パリティ 発売日・バックナンバー

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1,540円
パリティ2011年11月号目次
vol.26 No.11

【articles】
・探査機が水星で目撃する,驚くべき事実
新展開を迎える水星の科学 S. C. ソロモン 藤本正樹 訳
・透明マントも実現する!?
メタマテリアルを用いて光の空間を曲げる M. ウェゲナー,S. リンデン 北野正雄 訳
・結び目理論が,新たな実を結ぶ
ひねりの効いた量子計算 S. サイモン 佐藤昌利 訳

【特別企画:東北地方太平洋沖地震】
・私たちはどこまで理解していたのだろう
地震波形から見た震源像 八木勇治
・本当に想定できなかったのか?
津波のメカニズム 高橋智幸

【news】
光による固体冷却の新記録 J. ミラー 植田憲一 訳

ニュースダイジェスト C. デイ,R. M. ウィルソン,J. ミラー ほか
小惑星の塵の成分は隕石と同じだった! / ナノスケールの電気化学 / 地球をとり巻く反陽子の帯 / 金属のような微生物ナノ細線 ほか


クローズアップ:
・強磁性絶縁体を利用した超伝導スピントロニクス 川畑史郎
・自由形状鏡によるオーダーメイドの反射 R. A. ヒックス 北野正雄 訳

連載:温暖化問題,討論のすすめ
地球温暖化に関する科学的知見と展望 近藤洋輝

講座:ベクトルでつづる物理学 第8回
異次元の世界 青野 修

コラム:メイドインジャパン物理用語 物性編
朝倉‐大沢理論 宮崎州正

コラム:物理っておもしろい?
物理って役に立つ:炉心熔融と海底蓄電池 山崎泰規

コラム:パリティのココロ
女性枠は男性差別か? 大槻義彦


フォーラム
12月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手
今月のキーワード
磁気圏 / LC共振回路 / 負屈折率媒質 / トポロジカル場の理論 / クーパー対 / 光線追跡


〈今月のパリティ〉
○水星とその周辺環境の全体像が明らかに
地球や金星,火星と兄弟なのに,変わった側面をもつ水星。表面温度は日照時と日陰時とでは600度も違い,高緯度地域のクレーターの底には,水が固体の状態で存在しているとみられます。NASAの水星探査機メッセンジャーによって,どのような素顔が明らかになるのでしょうか?

○光を思いのままにあやつる,魔法のような技術
光が進む様子は2足歩行にたとえられ,電気の足と磁気の足のどちらとも垂直な方向に波が伝わっていきます。両方の足を独立に操り,物質中を進む光を完全に制御しようという研究は,たとえば光学的な空間をゆがめるという,不可能を可能にする知的冒険の魅力にあふれています。

○注目を集める,結び目理論と量子系の驚くべき関係
エーテル中のひものさまざまな結び目が,それぞれ別種の原子に対応しているのでは?――19世紀の科学者たちの発想は結び目理論の発展をうながし,形を変えて実を結ぼうとしています。時空のなかに特定の結び目を生じさせ,量子コンピューターをつくり出せるかもしれないのです。

○巨大地震の予測の限界を知り,明日に備えよう
理論と観測技術の進歩で,巨大地震の性質の理解は深まりつつあります。しかし,断層破壊は非線形現象であり,物理モデルによって将来発生する巨大地震の規模や時期を正確に予測するのは困難です。そのような現状をふまえ,どのような防災・減災を実現すればよいのでしょうか。
1,540円
パリティ2011年10月号
vol.26.No.10

