パリティ 発売日・バックナンバー

全246件中 1 〜 15 件を表示
1,540円
パリティ2019年5月号  
Vol.34 No.05

<今月のパリティ>
○なぜ星形成は非効率なのか
星形成の重要な要素は重力ですが,それだけを考慮した計算では実際よりも形成スピードが早まってしまいます。近年,乱流についての研究が深まってきました。磁場の影響などもありますが,星形成における乱流の役割は,ガスをかき回しガス雲の重力崩壊を遅らせるだけではなく,超音速の乱流により衝撃波を発生しガスを局所的に圧縮することにあります。この役割を探るとともに,超音速乱流の統計に基づいた初期質量関数計算理論の構築を紹介します。

○めざすのは苦しい試練ではなく,価値のある知的経験の提供
実験教育は物理教育の柱ですが,その効果や検証についてはさまざまな意見があります。学生へのインタビュー調査の結果を示すとともに,物理学者の思考法を習得するための新たな試みである定量的探究実験と探究的科学学習環境のとり組みや成果を紹介します。

○雷発生位置の観測,進化を続ける評定システム
雷放電位置評定システムは,航空管制官,保険査定員,気象予測の研究者にとって欠かせません。RF放射を感知する地上雷電波受信機システムと,広大な領域での雷発光を観測する衛星システムが提供するそれぞれのデータの性質と,その利用事例を紹介します。

『パリティ』廃刊のご挨拶 大槻義彦

【articles】
重力と磁場,そして激しいガスの動きが星をつくる
乱流による星の形成 C. フェデラース 松本倫明 訳
推論や批判的な思考ができる能力を身につける
もっと効果的にできる入門物理実験 N. G. ホームズ,C. E. ワイマン 鳥井寿夫 訳
大惨事を劇的に減少させる警報システム
雷放電の位置評定 M. マーフィー 髙橋幸弘 訳

【news】
シリコン量子ドットが導く拡張可能な量子コンピューティング R. M. ウィルソン 樽茶清悟
ニュースダイジェスト J. L. ミラー,H. ヒル,A. ロパカ ほか
幼い患者を診る無線センサー / 混み合うなかを素早くすべり抜ける表面原子 / 1年中解け続けるグリーンランドの氷床 / ミリ波観測で得られた原始星から吹き出す流れの詳細な描像 ほか

クローズアップ:
 光や電場で起こす超高速絶縁体-金属スイッチング 岡本 博
 理研小型中性子源システムによる非破壊内部観察 大竹淑恵

連載:温暖化問題,討論のすすめ
 地球温暖化は物理法則に基づく理論である 松野太郎

随想:歴代編集委員長から
 『パリティ』誌編集室 藤井昭彦
 『パリティ』の狙い目 大場一郎
 『パリティ』誌に感謝 家 泰弘
 編集委員長の役得 小野嘉之

【Information corner】
フォーラム
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手 小沼通二
今月のキーワード
星形成率 / 磁気双極性拡散 / 初期質量関数 / 初代星 / ツェナートンネリング / 中性子線
1,540円
パリティ2019年4月号 
Vol.34 No.04

<今月のパリティ>
○流体力学でとらえる超音速飛行
極超音速飛行の実現には,推進力,材料設計,飛行制御に関する新しい方法を考案し,衝撃波や境界層,乱流,大気モデルについて深く理解する必要があります。基本的な流体力学の課題に焦点を合わせ,鍵となる科学的な問いや技術の進展について紹介します。

○新たな有機2次元材料の創出
過去数十年にわたり,化学者は2次元ポリマーとよばれる分子漁網をつくり出すために研究を続けてきました。ガス分離,塩水の脱塩など,さまざまな応用に役立つ膜としての潜在性があります。新しい有機物として分類される2次元材料創成の可能性を探ります。

○変形関節症の新たな治療法発見の可能性
関節軟骨は,骨端部を被覆し関節運動時になめらかな滑りをもたらします。軟骨面間における潤滑の起源を探り,軟骨潤滑がどのように変形性関節症などの病状の進行に関連するのか,その病気を改善する新たな治療法を導き出す可能性を解説します。

○ムーアの法則がもたらす開発競争の激化
大規模集積回路(VLSI)のプロセス技術は2年で約0.7倍の速さで微細化され,1チップ上のトランジスターは指数関数的に増大しムーアの法則が堅持されてきた一方,半導体の微細化は容易ではなく,競争は苛烈を窮めています。その現状と展望を紹介します。


【articles】
マッハ6.7を超えるために
極超音速飛行への飽くなき探求 I. A. レイヴァ 永井大樹 訳
斬新な構造のポリマーは新たな応用を生み出す
夢の2次元材料――分子漁網の合成 M. セルヴァーリ,H. C. エッティンガー,A. D. シュリューター 田原一邦 訳
健康維持に必須な機能
関節軟骨のたくみな潤滑 S. ヤーン,J. クライン 村上輝夫 訳
1チップ上に100億個!
トランジスターはどこまで小さくなるのか? 平本俊郎

【news】
異方性磁気ペルチェ効果の観測とその応用 内田健一
根の深い木星の風 A. グラント 倉本 圭 訳
ニュースダイジェスト J. L. ミラー,R. バーコヴィッツ,H. ヒル ほか
レーザー光を浴びて踊る粒子 / 中性子後方散乱分光法の分解能を高める / 鉱物の測定でマントルを伝わる地震波のなぞが明らかに / 室温で形成される電子-ホール液体 ほか

