パリティ2016年10月号
Vol.31 No.10
【特集記事】
特集:重力波
・アインシュタインの最後の宿題
重力波とは 浅田秀樹
・重力波観測の驚異的な技術
人類はいかにして極小の時空ゆがみを検出したのか 麻生洋一
・LIGO以降の物理学
初観測された重力波が開いた宇宙への新しい窓 神田展行
・時空のゆがみで宇宙をみる
重力波天文学の幕開け 田越秀行
【news】
共鳴回路による自発的スピン反転遷移の促進 J. L. ミラー 山本倫久 訳
回折限界を超える超音波の解像度 J. L. ミラー 田村安孝 訳
小石から木星をつくる S. チャン 堀 安範 訳
ニュースダイジェスト A. グラント,S. K. ブラウ,C. デイ ほか
LHCの新しいデータで夢と消えた新粒子 / 火星の衛星の形成 / 外科用縫合針の誘導 / このうえなく精密なプランク定数の値 ほか
クローズアップ:
水の蒸発における分子ダイナミクス 永田勇樹
フォトニック結晶における大きなチャーン数の実証 五十嵐悠一
方向二色性の増強と一方向透明現象 有馬孝尚
講座:相転移ことはじめ 第7回
臨界現象のユニバーサリティクラス 宮下精二
コラム:パリティのココロ
「国際物理オリンピック」の教育効果とは? 大槻義彦
【information corner】
フォーラム
11月号予告
執筆者・翻訳者紹介
今月の切手 小沼通二
今月のキーワード
ブラックホール連星合体 / 超解像超音波撮像 / 小石降着 / バンドチャーン数
〈今月のパリティ〉
○重力の波で時空がゆがむ,とは?
1916年にアルバート・アインシュタインが重力波を予言してから100年がたった2016年,重力波初検出のニュースが世界を席巻しました。重力波とはいったい何でしょうか。一般相対性理論の初歩から考えます。
○10-21のゆがみ
LIGOが検出した重力波の最大振幅は,約10-21でした。これは,重力波による時空のゆがみによって,2つの質点間の距離がもとの長さから10-21倍だけ変化するということを意味します。このような極小のゆがみをLIGOはどのようにとらえたのでしょう。
○水はどのように水蒸気になるのか
水の蒸発は非常に身近な現象であるにもかかわらず,蒸発のメカニズムについての理解が進んでいるとはいえません。どのようにして,水分子が水素結合を切り,分子が気体になるのでしょう。分子動力学シミュレーションを使った研究を紹介します。
○特定の方向からのみ透明にみえる物質?
ある方向からみた場合とそれと逆の方向からみた場合に物質による光の吸収が異なる性質は方向二色性とよばれます。これを拡大し,特定の方向からみた場合にのみ物質が透明になる一方向透明現象は実現可能でしょうか。未来の光機能開拓に向けた研究について解説します。
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