特集 サルコイドーシス2026
(山本 俊幸 編集委員)
今月号の特集はサルコイドーシスである.本誌ではこれまでも数年に一度,サルコイドーシスを取り上げてきた.過去(2013年,2018年)の特集号を見てみると,巻頭の特集では,「病態におけるアクネ菌」「検査マーカー」「サルコイドーシスとリポイド類壊死症」「日本人患者の特徴」などの切り口で,サルコイドーシスのさまざまな側面にスポットがあてられている.
今号の巻頭には,サルコイドーシス肉芽腫形成機構の病態「THE1Bエレメント」「シングルセル解析」や皮膚病理「サルコイド血管炎」に加え,「COVID-19とサルコイドーシス」「全身性vs皮膚限局性サルコイドーシス」「環状肉芽腫」などが並んだ.これらのうちいくつかのテーマは2025年に福島県立医科大学が主催した日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会総会で講演いただいたものである.
新規薬剤(免疫チェックポイント阻害薬)によるサルコイドーシス,COVID-19感染/ワクチン接種により誘発されたサルコイドーシスなどは最近のトピックスといえよう.臨床例ではほかにも,非特異的な臨床像(蜂窩織炎様,苔癬様),アートメイク/ワクチン/薬剤によって誘発された症例,他臓器サルコイド病変,サルコイドーシスと真菌症,脱毛,悪性黒色腫との関連など少し掘り下げて勉強したい内容も執筆いただいた.
このように数年おきに同じテーマを取り上げてきたのも本誌の特徴の1つである.ほかに接触皮膚炎や薬疹なども同様で,時代とともに変わる皮膚病の遷延がわかり面白いと思う.
さて,サルコイドーシスの皮膚症状は多彩で,特異疹の臨床分類の中に,典型的でない「その他」がある.この「その他」に含まれるのは,扁平苔癬様,魚鱗癬様,結節性紅斑様があり,それ以外のものを『その他』としている.つまり「その他」の中にさらに『その他』がある.これに入るのは,乾癬,疣贅,潰瘍,紅皮症,白斑,モルフェアといった臨床形態をとるサルコイドーシスである.ほかにもsclerosing panniculitis様を呈したサルコイドーシスというまれな症例報告もみられる.このように多彩な臨床をみると,great imitatorという言葉に納得がいく.皮膚症状が多彩でgreat imitatorと呼ばれるのはサルコイドーシスと梅毒2期疹である.今後,新規薬剤がサルコイドーシスに適用され,この分野がもっと脚光を浴びることに期待したい.
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