クローズアップ:
 ニュートリノの質量と2重ベータ崩壊実験 岸本忠史
 素晴らしい球面三角法 G. V. ブルーメレン 半田利弘 訳

連載:地震のメカニズム解明―本当に地震予知はナンセンス?
 避難しなくて済む社会へ:地震予知のパラダイムシフト 堀 高峰

随想:
 ペンローズにかかわるいくつかの話題 岡部 豊

コラム:メイドインジャパン物理用語 量子物理編
 ウィグナー-荒木-柳瀬の定理 宮寺隆之

コラム:パリティのココロ
 「女子学生,やーい!」 大槻義彦

【Information corner】
フォーラム
5月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手 小沼通二
今月のキーワード
境界層 / シュリーレン画像 / ボルンエネルギー / 球面三角法 / 確率利得
1,540円
パリティ2019年3月号 
Vol.34 No.03

<今月のパリティ>
○素粒子でみる地球の姿
素粒子は地球物理学に適用できるのでしょうか。地球外に起因する素粒子を用いた地球内部の測定と,地球深部の不安定同位体の崩壊から生じるニュートリノの測定の2つの視点から,素粒子を用いた地球物理学が成立する可能性があることを解説します。

○よりよいガラスのつくり方
人類はガラスを3000年以上にわたってつくってきました。これほど長い歴史があるにもかかわらず,ガラスの基礎的な物理を理解するための新たな方法が生まれ続けています。高密度ガラスの生成法,ガラス転移,ガラスの欠陥など最新の成果を紹介します。

○男女の不平等を改善するためにできること
才能ある女性たちが,種々の不平等により物理分野を離れていくことがわかっています。物理における女性に対する系統的な先入観を示し,女性や物理に関する固定観念を検討する研究を紹介して,この問題の克服のために,物理学者ができることを考えます。

○家電製品の普及を支えた家庭物理学
100年前,平均的なアメリカの家庭に電化製品は普及していませんでした。新たにつくり出された家庭物理学は,女性に物理学のおもしろさを伝えるだけでなく,電化製品の利用法も教えました。家庭物理学の教科書から,当時の教育やその変遷を紹介します。


【articles】
地球内部の姿を探る新たな方法
素粒子を用いた地球物理 田中宏幸
ガラスを巡る最前線の技術と研究
多角的にみたガラス物理 L. ベルティエ,M. D. エディガー 吉野 元 訳
男女の不平等をなくすために
物理に女性が少ないのはなぜか―大学教員がするべきこと― J. ブルー,A. L. トラックスラー,X. C. シド 高須昌子 訳
家電製品の開発と普及を支えた学問
家庭の物理学 J. ベアマン 細井昭憲 訳

【news】
実験室で模擬する宇宙磁場の起源と進化 R. バーコヴィッツ 佐野孝好 訳
イカはいかにして球形レンズを工学実現したのか S. チャン 池田 譲 訳
ニュースダイジェスト C. デイ,A. ロパカ,A. グラント ほか
月をもつ月はあるのか? / 月面と地球表面に残る衝突の歴史 / 深海に蓄えられる大気の熱 / こま切れの星からブラックホールの自転を推定する ほか

クローズアップ:
 衣服にも貼れる超薄型有機太陽電池 福田憲二郎
 トポロジカル光波による固体物性制御 佐藤正寛
 中年を迎えた太陽の磁場活動危機 T. S. メトカーフ 堀田英之 訳

座談会:
 なぜ,日本の物理学分野には女性が少ないのか 松尾由賀利

講座:電磁気現象にみる古典と量子の交叉点
 第12回(最終回) 電磁場のパラダイムの変遷:エーテルの行方 筒井 泉

【Information corner】
フォーラム
4月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手 小沼通二
1,540円
パリティ2019年2月号 
Vol.34 No.02

特集:すばる ハイパー・シュプリーム・カム

<今月のパリティ>
○超広視野主焦点カメラによる観測
すばる望遠鏡用に開発された可視光カメラHyper Suprime-Cam(ハイパー・シュプリーム・カム)。一度に撮影できる視野が1.5度角と広く,視野全面にわたり高い結像性能を実現しています。広い天域を調べ尽くす探査観測の初期成果を紹介します。

○宇宙膨張を測る
宇宙初期の音響波が生成した密度パターンが,銀河の分布に影響を及ぼしています。宇宙の再結合期を経て,暗黒物質とバリオンの複合系による重力を受けて成長した空間パターンの痕跡をみることで宇宙膨張を測定することができます。そのしくみを探ります。

○専門化・細分化する学問分野の統合をめざす
米国物理学協会の『フィジックストゥデイ』誌は創刊70周年を迎えました。第2次世界大戦終結直後,物理学の細分化が進んだ時期に創刊された同誌は,社会とのつながりや知的結束の回復をめざしてきました。その歴史を振り返り物理学界の将来を展望します。

○有機太陽電池の理想構造を実現
周期性の細孔空間を構造内に有する多孔性材料を利用することで,2種類の異なる分子が規則的かつ交互に配列した超構造体をつくり出すことに成功しました。光電子デバイスの高効率化はエネルギー問題を解決することができるでしょうか。


【特集記事】
特集:すばる ハイパー・シュプリーム・カム
巻頭言:超広視野カメラでとらえた宇宙 宮崎 聡,花輪知幸
天体観測用広視野カメラ ハイパー・シュプリーム・カム 宮崎 聡
暗黒物質地図の作成 大栗真宗
重力レンズで探る宇宙の暗黒物質構造の成長 日影千秋
分光サーベイとの組み合わせで探る宇宙の泡構造 内海洋輔
多数の原始銀河団を発見 柏川伸成
銀河系に付随するきわめて暗い衛星銀河の発見 千葉柾司
くじら銀河には化石がいっぱい 田中幹人

【articles】
宇宙初期の音響波が残したもの
バリオン音響振動は宇宙のものさし W.J. パーシバル 樽家篤史 訳
アメリカ物理学協会誌の出発点
『フィジックストゥデイ』の原点 D. カイザー 矢崎紘一 訳

【news】
粉体仕様の熱力学理論 A.G. スマート 西森 拓 訳
合金の瞬間冷凍が加速する相変化メモリー A.G. スマート 長谷宗明 訳

ニュースダイジェスト C. ミドルトン,A. ロパカ,A. グラント ほか
形で粒子をより分ける / 原初の合体が天の川銀河の形成に一役 / 長年の探索で暗黒物質がついに見つかった? / 風による旅に最適化されたタンポポの種 ほか