【特集:超伝導100年】

巻頭言:超伝導発見100年を迎えて 小野嘉之

・その日まで誰も見たことのなかった,非日常的な現象
超伝導100年 小林俊一
・発見25周年を迎えた銅酸化物の高温超伝導
銅酸化物高温超伝導体の過去・現在・未来 田島節子
・圧力技術で実現する,くめども尽きない新しい物理
重い電子系の超伝導 大貫惇睦
・学界に新風を吹き込んだ,1980年代前半の主役
有機超伝導体の役割 梶田晃示
・追いつめていった末の,“偶然”の発見
はしご格子系超伝導とMgB2超伝導――超伝導探索の“自分史”をふり返って 秋光 純
・わずか3年でめざましい進展を遂げた新分野
鉄系超伝導 細野秀雄
・21世紀の地球と人類を,超伝導技術が救う
究極のスマートグリッド――超伝導地球環状電力ライン 北澤宏一


【news】
・室温動作の光源が生み出す大出力テラヘルツビーム A. G. スマート 谷 正彦 訳

ニュースダイジェスト C. デイ,R. M. ウィルソン,J. ミラー ほか
授粉のための理にかなった戦略 / スピン波と超伝導体 / 古典的振動子が量子力学的な基底状態に / 小惑星と地球のカオス的な軌道 ほか

連載:生物物理の最前線
タンパク質ダイナミクスの実時間観測 水谷泰久

講座:ベクトルでつづる物理学 第7回
どこへ続くかベクトル畑 青野 修

コラム:メイドインジャパン物理用語 素粒子・原子核編
小林‐益川行列 山脇幸一

コラム:物理っておもしろい?
「数学好きなら物理やれ」 松下栄子

コラム:パリティのココロ
AKB総選挙 大槻義彦


フォーラム
11月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手
今月のキーワード
反強4極子秩序 / ヘテロダイン検出 / 量子カスケードレーザー / アロステリー / 低障壁水素結合 / 野生型/変異体


〈今月のパリティ〉
○その奇妙な現象の発見は偶然? それとも……
100年前,カマリング・オネスたちがヘリウムで冷やした水銀の電気抵抗を測ったところ,その値はなんとゼロ。何度測定をくり返しても結果は同じでした。ところが,バルブを操作していた生徒が居眠りをして温度が上がると,水銀の抵抗は,突然「生き返った」のでした。

○この四半世紀で,銅酸化物超伝導の何が解明できたのか
銅酸化物超伝導体が発見された1986年以降,それまでの長い沈黙を破るかのように,さまざまな高温超伝導体が次々に発見されてきました。それでも,超伝導転移温度が100 Kを超える唯一の物質群として,また背景の物理の難しさでも,銅酸化物の地位は“別格”なのです。

○有機と無機,扱う物質は違っても,めざすところは同じ
有機電荷移動錯体で超伝導になる物質が見つかったのは,1980年のことでした。転移温度は急速に上昇し,遠からず室温超伝導が実現すると期待されたのですが……。主役の座こそ酸化物高温超伝導体に譲りましたが,室温超伝導体の創成と理論の構築という目標は変わりません。

○最悪の相性かと思ったら……
かつて,磁性と超伝導は競合関係にあり,磁性元素の鉄は超伝導の発現には最悪だと信じられていました。ところが2006年,鉄ニクタイドが臨界温度4 Kの超伝導を示すことが発見されたのをきっかけに,鉄系の超伝導研究が,世界中で一気に立ち上がったのです。
1,540円
パリティ2011年9月号
Vol.26 No.09

【特集:DNAの物理】

巻頭言:多面性をもった高分子,DNAのフロンティアを探る 安田賢二

・DNA構造体の研究は,アートの域に到達した
ナノ構造物としてのDNA 雨宮陽介,嶋本伸雄
・酵素を使わずに,遺伝子を操作するには
光で操るDNA 藤本健造
・細胞の運命を人が改変することはできるのか
DNAに秘められた生命戦略 窪崎敦隆,林崎良英
・化学反応の触媒となる生体内物質は,タンパク質だけではなかった
DNAはタンパク質を超えるか? 大津 敬
・生物学の道具を,新しい発想で生物学のために役立てる
DNAコンピューティングの新展開 陶山 明

