目次
俺たちが誇る
金メダル
開発競争の勝者たち
自由競争が製品の水準を上げたという。自由競争を具体的に言えば,それはシェア競争であり,価格競争であり,スペック競争である。シェアは結果としてついてくるもの。価格も会社の総合力に左右される。技術者が直接取り組んでいるのは,まずスペック競争だ。その勝者がここに並ぶ。数字は世界記録,誰にも負けない。「世界一」は開発競争の勝者に与えられる金メダルだ。(浜田基彦)
【世界最大】
単3形ニッケル水素電池の容量(三洋電機・2500mAh)
【世界最小】
歯車の歯先円直径(樹研工業・0.147mm)
【世界最速】
ダイボンダのサイクルタイム(新川・0.148秒)
【世界最薄】
電波時計の厚さ(シチズン時計・6.82mm)
【世界最多】
PDPテレビの色数(松下電器産業・36億2000万色) ほか
我が自動車産業の40年前は、いろいろな意味で曲がり角にあった。飛躍をする前の力をためている時期であった、といってもいい。振り返ってみると、そこには「ものづくり」においても興味深い足跡が残されている。
エコとパワーを両立する
トヨタのモータ制御技術
省燃費と高い動力性能を両立させたトヨタ自動車のガソリンエンジン・ハイブリッド車「新型プリウス」。昇圧回路を使ってモータの駆動電圧を約500Vに高めたことは広く知られている。が,実はそれだけではエコとパワーの両立はなし得なかった。新開発のモータ制御技術。その存在が大きく寄与しているのだ。今まで限られた範囲でしか明らかにされていなかったその正体を追う。
ダイキンに学ぶ「必勝のMade in Japan」
家庭用エアコンの国内シェアNo.1への軌跡
「負け組」は絶対に勝てないのか。そんなことはないと証明したのが,ダイキン工業の家庭用エアコン事業だ。かつて同社はごく低い国内シェアに甘んじていた。一時は赤字転落により,事業撤退の縁にまで追い込まれた。その同社が2003年度,上位メーカーをなぎ倒してトップシェアを獲得した。しかも,雇用を守るために国内生産は捨てないという決断を下しながら。成熟商品である,価格下落が激しい,天候次第で需要が大きく変動するという「三重苦」を強いられる家庭用エアコンで,生産拠点を海外にシフトせずに,負け組からトップシェアを勝ち取った同社のものづくりには,多くのメーカーにとって参考になる点がたくさんある。
派遣が有力選択肢にものづくり現場の人材活用
請負との使い分けで競争力強化
事務系業務では当たり前だった派遣労働者の採用が,ものづくりの現場でも解禁になったことで,人材活用に変化が現れ始めた。 2004年3月の「改正労働者派遣法」の施行以前のものづくりの現場では派遣を受け入ることができず,業務を丸ごと任せる請負に頼らざるを得なかった。しかし請負は,違法な使い方になりがちなことが指摘されていた。法令を遵守し,ものづくりの競争力を高めていくためには,派遣という選択肢を上手に活用していく必要がある。
IXY DIGITAL 最終回 そして,夢は叶う
デジタルカメラの画素数競争で1サイクル遅れていたキヤノン。心臓部にビデオカメラのICを流用していたために,デジタルカメラの画素数が変わるたびに特殊なICを開発。それに手間取っていた。そこに気付いた同社は,特殊なICを使わずに済む,デジタルカメラ専用のプロセッサ「映像エンジン」で巻き返しを図ろうとする。一方で,APS方式の銀塩カメラ「IXY 320」のサイズを目標に,1円玉の大きさに収まる小型レンズの開発を進める。IXYサイズという「小ささ」こそが,新しいデジタルカメラの最大の武器になると信じて。
電動アシスト自転車
環境にやさしい手軽な都市型ビークル
電動アシスト自転車が売れている。 現在は2度目のブームだ。電動アシスト自転車が発売されたのは1993年,ヤマハ発動機の「パス」が最初。高齢層を中心にヒットしたが,1997年の22万台をピークに減少。30kg前後という車体と,1度の充電での航続距離が20km程度であったたため,バッテリが切れてしまうと坂道を上る際などはただの重い自転車になってしまうという弱点があった。
乳母車を挟んだエレベータ
リレーの溶着でそのまま上昇
2003年10月17日,福島県本宮町の地下道で,エレベータが幼児2人を乗せた乳母車を扉に挟んだままゆっくりと動きだした――。母親が,乗っていた2人を助け出してフロアに降ろしたものの,助けたうちの1人が,エレベータかごが上昇してできた空間からエレベータピットに転落し,軽いけがを負った。その後もエレベータは通常より遅い速度で上昇。停止したのは,乳母車が乗降口の上部天井とエレベータかごの床に挟まれて壊れた後だった。