クローズアップ:
 電荷寿命1000倍,有機太陽電池の究極構造を実現 北尾岳史,植村卓史
 超流動ヘリウム3におけるカイラルドメインのMRI観察 佐々木 豊
 金融ブラウン運動 高安美佐子

随想:
 物理学者レフ・シュブニコフの研究と短すぎる生涯(後編) 斯波弘行

連載:地震のメカニズム解明―本当に地震予知はナンセンス?
 あんた,地震の何なのさ?――短期前兆のメタ理論 中谷正生

コラム:私はこうして物理を選んでしまった
 何度も絶望する男 中村卓磨

講座:電磁気現象にみる古典と量子の交叉点
 第11回 量子の幾何学としての電磁相互作用:ゲージ原理への道 筒井 泉

【Information corner】
フォーラム
3月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手 小沼通二
今月のキーワード
暗黒エネルギー / 冷たい暗黒物質 / アトラクターベイシン
1,980円
パリティ2019年1月特大号
Vol.34 No.01

<今月のパリティ>
○衛星光通信技術のさらなる応用
超小型衛星SOCRATESに搭載された小型光通信機器SOTAによる量子通信の原理実証実験が行われました。地上ファイバー系で確立されている量子通信を,移動する衛星と地上とで行うための時刻同期や偏光識別などを実証し,量子暗号化や大容量通信への道がみえてきました。

○高性能かつ安価でフレキシブルな太陽電池
ペロブスカイト結晶を可視光吸収半導体に用いた光電変換素子が,高効率太陽電池を可能にします。自己組織化による化学的製膜法や低温での製膜が進み,多結晶膜が単結晶とほぼ同等の光物性をもつことがわかって,学際的にホットな領域となっています。

○衝突性能をアップしたSuperKEKB加速器が始動
2018年4月26日,高エネルギー加速器研究機構の加速器SuperKEKBと測定器Belle IIの運転が開始され,電子-陽電子の衝突が測定されました。前身のKEKB加速器と比較し,40倍のルミノシティーを誇るこの加速器は,新物理の証拠をとらえることができるでしょうか。

○マルチメッセンジャー観測でわかる重元素合成過程
中性子星合体からの重力波GW170817は対応天体が同定され,ガンマ線や可視光など幅広い波長で観測されました。合体した中性子星の質量だけでなく,中性子星内部の状態方程式への制限や元素合成過程などさまざまな情報が得られ,各分野に大きなインパクトを与えています。


【特集記事】
2018年の成果の総まとめ
特集:物理科学,この1年

・原子・分子物理,量子エレクトロニクス 洪 鋒雷 編
・物性物理 小野嘉之 編
・流体力学,プラズマ物理 伊藤公孝,伊藤早苗 編
・素粒子物理 橋本幸士 編
・原子核物理 岸本忠史 編
・宇宙・天体物理 花輪知幸 編
・地球惑星物理 深尾良夫 編
・生物物理 美宅成樹 編

【articles】
温室効果ガス削減の選択肢
次世代エネルギー技術の最前線 古山通久
表面原子構造からわかる摩擦ゼロの条件
超潤滑:摩擦の消失 J. M. マルタン,A. エルデミア 平野元久 訳

【news】
3体解離を新しい座標でとらえる J. L. ミラー 菱川明栄 訳

ニュースダイジェスト C. デイ,A. グラント,C. ミドルトン ほか
線虫の胚細胞の分裂 / もっとも重い元素の質量を量る / ニュートリノで地球の内部構造を探る / 天の川銀河の伴銀河が過去に衝突していた ほか

クローズアップ:
 半導体ナノ粒子の高効率光電変換とマルチエキシトン 金光義彦,田原弘量
 ブラックホールを可視化する D. サルティス,F. エジル 浅田圭一 訳

随想:
 ホーキングは永遠に 白水徹也
 物理学者レフ・シュブニコフの研究と短すぎる生涯(前編) 斯波弘行

講座:電磁気現象にみる古典と量子の交叉点
 第10回 ファインマンの経路和と量子の束縛 筒井 泉

【Information corner】
フォーラム
2月号予告
パリティ2018年総目次
パリティ2018年総目次〈分野別〉
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手 小沼通二
今月のキーワード
高位発熱量基準 / ダリッツプロット / 過渡吸収分光 / 秒角
1,540円
パリティ2018年12月号
Vol.33 No.12

<今月のパリティ>
○重力波があってこそ
この宇宙で元素はどのように誕生したのでしょう。ここ数十年で一新された重い元素の合成の理論に,重力波GW170817観測に付随して発見された天体が1つの確証を与えました。いま躍動する,重力波と電磁波による多粒子天文学の最先端を紹介します。

○物質の天体物理学的起源
鉄より重い元素ができるには,原子核が中性子を捕獲する過程が必要と考えられています。とくにβ崩壊が起こる前に捕獲する過程は長年なぞに包まれていました。この過程は,どこで,どのように起きているのでしょうか。最新の観測に迫ります。

○地球周辺探査の歴史
1957年に打ち上げられたソビエト連邦の人工衛星スプートニク2号,その約3か月後に打ち上げられた米国のエクスプローラー1号。これらの衛星によって,地球をとり囲む放射帯が発見されました。多難かつドラマチックであった,この発見に至る道のりを紹介します。

○融合する2つの異分野
社会現象の分析に物理学の手法を応用して,何かめざましい成果は得られるのでしょうか。計算社会科学やそれに関連する分野において,いくつかの成功が得られています。データ駆動型モデリングなどの具体的な例を用いて,社会学における物理学的手法について考えます。

