■特集■
破産財団の範囲と自由財産拡張の考え方
【内容紹介】
破産者が破産手続開始時に有する一切の財産は破産財団を構成し、財団債権者に対する弁済や破産債権者に対する配当の原資となります(破産法2条14項、34条1項・2項)。
もっとも、破産者やその家族が最低の生活を維持するため、一定の財産は破産財団に属しないとされています(法定自由財産・本来的自由財産。同条3項)。
また、裁判所は、当該破産者等の状況や具体的必要性を考慮して、破産財団に属しない財産の範囲を拡張することができます(拡張的自由財産。同条4項~7項)。
このように、①ある財産が自由財産なのか破産財団に属するのか、②自由財産の範囲の拡張をどのように判断すべきかは、
破産者の「財産の適正かつ公平な清算」と「経済生活の再生」という破産手続の目的(破産法1条)を果たすうえで、非常に重要な意義をもちます。
横浜で開催された全国倒産処理弁護士ネットワークの研修会では、複数の事例をもとに、「破産財団の範囲と自由財産拡張の考え方」をめぐって議論が交わされました。
第1特集は、この模様を再構成、さらに大幅加筆してお届けします。
・個人破産手続における破産財団
―「自由財産」との関係をめぐって―
田頭 章一
・《パネルディスカッション1》破産財団の範囲・帰属についての検討
―限界事例へのアプローチを題材に―
澁谷 輝一/田頭 章一/横山 兼太郎/上升 栄治/木村 俊春/土井川 哲也
・《パネルディスカッション2》自由財産の拡張の考え方と考慮要素
澁谷 輝一/田頭 章一/横山 兼太郎/上升 栄治/土井川 哲也
■特集■
事業承継・引き継ぎ時の経営者保証解除
【内容紹介】
第三者へのバトンタッチを図るM&Aは、事業継続の有力な選択肢です。
事業承継・引き継ぎニーズの高まりや政府の施策による後押しなどもあって、大企業ばかりでなく、中小企業を当事者とするM&A(中小M&A)も利用が広がっています。
一方で、中小M&Aをめぐっては、金融機関との調整がうまくできていない、売り手企業の経営者等が差し入れていた経営者保証が解除されない事例が見受けられるなど、
課題も浮き彫りになってきています。
第2特集は、2026年5月18日に開催された日本弁護士連合会事業承継・事業再生シンポジウムの模様を再構成して、
中小M&Aにおける経営者保証解除に関するトラブルの実際と、問題解消に向けた行政・金融機関・士業専門家などの関係者の取組みを検討します。
・中小M&Aの保証解除に関するトラブル事例とその要因
大宅 達郎
・中小企業のM&Aにおける経営者保証の取扱い
―新たなガイドラインの必要性―
高井 章光
・《パネルディスカッション1》経営者保証の解除と金融機関との関係・対応
内野 嘉也/石坂 力男/高井 章光/四十山 千代子/大宅 達郎/村上 雅哉
・《パネルディスカッション2》安心・円滑な事業承継に向けた支援機関の連携・協力
長縄 遼太郎/髭野 淳平/皿谷 将/辰巳 駿介/桑原 朋子/大西雄 太
■特別企画
民事手続法における相殺期待の保護
・本企画の趣旨
中島 弘雅/松嶋 隆弘
・早期事業再生法の概要
中島 弘雅
・イギリスの法制度と日本の早期事業再生法との比較
上江洲 純子
・ドイツの法制度と日本の早期事業再生法との比較
玉井 裕貴
・韓国における早期事業再生法制の展開
崔 廷任
■特別企画
不動産競売の動向2026
・令和7年度における不動産競売事件の処理状況
角 勇一朗
・令和7年度競売データの分析
山田 光治
■特別企画
「家族共同破産」を考える
・家族共同破産再論
―2026年上半期官報を素材に―
佐藤 鉄男
■論説・解説
・集合動産譲渡担保権の設定者による動産加入行為を担保権者が事後に認識した場合の詐害行為取消権・否認権の成否
金 洪周
■私的整理・法的整理手続の実務対応
ノンコア資産の評価、スケジュール、清算方法に特徴ある私的整理の事案
樋口 收/江尻 琴美/野村 晃平
■連載
沖縄事業再生通信
・経済安全保障リスクを考える
平石 積明
■編集部からお知らせ
・「中小企業再生支援フォーラム」開催のご案内 ほか
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