
●作者のことば
ある夏のこと 大川久乃
ある年の夏。カンカン照りをさけて、夕方に子どもたちと買い物へ行きました。その日はどうしてか、いつもとちがうスーパーへ散歩をかねて。住宅街の路地をいくつか曲がって、ふいに立ち現れた里芋畑。縁石と白線の上を渡り歩いていた子どもたちの頭や肩は、こちらにせり出して生えている里芋の葉っぱと、こすれ合ってつゆにぬれました。しばらく足をとめ、その大きな葉やたくましい茎や、根元のもりあがった土、においを楽しんで「すごいねえ」と話したら、もう夕日。さあ急ごうとまた歩き出したものの、写真を撮りに戻ったのを覚えています。
夏休みというのに緊張感のある年で、県をまたぐ移動や、お盆の帰省もよくよく考えるよう言われていたころです。わたしが住むあたりは、都内でも農家さんや畑が多いのですが、はじめましての里芋畑は、整備された縁石を乗り越えるような勢いでした。その光景に魅了されてこのおはなしを書いたけれど、絵本の制作が進行していくにつれて、また五十嵐さんの絵がついてからはより一層、わたし自身の感動は深まったように思います。
冒険のような体験は、遠い場所でなくとも、暮らしの中でふとその入り口に立っていることがある。そのようなことも、この作品を通して描けることを嬉しく思います。
娘を連れて、五十嵐さんと編集者さんと一緒に、玉川上水沿いの広大な里芋畑に取材に行ったことも良い思い出。また、優しかった祖父の面影を、これまで以上に懐かしく感じながら文章を書きました。従妹は畑やあぜ道の写真撮影の協力をしてくれました。
■著者情報
大川久乃
絵本童話作家、詩人。絵本に『ぼとぼと おっこちた』(「こどものとも0.1.2.」2024年11月号)『じゃりじゃり あくしゅ』(「ちいさなかがくのとも」2024年3月号)『あわあわ ふわふわ! くまの たんくん』(「同」2023年3月号)『おはなしごほん』(あかね書房)など、詩集に『まくあけ』などがある。
五十嵐大介
漫画家。「月刊アフタヌーン」(講談社)にて四季賞を受賞し、デビュー。漫画作品に『魔女』『海獣の子供』(ともに小学館)『リトルフォレスト』『かまくらBAKE猫倶楽部』(ともに講談社)など、絵本に『バスザウルス』(亜紀書房)『ホタルの光をつなぐもの』(福音館書店)などがある。
大川久乃 文/五十嵐大介 絵
■内容のご紹介
芋掘りといえばジャガ芋やサツマ芋が定番ですが、里芋の畑をご覧になったことはありますか? 大きな葉っぱは、傘にしたくなるくらいの特大サイズ。畑の中に踏み入れば、土の香りと小さな生き物の気配に包まれ、そのまま耳をすませば、風が葉を揺らすかすかな音が聴こえてきます。五感に訴えかけてくる里芋畑の魅力を、詩的な言葉と瑞々しい水彩画によって描きます。
■編集部より
傘にしたくなるほど大きな葉っぱや、ジャングルのようにうねうねと伸びる茎。大川久乃さんは、お子さんと訪れた里芋畑での体験を元に、詩的な言葉を紡いでくださいました。大川さんが子どもの頃によく訪れたという、お祖父さんの畑の記憶も重ねられています。
五十嵐大介さんは、ご自身で里芋を育てたこともあり、畑の緑の瑞々しさと、畑との一体感を、卓抜した表現力で描かれています。里芋が食卓にのぼったら、お芋の来し方に思いを馳せてみてください。
●作者のことば
ある夏のこと 大川久乃
ある年の夏。カンカン照りをさけて、夕方に子どもたちと買い物へ行きました。その日はどうしてか、いつもとちがうスーパーへ散歩をかねて。住宅街の路地をいくつか曲がって、ふいに立ち現れた里芋畑。縁石と白線の上を渡り歩いていた子どもたちの頭や肩は、こちらにせり出して生えている里芋の葉っぱと、こすれ合ってつゆにぬれました。しばらく足をとめ、その大きな葉やたくましい茎や、根元のもりあがった土、においを楽しんで「すごいねえ」と話したら、もう夕日。さあ急ごうとまた歩き出したものの、写真を撮りに戻ったのを覚えています。
夏休みというのに緊張感のある年で、県をまたぐ移動や、お盆の帰省もよくよく考えるよう言われていたころです。わたしが住むあたりは、都内でも農家さんや畑が多いのですが、はじめましての里芋畑は、整備された縁石を乗り越えるような勢いでした。その光景に魅了されてこのおはなしを書いたけれど、絵本の制作が進行していくにつれて、また五十嵐さんの絵がついてからはより一層、わたし自身の感動は深まったように思います。
冒険のような体験は、遠い場所でなくとも、暮らしの中でふとその入り口に立っていることがある。そのようなことも、この作品を通して描けることを嬉しく思います。
娘を連れて、五十嵐さんと編集者さんと一緒に、玉川上水沿いの広大な里芋畑に取材に行ったことも良い思い出。また、優しかった祖父の面影を、これまで以上に懐かしく感じながら文章を書きました。従妹は畑やあぜ道の写真撮影の協力をしてくれました。
■著者情報
大川久乃
絵本童話作家、詩人。絵本に『ぼとぼと おっこちた』(「こどものとも0.1.2.」2024年11月号)『じゃりじゃり あくしゅ』(「ちいさなかがくのとも」2024年3月号)『あわあわ ふわふわ! くまの たんくん』(「同」2023年3月号)『おはなしごほん』(あかね書房)など、詩集に『まくあけ』などがある。
五十嵐大介
漫画家。「月刊アフタヌーン」(講談社)にて四季賞を受賞し、デビュー。漫画作品に『魔女』『海獣の子供』(ともに小学館)『リトルフォレスト』『かまくらBAKE猫倶楽部』(ともに講談社)など、絵本に『バスザウルス』(亜紀書房)『ホタルの光をつなぐもの』(福音館書店)などがある。
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