【articles】
幕が上がる,新しい天文学
重力波でつくる重元素,重力波で探す重元素 久徳浩太郎
宇宙のロゼッタストーン
鉄より重い元素はいかに生まれたのか A. フレベル,T. C. ビアーズ 辻本拓司 訳
いま振り返る「宇宙時代」
地球放射線帯の発見 D. N. ベーカー,M. I. パナシュク 三好由純 訳
ヒトの集団の物理モデル
物理による社会学 F. シュヴァイツァー 大西立顕 訳

【news】
ノーベル物理学賞:アーサー・アシュキン博士の業績 岡本裕巳
ノーベル物理学賞:超短パルス高強度レーザーに画期的進展をもたらしたチャープパルス増幅 緑川克美
ノーベル化学賞:進化のプロセスを模したタンパク質機能のデザイン手法 梅野太輔
ノーベル医学・生理学賞:本庶佑博士とノーベル賞―新しいがん治療法開発への歩み 井村裕夫
ねじれ2層グラフェンで見つかった新しい超伝導 J. L. ミラー 神田晶申 訳

ニュースダイジェスト J. L. ミラー,R. バーコヴィッツ,C. サンソム ほか
銀ナノクラスターの自己集積ネットワーク / すすが形成されるしくみ / 診療現場用のタンパク質バイオセンサーをつくる / 風力発電の負の側面 ほか

クローズアップ:
 限界に迫る極微細高性能磁気トンネル接合素子 深見俊輔,大野英男

随想:
 道化師ファインマン M. ボルドウィン 花輪知幸 訳

コラム:私はこうして物理を選んでしまった
 好きなことをやっているうちに 遠藤 護

講座:電磁気現象にみる古典と量子の交叉点
 第9回 黒体輻射から遷移確率へ 筒井 泉


【information corner】
フォーラム
1月特大号予告
パリティ2018年総目次
パリティ2018年総目次〈分野別〉
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手 小沼通二
今月のキーワード
r過程 / キロノヴァ / 国際地球観測年 / コロナ質量放出
1,540円
パリティ2018年11月号
Vol.33 No.11

<今月のパリティ>
○さらなる統一に向けて
2つのアップクォーク,1つのダウンクォークの計3つのクォークからなる陽子。その電荷の大きさは,電子と同一です。これはすなわち,3つの粒子の電荷の総和が,まったく異なる別の粒子の電荷と同じ大きさであることを意味します。この一致には何か理由があるのでしょうか。1974年に発見された大統一理論は,電磁気力,強い力,弱い力を統一します。そして物質をも統一し,この電荷の大きさの一致についても説明を与えます。大統一理論の「いま」を,標準模型から出発し,難しい数学を用いずに解説します。

○基礎物理から応用へ
量子凝縮や超流動などの奇妙な物理現象を日常生活に利用することが,光と物質の準粒子,ポラリトンにより可能になるかもしれません。光のボース-アインシュタイン凝縮は,どのように実現され,そしてどのように利用できるのでしょうか。

○月にも水がある
いまの地球は,惑星進化による必然の産物か,それともたんなる偶然の産物なのでしょうか。この問いに答えるために月は鍵となる存在です。地球にもっとも近い天体についてわれわれが知っていると思っていたことが,最近の発見によりゆらいでいます。


【articles】
解明待たれる素粒子のなぞ
大統一理論のいま 前川展祐
ボース-アインシュタイン凝縮する光
ポラリトン凝縮の新しい時代 D. W. スノーク,J. キーリング 岩野 薫 訳
もっとも身近な天体の正体
新しい月 B. デネヴィ 大竹真紀子 訳

【news】
アト秒計測で電子ボルトの分解能を達成 J. L. ミラー 緑川克美 訳
レーザー冷却のみでつくるボース-アインシュタイン凝縮体 A. G. スマート 井上 慎 訳

ニュースダイジェスト J. L. ミラー,R. J. フィッツジェラルド,A. ロパカ ほか
回転するライデンフロスト現象の液滴 / クモの巣の剛性勾配 / 水素を発生させる新しいナノ構造 / 早い時期に始まった惑星の入れ換え ほか

クローズアップ:
 中性子は私たちとは異なる重力を感じるか? 北口雅暁
 振動発電機能をもつクラッド鋼板 成田史生

随想:
 東京理科大学での学部横断研究 福山秀敏
 プレプリント礼賛 C. デイ 花輪知幸 訳

講座:電磁気現象にみる古典と量子の交叉点
 第8回 アインシュタインの登場 筒井 泉

コラム:パリティのココロ
 ケンブリッジ大学の論文誌の読者制限 大槻義彦


【information corner】
フォーラム
12月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手 小沼通二
今月のキーワード
統一スケール / E6群
1,540円
パリティ2018年10月号
Vol.33 No.10

特集:光格子時計の新展開

<今月のパリティ>
○いま最強の時計
現行の「秒」の定義を実現するセシウム原子時計。その精度は16桁であるのに対し,光格子時計は18桁を達成しています。この超高精度はどのようにして実現されたのでしょう。重力ポテンシャルのわずかな変動をも感知する光格子時計技術の最先端を紹介します。

○ナノテクからエネルギー科学へ
従来の太陽電池では狭い波長帯の光しか利用されていません。液体中に分散させた金属ナノ粒子を用いて,捨てていた波長帯の光をエネルギーに変えることに成功しました。ナノテクノロジーから誕生した新エネルギー技術に迫ります。

○つながりのダイナミクス
工学材料や細胞内の媒体がつくるネットワーク,さらには金融や交通機関,電力系統などのネットワークにおいて,「連鎖」が重要になります。この連鎖も物理学のようにモデル化して理解できるのでしょうか。最近の成果とそこに潜む問題点を解説します。

○稲妻からやってくる
雷や雷雲が30メガ電子ボルトにも達するガンマ線を生み出すことは近年広く知られています。この現象はどのような機構で発生するのでしょう。2017年2月6日の柏崎刈羽原子力発電所近くの海岸での落雷時の観測結果が,この問いに迫る大きな一歩を与えました。