【news】
・光子のボース‐アインシュタイン凝縮 M. ウィルソン 久我隆弘 訳
・中性子星質量の最高記録 B. シュワルツシルト 茂山俊和 訳

ニュースダイジェスト C. デイ,R. M. ウィルソン,A.G. スマート ほか
ヒューストンの構造が風による浄化の妨げに / 超流体をかき混ぜる / 生体細胞内で蛍光を発するダイヤモンド / 磁壁を高速で移動させるには ほか

クローズアップ:
・加速器の電磁ノイズ問題と新しい回路理論 土岐 博,佐藤健次
・密集した粒子集団の物理:砂浜の砂から日焼け止めクリームまで J. ブルジッチ 谷口圭輔 訳

理科教育:
・当世,理科好き生徒気質:日本学生科学賞の50年 山下芳樹

講座:ベクトルでつづる物理学 第6回
ベクトル畑 青野 修

コラム:メイドインジャパン物理用語 素粒子・原子核編
南部括弧 松尾 泰

コラム:物理っておもしろい?
変化する物理への興味 鈴村順三

コラム:パリティのココロ
それでも知の力が残った 大槻義彦


フォーラム
10月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手
今月のキーワード
セントラルドグマ / オペロン説 / セレックス法 / ハイブリダイゼーション / アゴニスト / 光共振器 / 中性子星の最大質量 / シャピロ遅延効果


〈今月のパリティ〉
○生物の機能は,生体分子の静的・動的構造で決まる
生物学がさまざまな生物機能の機構研究に切り替わった1980年以後は,生化学と構造生物学が重要度を増してきました。かつては「構造が決まると酵素学は終わり」と陰口をたたかれることもあった構造生物学は,いまやメカニズムの研究を始める問題提起の手段となっています。

○生命の設計情報を記録するDNAに秘められた戦略
私たちを形づくる数百種類,数十兆個の細胞はすべて,共通する1種類の設計図をもっています。膨大な情報から必要なときに必要な情報を見つけるだけでもたいへんで,効率が悪いように思われますが,生命はこの方法で設計図に柔軟性と厳密性をもたせているのです。

○DNAやRNAは,タンパク質のような機能をもつのか
タンパク質の機能は,生体を構成する構造体,物質輸送,情報伝達,メンテナンス,物質代謝反応の触媒と多岐にわたります。遺伝情報の実体であるDNAも,タンパク質のように複雑な高次構造を保持できるなら,タンパク質と同じような機能を発揮できるかもしれません。

○超並列計算との離別と再出発
DNAコンピューティングは超並列計算を可能にする計算技術として誕生したのですが,電子コンピューターを凌駕する超並列計算は実現できませんでした。この挫折をばねに研究者たちが新たに見つけた方向は,ナノテクノロジーやバイオテクノロジーの分野での利用だったのです。
1,540円
パリティ2011年8月号
vol.26.No.08

【articles】
・地球の未来を見つめる一団の衛星たち
A列車で行こう,地球大気の旅に T. S.レキュイア,J.H.ジァン 余田成男 訳
・科学技術センターのビジネスモデルはいま,変わりつつある
科学博物館の進化 A.J.フリードマン 大高一雄 訳
・弦理論における,理論と実験との関係とは
弦理論と現実世界 G.ケイン 小林達夫 訳
・原理的な禁忌関係は,どのようにして回避されたのか
マルチフェロイックの歴史と展望 N.A.スポルディン,S.-W.チョン,R.ラメシュ 鈴木孝至 訳

【news】
バクテリアがつくる1μmの電池 A.G.スマート 渡邉一哉 訳

ニュースダイジェスト J. ミラー,R. M. ウィルソン,A.G. スマート ほか
教科書のBECと実験室のBEC / 光ポンププローブで皮膚がんを診断できる?/ 重力探査衛星Bの50年にわたる探求への結論 / 微量気体を検出する新しいセンサー / ボールのようにはね返る原子の雲 ほか

