座談月評
内藤廣×馬場正尊×髙橋一平
特別記事
住宅をエレメントから考える
〈キッチン〉再考
料理家と考えるこれからのキッチンのあり方(前編)
樋口直哉×浅子佳英×榊原充大
特集記事
京都のセカンドハウス 観光と居住のあいだに
森田一弥×魚谷繁礼×川勝真一
作品16題
都市の別荘
千葉学建築計画事務所
特集論考1:拓かれる別荘 千葉学
秋月野鳥project
フジワラテッペイアーキテクツラボ
特集論考2:風土的な時間に身を浸して暮らす 藤原徹平
西湖の別荘
芦沢啓治建築設計事務所
Logs on the Dune
中村拓志&NAP建築設計事務所
小淵沢のヴィラ
山本匠一郎+小池啓介/Thirdparty/K2YT
Roof / Birds
隈研吾建築都市設計事務所
特集論考3:人間という生物にとってVillaとは何であるのか 隈研吾
シロ
隈研吾建築都市設計事務所
ガムハウス
魚谷繁礼建築研究所
銀閣寺前の家
森田一弥建築設計事務所
しふく
前田圭介/UID
八ヶ岳の家
横内敏人建築設計事務所
野辺山の住処
納谷建築設計事務所
富津の週末住宅
八木敦之+倉島宏幸/アトリエ MEME
森のゲストハウス
八板晋太郎+八板千恵/八板建築設計事務所
軽井沢の家
萩原剛
PHASE DANCE
廣部剛司建築研究所
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2024年3月号 (2024年02月29日発売)
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新建築住宅特集 2019年9月号(2019-08-19発売) の特集を少しご紹介
〈キッチン〉再考
料理家と考えるこれからのキッチンのあり方(前編)
P.4~P.9
浅子 「これからのキッチン」を考えるためには、建築家だけではなく、食やキッチンに精通した人と話をする必要があると思い、料理家であり作家でもある樋口直哉さんに協力をお願いしました。樋口さんは、著書『新しい料理の教科書』(マガジンハウス、2019年)で、これまで慣習に囚われていた料理を見直し、現代的かつ科学的に料理にアプローチされています。また『おいしいものには理由がある』(KADOKAWA、2017年)では生産者の取材に行かれたりと、豊富なリサーチの上でこれからの食のあり方について考えていることも分かります。という訳でこのテーマを掘り下げるのにぴったりの方だと思います。
まず、「これまでのキッチン」を一度整理したいと思います。キッチンは各地の気候風土や食文化と密接に結び付き、独自の系譜を連綿と連ねてきました。『台所見聞録 ─人と暮らしの万華鏡』(LIXIL出版、2019年)によると、日本では土間で水仕事をし、床に直接まな板を置いて作業する「蹲踞式」(図1)が主流でした。
別荘
多彩な余暇の過ごし方
P.14~P.157
今月号は別荘を特集します。別荘は、余暇を過ごすもうひとつの住宅として、それぞれの目的や価値観が顕著に出るという意味で、プログラムもかたちも普通の住宅とは成り立ちが大きく異なるでしょう。そして、その多くは自然を愉しむものとして豊かな自然の中に置かれます。それには、建築家がその環境を建築にどのように取り込むかがポイントとなります。そしてもうひとつ、今回重要にしたのは余暇の過ごし方の多様化です。働き方や家族のあり方が著しく変化している今、休みをどこで誰とどのように過ごすかも変化しています。日常との境界が曖昧になり、仕事の延長にセカンドハウスをもったり、都会を楽しむための別
荘も増えています。それは、複数の日常を行き来する現代の生き方といえるでしょう。
自然の中でも都会の中でも、それぞれの気候や風土、歴史を深く観察し、時間をかけて培われた固有の文化を考察して建築にすること。今回収録した16作品から、強くその視座が見えます。個人の所有物を超えて、その土地に根差す現代の住宅のあり方として、そして多彩な生き方に寄り添う建築家の創意が見えてきます。
京都のセカンドハウス
観光と居住のあいだに
P.98~P.99
これまでの別荘は、一部の富裕層が日常の忙しさから離れ、自然の中で余暇を過ごすための家として考えられてきました。またその背後には、労働と余暇の分離という近代的なパラダイムをベースに開発された別荘地がありました。しかし、現在における働き方や家族のかたちの変容は、仕事と趣味の境界を曖昧にし、日常の延長としてもうひとつの居を構えるという新しい「別荘」を生み出しています。このもうひとつの「家」が都市に増えることは、社会や地域にどのような影響を及ぼすのか。それがこの企画のテーマです。取り上げるのは、京都です。近年、京都は観光と居住を巡るさまざまなコンフリクトが顕在化していましたが、インバウンド需要を見越した開発が少し落ち着き、変わって京都に魅せらた人びとが、都市の中にもうひとつの家をもつ流れが生まれています。このことが伝統的な建築や地域のコモンズの継承にどのような影響を及ぼすのかを探りつつ、現代における複数の「日常」を移動すること、そして観光と居住のあいだを考えたいと思います。
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