【特集記事】
特集:光格子時計の新展開
巻頭言:光方式の原子時計の優位性 洪 鋒雷
実用デバイスへと進化する光格子時計 香取秀俊
光周波数比の精密計測と物理定数の恒常性 髙本将男
異種原子によるデュアル光格子時計 赤松大輔
光格子時計で決める正確な時刻 井戸哲也
新しい秒の定義へのロードマップ 洪 鋒雷

【articles】
新たなるソーラー技術
ナノ流体による高効率太陽エネルギー変換 N. E. イァレド,R. A. テイラー 石井 智 訳
物理のようにモデル化する
ネットワーク連鎖の解きほぐしと制御 A. E. モター,Y. ヤン 林 幸雄 訳

【news】
星震学が明かす白色矮星の構造 A. G. スマート 柴橋博資 訳
高原の移動で変わる気候 R. バーコヴィッツ 鬼頭昭雄 訳

ニュースダイジェスト A. グラント,A. ロパカ,R. J. フィッツジェラルド ほか
ガンマ線による太陽探査の不可解な結果 / 複合プラズマの密度波 / 幾何学的位相を実験室で観察する / 南極は新しい種の流入を拒んでいるのか ほか

クローズアップ:
 雷が起こす核反応 榎戸輝揚,中澤知洋
 化学反応における量子干渉 F. J. アオイス,R. N. ゼア 大村英樹 訳

随想:
 日本が国際リニアコライダー(ILC)の誘致を検討 T. フェダー 駒宮幸男 訳

講座:電磁気現象にみる古典と量子の交叉点
 第7回 世紀末の物理:量子論の夜明け 筒井 泉

コラム:パリティのココロ
 自然再生可能エネルギーへの冷遇 大槻義彦


【information corner】
フォーラム
11月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手 小沼通二
今月のキーワード
1次周波数標準,2次周波数標準 / フリッカーフロアー / 重力波モード
1,540円
パリティ2018年09月号
Vol.33 No.09


<今月のパリティ>
○激しくぶつけることなしに
加速器のなかで原子核どうしが間一髪で衝突を免れたとき,「強い相互作用」ではなく,「電磁相互作用」が顕著になります。ハドロンどうしが超高速ですれ違うこのような事象の実験データは近年,劇的に増加しています。ここに新しい物理の兆候が潜んでいるかもしれません。

○何もないのではなく,何かあるのはなぜか
「なぜ宇宙に物質が存在するのか」。あまりに素朴で,あまりに壮大なこの問いに,現代の科学は立ち向かうことができるのでしょうか。素粒子物理学は,議論の枠組みを提供し,そしてさらに,少なくとも部分的には,答えを与えてしまうのです。

○ゴキブリを真似できない
動物の運動が発現するしくみを理解することはとても難しく,これが人工物で動物を模倣するのを困難にする主要因です。生理学的な系と環境との相互作用から運動が生じる機構を探究するニューロメカニクス。ここから創発される物理学に迫ります。

○最高のクロワッサンを求めて
生地に練り込まれている油脂のレオロジー特性や分子構造を調べることにより,クロワッサンがサクサクになる秘密が明らかにされます。おいしいクロワッサンに使われているバターは,普通の油にはみられない複雑な階層構造をもっているのです。


【articles】
これからの加速器実験
すれすれの原子核衝突 S. クライン,J. ニストラント 秋葉康之 訳
自然の根源に迫る
素粒子の隠れた世界 D. カーティン,R. サンドラム 大河内豊 訳
ニューロメカニクスの物理的視点
動物運動を解き明かす創発的物理 S. スポンバーグ 石渡信一 訳

【news】
過冷却された水における液相間の相転移 J. L. ミラー 金 鋼 訳

ニュースダイジェスト S. K. ブラウ,R. バーコビッチ,J. L. ミラー ほか
アイスキューブが銀河外ニュートリノ源を特定 / 砂のメガリップルはどうやってできる? / 磁石で鏡像分子をより分ける / ナノ構造流体による絵画の修復 ほか

クローズアップ:
 デジタルホログラフィーの大飛躍:エアロゾル計測への応用 M. J. バーグ,Y. W. ハインソン,O. ケンピネン 近藤 豊,茂木信宏 訳
 完璧なクロワッサンをつくり出す油脂 B. M. ロドリゲス,A. G.マランゴニ 瀬戸秀紀 訳

随想:
 気候変動が北極域で加速 D.クラマー 渡邉英嗣 訳

連載:地震のメカニズム解明―本当に地震予知はナンセンス?
 破局的な力学現象の予知可能性 山口哲生

理科教育:
 紙風船はなぜ膨らむのか 山崎 巌,佐藤由美

講座:電磁気現象にみる古典と量子の交叉点
 第6回 電子の登場:「場」と「粒子」の共存 筒井 泉

コラム:私はこうして物理を選んでしまった
 幼い好奇心,ほとばしれば岩戸は開く 岩國加奈

コラム:パリティのココロ
 「われらが科学文明」余聞 大槻義彦


【information corner】
フォーラム
10月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手 小沼通二
今月のキーワード
崩壊点 / ルミノシティー / 大振幅振動せん断 / トランス脂肪酸 / X線小角散乱
1,540円
パリティ2018年08月号
Vol.33 No.08

特集:ディープラーニングから物理へ

<今月のパリティ>
○情報と物理,次の時代へ
深層学習(ディープラーニング)の研究は,実用においても大きく花開き,その勢いは増すばかりです。物理学と深層学習はさまざまな面で共通要素が認められ,2つが相互作用して互いを高め合うことが期待されます。この融合により生まれる新たな研究の進展を紹介します。

○単一光子を手なずける
自然放出は発光体そのものの性質であるため,人工的な制御は不可能だと長年考えられていました。しかし,これはある種のマイクロ共振器をつくることで可能になります。それはどのような物理的機構によって,そして実際にはどのように達成されるのでしょう。

