日本人なら大抵の人が知っている、ヤマタノオロチやイナバノシロウサギのお話。
一方で大抵の人は、これらを単なるお伽話あるいは、架空の物語と思っているに違いない。
だがしばしば、神話・伝承というものは、真実の歴史の投影(時に「逆さ鏡」として)で
あることが多い。「神話の故郷」出雲では、近年に入り、画期的な古代遺跡・遺物の発見・発掘が続いている。
1984年(昭和59)の斐川町荒神谷遺跡における358本!の銅剣出土、
1996年(平成8)の加茂岩倉遺跡における39個の銅鐸出土、
2000年(平成12)の、出雲大社敷地内の3本からめの巨大な柱の出土……。
最近では、記紀神話や出雲風土記の記述に、最近の考古学上の新発見を重ね合わせる中で、
古代権力の基が大和王朝(や北九州王朝)ではなく出雲王朝にあるとの有力な学説が台頭してきている。
ただ本書は、専門家による固苦しい古代史論ではない。著者の元島根大学学長・北川泉氏の専門は、農学である。
長い間出雲に暮し、出雲の史跡、農漁業文化の歴史を渉猟する中で、出雲神話の中の「真実」を実感するようになった。
本書における出雲の「ムラ社会と風土」「稲作農民とタタラ(製鉄)部族の争い」には、深い専門的学殖にもとづく卓見が光る。
また、オオクニヌシの「国譲り神話」の解釈がユニークである。あれは、「政治・軍事権力の委譲であり、祭祀権を守ったものである」と。
そしてそれは、出雲人の心の奥底にある「祈る心」「和譲の精神」であると説く。著者の心底には出雲人への深い愛情が感じられる。
古代出雲に花開いた「定住的複合文化」の再発見は、現代日本社会へのヒントになるのではないか。
*著者は、1931年高知県生まれ。京都大学大学院終了、農学博士。
島根大学農学部教授、農学部長、同大学学長を務め、現在、(財)島根総合研究所長。
この雑誌の読者はこちらの雑誌も買っています!
Fujisan.co.jpとは?
株式会社富士山マガジンサービスが運営する、
日本最大級の雑誌オンライン書店です。
一般的な書店と異なり、
定期購読サービスに特化しています。
雑誌、新聞、シリーズ書籍、漫画や
本屋にも無い古い本も見つかる!
法人サービスはこちら >
-
タイトル1万以上
豊富なラインナップで
書店に並ばない本とも出会える -
試し読み
バックナンバー1冊まるごと試し読み
したり、最新号も試し読みできる -
タダ読み
5,000冊以上の雑誌が
無料で読み放題 -
500円OFF
普段読んでいる雑誌のレビュー投稿で
500円割ギフト券をプレゼント -
事前予約
気になる本は
発売日前から事前予約可能 -
割引や特典付き
定期購読なら
お得に本が読めて
送料無料の雑誌も!
デジタル雑誌をご利用なら
最新号〜バックナンバーまで7000冊以上の雑誌
(電子書籍)が無料で読み放題!
タダ読みサービスを楽しもう!