クローズアップ:
・渦と高層ビル P.A.アーウィン 神部 勉 訳
・シャンプーとビールの泡立ちの違い D.J.ドリアン,S.R.ラガバン 高橋正好 訳

みんなの物理 素朴な疑問Q&A:
鉄はどうしてさびるの? 塙 隆夫

講座:ベクトルでつづる物理学 第5回
回転木馬に乗って 青野 修

コラム:メイドインジャパン物理用語 物性編
金森‐グッドイナフ則 長谷正司

コラム:物理っておもしろい?
物理は最高のゲーム 古澤 明

コラム:パリティのココロ
原爆被爆は運が悪い? 大槻義彦


フォーラム
9月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手
今月のキーワード
エアロゾルの間接効果 / 超対称パートナー / モジュライ / コンパクト化 / ドメイン / カルマン渦列 / 表面張力 / 電気2重層 / プラトーボーダー


〈今月のパリティ〉
○その車窓から見える地球は,どんな姿?
地球の気候システムを正確に理解するには,気体,液体,固体の3相の水と地表‐大気‐宇宙間の熱交換,エアロゾルや微量気体などの複雑な関係を定量的にとらえなくてはなりません。この困難な仕事に挑む科学者たちを,“A列車”とよばれる人工衛星の一団が支えています。

○科学博物館はいま,何をめざしているのか
独自のコレクションをもたず,双方向的な展示や大がかりな巡回展などで注目される今日の科学技術センター。かつて専門家のためのものだった科学博物館はいま,公教育に力を尽くしています。しかし,その教育目的をどう規定し,達成するかという模索はずっと続いているのです。

○「理論が検証できる」とはどういうことか?
一般向けの本やブログなどで,よく「弦理論は正しいかどうかを検証できない」と書かれているのを見かけますが,本当にそうなのでしょうか? 弦理論が定式化されている10次元や11次元の世界ではともかく,理論から導かれる4次元世界についての予測は,はっきり検証できるのです。

○かつての敵どうし,強誘電性と磁性が共存すると……
マルチフェロイックとは,強磁性と強誘電性を兼ね備えたような物質のことです。磁気電気結合により,磁場で電気分極を変調したり,電場で磁化を変調したりできるのですが,より小さくエネルギー効率の高い磁気技術用の素子の可能性など,その展望は興奮に満ちています。

1,540円
パリティ2011年7月号
vol.26.No.07

【articles】
・宇宙空間における高エネルギー電子加速の謎が明かされる
第一原理からみた磁力線再結合 F. S. モーザー,P. L. プリチェット 星野真弘 訳

・タンパク質中の,たった1個のアミノ酸変異がもたらす影響とは
量子生物学の展開 田中成典

・信頼度のさらに高いモデルをめざして
地球物理学における時間反転法 C. S. ラーマット,R. A. ガイヤー,P. A. ジョンソン 深尾良夫 訳

【news】
・量子気体を顕微鏡でみる B. G. レヴィ 高橋義朗 訳
・地球大気で発生する高エネルギーガンマ線 J. ミラー 牧島一夫 訳

ニュースダイジェスト C. デイ,J. ミラー,R. M. ウィルソン
光による高分子化合物の修繕 / 火星のドライアイス / 液滴と固体の間では何が起こっているのか / 北極圏の氷が回復するメカニズム ほか

クローズアップ:
・水上を歩く J. W. M. ブッシュ,D. L. フー 辻井 薫 訳
・美しいサッカーを演出するパワーとスピン J. E. ゴフ 瀬尾和哉 訳

みんなの物理 素朴な疑問Q&A:
夜空はなぜ暗いの? 一宮彪彦

講座:ベクトルでつづる物理学 第4回
迷っているのか遊んでいるのか 青野 修

コラム:物理っておもしろい?
「物理っておもしろい」だけでは済まされない 駒宮幸男

コラム:パリティのココロ
米国留学者の減少 大槻義彦


フォーラム
8月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手
今月のキーワード
マグネター / 磁力線凍結 / 第一原理計算 / hartree / システム生物学 / モット絶縁体 / 光モラセス / 毛管長 / チップ上の研究室 / 粘性流体 / ナビエ‐ストークス方程式