○もう1人のリフシッツ
もっとも有名な物理の教科書の1つ,ランダウ-リフシッツの理論物理学教程。その著者の1人エフゲニー・リフシッツの弟がイリヤ・リフシッツです。フェルミオロジー,無秩序系,生物物理学などにめざましい影響を及ぼした彼の人物像と業績に迫ります。

○地球物理とりんごの非破壊調査
ちょうど地球のように,中心にコアがあり,外側は薄い皮で覆われ,それらのあいだにはマントルに相当する果肉が存在するりんご。地球の内部を地震波の観測から間接的に推測するように,りんごの新鮮さを保ちつつ調査する新手法「りんご地震学」が開発されました。



【特集記事】
特集:ディープラーニングから物理へ
巻頭言:新しい研究分野の熱気 橋本幸士
機械学習・深層学習と物性物理 大槻東巳
たたみ込みニューラルネットによる相転移の検出 田中章詞
天文学におけるデータ科学的方法 池田思朗
非線形力学系のデータ駆動モデリング 河原吉伸
深層統計神経力学 甘利俊一


【articles】
マイクロ共振器で光子を操る 高島秀聡,竹内繁樹
イリヤ・リフシッツをたたえて A. Y. グロスバーグ,B. ハルペリン,J. シングルトン 矢崎裕二 訳

【news】
新構造量子トンネル型電界効果トランジスター 高木信一

ニュースダイジェスト A. グラント,C. サンソン,C. デイ ほか
第4のニュートリノか,それとも系統誤差か? / 有機電子工学で触覚を模倣する / 若い音楽家の鋭い聴覚 / 物理学者とその業績の新しい格づけ ほか

クローズアップ:
 レオナルド・ダ・ヴィンチと鳥のソアリング P. L. リチャードソン 杉本 剛 訳
 りんご地震学 K. ファン・ウィジク,S. ヒッチマン 川村太一 訳

随想:
 スポーツの世界記録における男女比は一定? I. S. ハマーマン 布袋屋浩 訳

講座:電磁気現象にみる古典と量子の交叉点
 第5回 ベクトルポテンシャルは物理的に実在するか? 筒井 泉

コラム:私はこうして物理を選んでしまった
 選んだ後で気づくこと 高野哲至

コラム:パリティのココロ
 ポスドク賛歌 大槻義彦


【information corner】
フォーラム
9月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手 小沼通二
今月のキーワード
強化学習 / たたみ込みニューラルネット / 統計神経力学 / ダイナミックソアリング
1,540円
パリティ2018年07月号
Vol.33 No.07


<今月のパリティ>
○顕微鏡の進化がもたらすもの
レンズフリーの撮像デバイスは,費用対効果が高く,コンパクトで,広い範囲を撮ることができるため,野外調査やいろいろな国での保健医療での活躍が期待されています。機能に重大な制約を与えるレンズから解放された顕微鏡の物理と未来に迫ります。

○太陽物理学のいま
太陽コロナの温度は光球の約200倍です。光球に接しているのに,なぜこれほど高温なのでしょう。一方,コロナのなかのプロミネンスはコロナに比べて低温です。これはなぜでしょう。解決の道筋がみえ始めたこの未解決問題に対する研究の進展を紹介します。

○知覚をどこまで再現できるのか
耳に入力された音の信号は内耳毛細胞によって電気信号に変換され脳に伝わり,ヒトは音を認識します。人工内耳とは,この信号の変換を人工的に行う電子機器です。人工内耳を物理学の観点から考え,失われた感覚を復活させる医療機器を考えます。

○発展する分子の物理
孤立した環境にある分子でも,オルト-パラ状態間の光学遷移が可能であることが初めて実証されました。物理的に存在しないと考えられていたこの遷移はどのように実現されたのでしょう。その発現のメカニズムを理論と実験の双方から探究します。


【articles】
レンズのない顕微鏡  E. マクラウド,A. オズカン 西野吉則 訳
どうして太陽コロナは熱いのか? どうしてプロミネンスは冷たいのか?  J. B. ズィカー,O. エンボル 松本琢磨 訳
人工内耳と電気聴覚 M. スヴィルスキー 古川茂人 訳


【news】
船舶が引き起こす嵐の海 S. チャン 戸野倉賢一 訳


ニュースダイジェスト R. M. ウィルソン,R. J. フィッツジェラルド ほか
サンゴ礁の音風景はすみやすさの尺度 / 粒状の音響ダイオード / 細胞のありのままをとらえた動画 / 電子と原子核の結合をアト秒のスケールでみる
 ほか

クローズアップ:
 「京」で見つけたペロブスカイト太陽電池新素材候補 中嶋隆人
 分子のオルト-パラ対称性破れの検出 金森英人
 生後3か月の幼児にもできる音程認識 B. K. ラウ,M. ング 小野嘉之 訳


連載:地震のメカニズム解明―本当に地震予知はナンセンス?
   地震科学の限界と大震法の終焉 橋本 学


講座:電磁気現象にみる古典と量子の交叉点
   第4回 場の実在性と2人の奇人  筒井 泉

コラム:私はこうして物理を選んでしまった
    視野に入ったものを追いかけて 沙川貴大

コラム:パリティのココロ
    奇妙な統計,「論文掲載率」とは何か? 大槻義彦


【information corner】
フォーラム
8月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手 小沼通二
今月のキーワード
ナイキスト-シャノンの標本化定理 / ウェーブレット変換 / リコネクション / マグネトグラフ / キラリティー / ペロブスカイト型の結晶構造
1,540円
パリティ2018年06月号
Vol.33 No.06


<今月のパリティ>
○時空に最小単位はあるのか
場の量子論では紫外発散の困難を解消するくり込み理論ですが,重力の量子論では破綻をきたします。究極には時空の短距離構造に関する不確定性から生じると考えられるこの問題は,弦理論で解決できるのでしょうか。歴史的発展を振り返りながらその可能性に迫ります。