【連載】
第5回 仕様変更の管理
変更情報をBOMで管理すれば
各部門が柔軟に対応できる
PLMシステムを構築する目的の一つは,製品のQCD+Eを向上させること。そのためには,製品の競争力を向上させる設計・仕様変更が素早く実施でき,さらにそれらの変更履歴情報を次の製品開発に生かせる変更管理の仕組みが重要となる。BOM(部品表)に変更情報を的確に反映し,それを基に各部門が柔軟に対応する必要がある。
【連載】
第2回 トヨタ式イノベーション
現場の改善と部門の戦略展開が
切れ目なくつながっていく強み
業界レベルを超えて先へ進むイノベーションの方式であるトヨタ方式は,三つのキーワードから成り立つ。少しずつであっても徹底的に押し上げを図る「スモールステップ」,活動を起こす「『しくみ』内蔵」,現場から経営までの「全員参加」。戦後の日本を飛躍させた目標管理による日本的イノベーション活動に比べ,幅と奥行きははるかに広い。
第5回
中国企業の実力が日に日に向上
不勉強な日系企業は痛い目に
日本国内に工場回帰の動きが出始めてきたとはいえ,まだまだ中国に進出する日本企業は多い。しかし,この10年ほどで中国の現地企業はかなり実力をつけてきた。日本流の厳しい品質管理の手法を徹底的に教え込まれ,それを身に付けたからだ。そこに,不勉強な日本企業がただコストを求めて乗り込むと,痛い目に遭う。日本の「教え子」たちが一線の管理者となっている今の中国の現地企業を甘く見てはならない。
第3回 星空から技術が降ってきた(1)
国公立の研究所や大学は私たち一般の民間人には敷居が高かった。例えば宇宙開発事業団,文科省航空宇宙技術研究所,文科省宇宙科学研究所。名前を聞いただけで緊張する。その三つが合体したJAXAが「技術移転大歓迎」の姿勢を見せている。彼らも独立行政法人になって営業マインドが出てきたのだろう。それを活用しない手はない。
山本 治彦氏
富士通 テクノロジセンター センター長
デジタル試作は機械と電子の設計者が共同で
家電製品や精密機器に限らず,自動車でも機械設計と電気設計の融合は重要なテーマ。富士通は,ITを用いて両方を支援する技術を開発,運用してきた。 1人の技術者が,高度に専門化したそれぞれの技術を同時に見ることは不可能。しかし,共同で作業することは可能であり,そこにITが使える。デジタル・モックアップは,言ってみれば設計開発の「見える化」だという。
中小企業に通ずるか,大企業CEOの熱意
米Microsoft社のSteve Ballmer氏,IT化推進に向け熱弁振るう
世界最大のソフトウエア企業のCEOが,日本の中堅・中小企業経営者に向け気炎を上げた。2004年6月29日,中小製造業が集まる「エミダスだよ!全員集合!!」の特別ゲストとして米Microsoft社CEOのSteve Ballmer氏が登場。世界に冠たるIT企業の有名CEOと,中堅・中小企業経営者の大集団という多少ミスマッチ感のある取り合わせの中,ITがいかに重要な役割を果たすかなどを語った。
● 晴れている限りOKです
● ナマリを排し,いざ欧州へ など
● UGS・Dassault・PTC,具体的アプローチを語り始めた3大PLMベンダーの戦略
● 富士写真フイルム,デジタルカメラのレンズを2段に分けて収納し30%小型化
● ソニー,部品表データベースを再構築,システム統合で運用費を半減
● 航空電子,放電加工を高速微細切削で置き換え低コスト・短納期を実現
● DaimlerChryslerの新型「Aクラス」,後部サスに前例のないリンク配置 など
今月の調査テーマ:中堅・中小企業の生き残り戦略
安さではなく独自技術で売り込む
中堅・中小企業が生き残るために必要なのは,コスト削減よりも独自技術の開発――。日経ものづくりが実施したアンケート結果から,ものづくりに携わる人が,中堅・中小企業の今後の戦略をこう考えていることが分かった。資金や人材の不足といった弱点はあるが,小規模ならではの意志疎通の図りやすさ,意志決定の早さを生かして,技術力で勝ち抜いていく姿勢が必要だ。
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