〈今月のパリティ〉

○切断され,再結合する磁力線
磁気再結合は太陽フレアをはじめ,活動銀河核やガンマ線バーストなど,宇宙のさまざまなスケールで見られる現象です。磁気再結合がどのように起こり,どのような影響を及ぼすのか,とくに荷電粒子をどのように加速するのかについて,電磁気学とプラズマ物理の第一原理から解説します。

○生物学における量子性の意義とは
生命現象を記述するのに本質的に量子力学が必要かどうかは,長年にわたって議論されてきました。近年,実験技術の進歩と電子状態の計算手法の発展により,生体分子系の量子力学的な記述の論点が明確になりつつあり,“量子生物学”があらためて見直されています。

○広がっていく波紋の映像を逆回しすると
多くの地震は地震波の到達した時刻を用いると,容易に震源を決めることができるのですが,最近,地震波到達を本質的に同定しにくい,新しいタイプの事象が見つかってきました。このような事象に対して,地球物理学者は映画を逆回しにするような,巧妙な技法を編み出しました。

○人々の目を釘づけにするボールの軌跡の秘密
選手の足から放たれたサッカーボールは,ボール表面の粗さとボールに働く非対称な空気力によって,美しくも不思議な軌跡を描いてゴールに吸い込まれていきます。人々はときにその軌跡に歓喜し,あるいは悲嘆にくれるのですが,それを左右していたのはさまざまな物理だったのです。
1,540円
パリティ2011年6月号
vol.26.No.06

【ミニ特集:完全流体を探して】

・超低温気体の研究から,超弦理論の新たな応用へ
ほとんど完全なフェルミ流体 J. E. トーマス 上田正仁 訳

・量子重力理論の射程は,どこまで広がりをみせるのか
ブラックホールから学ぶ,強結合粒子系の性質 C. V. ジョンソン,P. スタインバーグ 高柳 匡 訳

・極限条件下の物質を研究する,唯一の実験室
重イオン衝突で完全液体をつくる B. ヤツェク,P. スタインバーグ 秋葉康之 訳

【news】
・粒子を運ぶ光のパイプライン A. G. スマート 佐々田博之 訳
・日常的な距離や速さで見える相対論的効果 B. G. レヴィ 大苗 敦 訳

ニュースダイジェスト C. デイ, S. K. ブラウ, J. ミラー ほか
地球のマントルにおける電子スピン / 宇宙線スペクトルの精密測定 / 温度センサーになる微小共振器 / 古い隕石がとどめる環境変化の記録 ほか

クローズアップ:
・どこにでもあるカオス磁力線 細田 誠
・X線の共鳴磁気散乱でわかるもの 並河一道

連載:生物物理の最前線
細胞生物学における超解像度撮像技術 根本知己 ???? 44

講座:ベクトルでつづる物理学
第3回 エネルギーの砂糖漬け 青野 修

コラム:メイドインジャパン物理用語 物性編
久保効果 川畑有郷

コラム:物理っておもしろい?
よくわからなかったですが,おもしろかったです! 海老澤丕道

コラム:パリティのココロ
子供は理系にせよ(?) 大槻義彦


フォーラム
7月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手
今月のキーワード
フェルミ気体 / フェッシュバッハ共鳴 / 完全流体 / 重イオン衝突 / AdS/CFT / イオントラップ / 光時計 / セシウム原子泉 / 共鳴散乱 / 高輝度(第3世代)放射光光源 / 色収差 / 共焦点レーザー顕微鏡 / 誘導放出