○エレクトロニクスを超えて
電子の電荷だけでなくスピンも活用すれば,新奇な機能を備えたデバイスも実現可能です。そのような可能性のなかから,スピンと半導体の機能を融合させた技術である半導体スピントロニクスの最前線を紹介します。

○悪性化する前に見つける
航空機の位置をとらえる技術として有名なレーダーが,がん早期発見にも応用されています。この10年間で大きく進歩した光音響イメージング技術から,現在の画像診断技術の欠点の多くを克服する新手法が登場しました。

○大陸横断量子通信
中国の量子通信衛星「墨子」は,量子的にもつれあいながら互いに1200 kmも離れて光子対をつくり出すことに成功しました。これは地上実験で達成されていた距離をはるかにしのぎます。この偉業はどのように成し遂げられ,そして何をもたらすのでしょう。


【articles】
時空の不確定性と弦理論:紫外問題は解決したか  米谷民明
強磁性半導体とスピントロニクス  田中雅明
がんを画像化する光音響レーダー  A. マンデリス 西條芳文 訳


【news】
新しい高みに到達した量子もつれ  A. G. スマート 武岡正裕 訳
例外点を利用した,例外的な高感度センサー  J. L. ミラー 神吉一樹 訳
流体渦の隠されたトポロジーの測定法 A. G. スマート 髙岡正憲訳


ニュースダイジェスト  R. ベルコヴィッツ,C. デイ,R. J. フィッツジェラルド  ほか
海底火山の噴火のしくみ / 超大質量ブラックホールからの2つの準周期的振動 / 心細動における渦糸の画像をとらえる / 驚くほど暗黒物質の少ない銀河 ほか

クローズアップ:
 漕艇ロボット,ロウボット  J.-P. ブーシェ,R. ラッベ,C. クラネ 勝井辰博 訳


連載:地震のメカニズム解明―本当に地震予知はナンセンス?
   間欠的な固着のはがれと大地震の発生 加藤愛太郎


講座:電磁気現象にみる古典と量子の交叉点
   第3回 マクスウェルの貢献  筒井 泉

コラム:私はこうして物理を選んでしまった
    選んだ理由はなかったがやめる理由はもっとない  大久保 章

コラム:パリティのココロ
    デジタル教科書を閣議決定,の困惑 大槻義彦


【information corner】
フォーラム
7月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手 小沼通二
今月のキーワード
不確定性関係 / プランク距離 / スピノーダル分解
1,540円
パリティ2018年05月号
Vol.33 No.05


<今月のパリティ>
○光で模倣する固体物理
対向するレーザー光を干渉させて周期的な構造を形成させると,そこに原子を閉じ込めることができます。閉じ込められた原子と通常の固体中の電子の類似性は,現在の計算機では解くことが困難な大規模な量子系の問題に,解決の光を当てるかもしれません。

○カオスでひも解くブラックホール
ブラックホールの無秩序さの度合いを定量的に見積もることに成功しました。その値はすべての場の理論のある種の上限になると考えられます。ブラックホールを初歩から解説し,そして,量子重力の理解を劇的に進める可能性を秘めた新しい研究を紹介します。

○スピンで記録する
1879年のホール効果の発見から125年後,電子のもつスピンに起因した類似の現象,スピンホール効果が発見されました。これまでたんに学術的な興味の対象でしかなかったこの現象は昨今,超低消費電力で駆動する磁気メモリーへの応用へと展開しています。

○時間に向きがあるのはなぜか
ニュートン方程式やシュレーディンガー方程式が支配する世界は時間反転対称で過去と未来に区別がありません。にもかかわらず,マクロな世界では熱力学第2法則が成り立ち,時間には向きがあります。これはなぜか。量子力学から直接説明することに挑んだ結果に迫ります。


【articles】
光格子を用いた量子シミュレーション  福原 武
量子カオスの上限はブラックホール  村田佳樹
スピンホール効果がもたらす驚き  J. シノバ,T. ユングワース 森山貴広 訳


【news】
量子力学による熱力学第2法則の導出  沙川貴大
サンゴの窒素同位体比が語る環境問題  J. L. ミラー 和田英太郎 訳

ニュースダイジェスト  A. グラント,R. M. ウィルソン,C. デイ ほか
深部まで根を張る木星の帯 / シリコンの量子ドットによる量子計算の大規模化の展望 / 漁獲と海流の関係 / 永久凍土に含まれる水銀 ほか

クローズアップ:
 リュードベリ原子を用いた量子シミュレーション  中川賢一,田村 光
 太陽の大フレア発生,地球はどうなると大慌て  柴田一成

連載:地震のメカニズム解明―本当に地震予知はナンセンス?
   新世紀地震フロンティア研究:地上-衛星連携による地震先行現象の確立  児玉哲哉

理科教育:
 お題「エントロピーとは?」:理学の饗宴『しゅんぽじおん』第4回  橋本幸士

講座:電磁気現象にみる古典と量子の交叉点
   第2回 ファラデーからマクスウェルへの道  筒井 泉

コラム:私はこうして物理を選んでしまった
    つつじ色  石井順久

コラム:パリティのココロ
    これからはミンシュシュギとカガク 大槻義彦


【information corner】
フォーラム
6月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手 小沼通二
今月のキーワード
イマージョンレンズ / リャプノフ指数 / ラビ振動
1,540円
パリティ2018年04月号
Vol.33 No.04

特集:土星探査機カッシーニ

<今月のパリティ>
○土星を訪ねて
土星探査機カッシーニは2017年9月15日に土星の大気圏へ突入し燃え尽きました。1997年に打ち上げられ,2004年に土星軌道に入り,それから約13年2か月,土星の環わや衛星などのデータを地球に送り続けたカッシーニ。その成果をまとめます。

○究極のマグネットシート
「長距離磁気秩序は2次元物質でも存在するか」。未解決であったこの基礎的な問題に,2017年,いくつかの驚きをもたらしながら,「存在する」という答えが与えられました。理論と実験の両面で探究され続けている2次元磁性体の現状を追います.

○クォークを絞り出す
最近の加速器実験により,クォーク-グルーオンプラズマのつくり方が見直されつつあります。その論拠にまた1つ,ストレンジ粒子の生成増加現象が加わりました。クォーク-グルーオンプラズマ生成実験の最先端に迫ります。

○複雑な時空間ダイナミクス
円を描きながら広がっていくらせん波。これが心臓の電気信号に発生すると死を招くことがあります。人の集団に少数の単純な指示を与えることでこの現象を模倣することに成功しました。正方形に整列した数百人の人々の挙手の運動から,らせん波の本質を追究します。



【特集記事】
特集:土星探査機カッシーニ
巻頭言:カッシーニによる20年間の旅とその発見 大槻圭史
土星の内部・大気・磁気圏の成果 笠羽康正
タイタンとエンケラドス:宇宙における海と生命 関根康人
カッシーニが明らかにした土星中小衛星の姿 平田直之
土星の環は何を語るか 大槻圭史

【news】
冷却量子気体と長距離反強磁性秩序の発現 J. L. ミラー 髙須洋介 訳
陽子-陽子衝突実験で予想外の驚き S. チャン 志垣賢太 訳
2次元物質に見つけられた強磁性の驚くべき発見 J. L. ミラー 岡部 豊 訳

ニュースダイジェスト R. M. ウィルソン,A. G. スマート,R. J. フィッツジェラルド ほか
オガネソンは希ガスのなかでも変わり者 / 白色矮星中心部の驚きの化学組成 / 原子によるねじれた光の吸収 / 過冷却の水が超臨界に ほか

【クローズアップ】
精密ナノ配列制御による量子ドット発光の可逆的制御 蟹江澄志
人間らせん波 A. J. ウェルシュ,E. F. グレコ,F. H. フェントン 湯川哲之 訳

講座:電磁気現象にみる古典と量子の交叉点
第1回 ファラデーの着想:力線の登場 筒井 泉

連載:地震のメカニズム解明―本当に地震予知はナンセンス?
   断層強度の低下がひき起こす地震発生 長谷川 昭

コラム:私はこうして物理を選んでしまった
    ふと気がついたら物理にいた 宮地悟代

コラム:パリティのココロ
    地震予知と因果律 大槻義彦

【information corner】
フォーラム
5月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手 小沼通二
今月のキーワード
土星とその内部・大気・磁気圏 / 両親媒性 / バイオマーカー / ロッシュ半径 / 秤動運動 / アミド結合
1,540円
パリティ2018年03月号
Vol.33 No.03


<今月のパリティ>

○超弦理論の未来へ向けて
「量子重力をどのように理解するか」,「ゲージ対称性の役割とは何か」。これら2つのテーマを中心に,最近発展した研究を材料にして多様な視点から素粒子論の根幹に迫ります。量子重力の本質的な理解にわれわれはどのくらい近づいているのでしょうか。

○わがままな量子
量子計算では原子を特定の状態に準備し,演算のために相互作用を制御して,結果を読み出すために測定します。この過程において系は環境から孤立していなければなりません。この要求に適していると考えられる中性原子を用いた技術開発の最先端を追います。

○グラフェン製造化学のいま
グラフェンの基礎研究が成熟しつつある今日,工業製品への活用をめざした研究が盛んに行われています。工業利用のためには良質なグラフェンの大量供給が必須ですが,それはどのように達成されるのでしょう。黒鉛を剥離してグラフェン化する製造法を紹介します。

○複雑な現象をひもとく鍵
1931年,ラルス・オンサーガーは,非平衡系の時間発展法則を変分原理のかたちで書き下しました。拡散方程式,ストークス方程式など多くの非平衡系の方程式はここから導出できます。オンサーガーの変分原理とは何なのか,そしてどのように使われるのでしょうか。


【articles】
超弦理論と素粒子の原理  風間洋一
中性原子の個別操作による量子計算  D. S. ワイス,M. シャフマン 上田正仁 訳
黒鉛からグラフェン類を大量に製造する方法  仁科勇太
オンサーガーの変分原理と物理学  土井正男

【news】
ついにとらえた中性子星合体  田中雅臣
光明が当たった陽子構造  S. K. ブラウ 秋葉康之 訳

ニュースダイジェスト  S. K. ブラウ,A. グラント,R. M. ウィルソン ほか
理想気体よりも希薄な液体 / オンライン天文学データベースの刷新 / 光ファイバーケーブルで地震を検知 / 南極東部の過去と未来 ほか

クローズアップ:
超新星,スーパーコンピューター,そして銀河の進化  P. F. ホプキンズ 斎藤貴之 訳
惑星間に浮かぶ砂のバンカー  T. シンブロート 並木敦子 訳

連載:地震のメカニズム解明―本当に地震予知はナンセンス?
   日本の活断層研究は疑似科学ではないのか?  武田 靖
コラム:メイドインジャパン物理用語 素粒子・原子核編
    ニールセン-二宮の定理  深谷英則
コラム:パリティのココロ
    AI時代の“大失業の恐怖”とは?  大槻義彦


【information corner】
フォーラム
4月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手 小沼通二
今月のキーワード
ゲージ対称性 / ゲージ理論 / 電位窓 / ダブラー

商品情報・内容

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独占提携の米国物理学協会誌”Physics Today”からの翻訳と, 第一線の研究者によるオリジナルの書き下ろし記事で,物理学の いまをわかりやすく伝えます。最先端を読み解くニュース記事, 授業とは一味違う連載講座や辛口エッセイなど,読みどころ満載 の『物理科学雑誌』です。

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