〈今月のパリティ〉

○超低温の気体のふるまいから,何が見えてくる?
現在知られているなかでもっとも強く相互作用をする非相対論的な系が,じつは光トラップ中の原子のフェルミ気体であるということを,誰が想像できるでしょうか。この系はいまや,高温超伝導や中性子星,核物質などの性質を,実験室でも研究できるようにするモデルとなっています。

○重力を含まない現象をも記述する,ブラックホールの熱力学
ブラックホールは,質量,電荷,角運動量といった数個のパラメーターで特徴づけられる,とても普遍的な物体です。実験や理論の研究で強結合系と弦理論の関係がさらに深まれば,物理学者たちは新しい現象を研究するさいに,とても役立つ概念や道具を手にすることになるでしょう。

○クォークとグルーオンの“完全液体”
米国ブルックヘブン国立研究所の相対論的重イオン衝突加速器(RHIC)での高エネルギー衝突実験は,クォークとグルーオンからなる非常に結合の弱い気体を生み出すものと考えられていました。ところがそこで発見されたのは,ほとんど粘性がない,強結合の液体だったのです。

○空間分解能の限界への,あくなき挑戦
「百聞は一見にしかず」ということわざがもっともよくあてはまるのは,生命科学の世界かもしれません。生体内の環境を保ったまま,生体分子を細胞内小器官や分子複合体のレベルで観察するためには,光の波動性に由来する空間分解能の壁を打ち破ることが必要でした。
1,540円
パリティ2011年5月号
vol.26.No.05

【特集記事】

特集:自己組織化の物理学

巻頭言:自己組織化研究のフロンティアへようこそ 安田賢二,秋吉一成

・何らかの“秩序”が自発的に生じる原理とは
自己組織化とは? 山口智彦
・時間発展するシステムである,生命体の基本単位
“細胞の自己組織化”に物理の視点から迫る 吉川研一,岩城貴史
・多様に構造変化する,0次元の物質
両親媒性分子の自己組織化 秋吉一成
・生命の設計図だけではないDNAの機能
DNAオリガミとDNAナノマシン 杉山 弘
・生物は規則的な構造をどのようにつくっているのか
自己組織化材料とバイオミメティクス 下村政嗣
・生体分子の“左右非対称”の謎を解く
らせん構造カイラリティと鏡像対称性の破れ 藤木道也
・時間的・空間的に,自ら発展する新材料
自励振動ゲル 吉田 亮
・みんなの物理 素朴な疑問Q&A:
シマウマやキリンの皮膚の模様はどうしてできるの? 安田賢二

【news】
・量子乱流中で再結合する渦糸の動画撮影 B.シュワルツシルト 新田宗土 訳

ニュースダイジェスト C. デイ, S. K. ブラウ, J. ミラー ほか
地上から計測する原子地磁気計 / 量子からみ合いで雑音を切り抜ける / 波動関数の型破りな統計が明らかに / スピンを利用して量子ドットを操作する ほか

クローズアップ:
電子スピンの新しい利用方法:絶縁体スピントロニクス 齊藤英治

講座:ベクトルでつづる物理学
第2回 足したり掛けたり 青野 修

コラム:メイドインジャパン物理用語 一般物理編
八木アンテナ 水野皓司

コラム:物理っておもしろい?
苗の育て方,育ち方 齋藤理一郎

コラム:パリティのココロ
子どもの才能判定,6万円 大槻義彦


フォーラム
6月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手
今月のキーワード
渦糸の再結合 / 巨大磁気抵抗効果 / スピンホール効果


〈今月のパリティ〉
○秩序が乱れていくという直観が覆される妙味
“自己組織化”という言葉は,複数の要素からなるシステムが,時間とともに自発的に秩序化する過程に対して用いられてきました。その対象は原子から宇宙,生体分子から生物社会までと幅広く,自己組織化の意味も対象によって異なりますが,その現象には共通のキーワードがあるのです。

○生命体のミニマムモデルとは,どんなもの?
アミノ酸や脂質,核酸などを均一に混ぜ合わせておいても,生命体が自然発生することはありません。生命は,不均一で変化する外部環境を積極的に利用しているのです。欠陥や不均一性,流れ場から生まれてくるさまざまな構造や現象の理解は,現代物理学の大きなテーマとなっています。

○“生物の設計”と“人間の叡智”を組み合わせる
生物がもつ,nmからμmの大きさの構造と機能を模倣して,新しい材料を開発しようという,バイオミメティクスとよばれる分野が注目を集めています。ハスの葉の超はっ水性や,ヤモリの指先の吸着性――それらを生み出したのは,自己組織化や自己集合現象に違いありません。

○生命活動を担う有機分子の対称性の破れの由来は?
らせん構造の相転移を示すいくつかの光学活性高分子において,最近,弱い鏡像対称性の破れが報告されました。19世紀,パスツールの時代から科学者たちを悩ませ続けてきた,生命を担うアミノ酸や糖がもつ,片手構造性の謎を解き明かす扉が開かれるかもしれません。
1,540円
パリティ2011年4月号
vol.26.No.04

【articles】
・その起源と進化のシナリオは,どこまでわかってきたのか
「かぐや」が明らかにした新しい月の世界 佐々木 晶
・強磁性トンネル接合がIT技術の革命を引き起こす
スピン偏極トンネリングのフロンティア
J. S. モデーラ,G.-X. ミャオ,T. S. サントス 長浜太郎 訳
・ハミルトン力学とは,相空間の幾何学だ
相空間のもつれた物語 D. D, ノルティ 山口義幸 訳 --- 21
・超音波とX線を組み合わせると,どんな画像が見える?
マルチウェーブ撮像と超解像画像 M. フィンク,M. タンター 椎名 毅 訳

【news】
・現実の細胞と仮想細胞をつないで調べる聴覚のしくみ C. デイ 曽我部正博 訳

ニュースダイジェスト S. K. ブラウ, J. ミラー, M. ウィルソン ほか
かに星雲から届いたガンマ線の閃光 / 半量子渦 / 超音波で集束させる光プローブ / ゆっくりと燃え尽きる標準燭光 ほか

クローズアップ:
・ミューオンによる火山診断 田中宏幸
・磁石にくっつく超伝導体--強磁性と超伝導の微視的な共存 石田憲二,佐藤憲昭

随想:
科学とは H. クイン 坂東昌子 訳

理科教育:
第41回国際物理オリンピックと物理チャレンジ2010 並木雅俊

講座:ベクトルでつづる物理学
第1回 ベクトルは病原体を運ぶ 青野 修

コラム:メイドインジャパン物理用語 素粒子・原子核編
長岡模型 岸田一隆

コラム:物理っておもしろい?
物理を楽しもう 阿部龍蔵

コラム:パリティのココロ
論文引用割合 大槻義彦


フォーラム
5月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手3
今月のキーワード
重力異常 / アイソスタシー / 磁気抵抗効果 / 強磁性トンネル接合 / 相空間 / リウビルの定理 / 超音波電子フォーカシング / ラーモア周波数 / マッハ円錐 / 圧電性


〈今月のパリティ〉

○月の表と裏はなぜこんなにも違うのか?
夜空に輝く神秘的な月は,私たちにもっとも近い身近な太陽系天体です。満ち欠けはしてもいつも地球に同じ側を向けていることは,昔から知られていました。月に探査機が到達するようになって初めて私たちが目の当たりにした月の裏側――それは表の顔とは大きく異なっていたのです。

○人々を惹きつけてやまない,スピン偏極トンネル効果
1925年に電子スピンの概念が提唱されたときに,スピンがIT技術の革命を引き起こすと予言した人がいたでしょうか。近年の材料技術の発展によって,スピントロニクスはいま,固体物理のなかでももっともダイナミックな展開をみせています。

○現代科学のもっとも有用な発明,なのに……
もともと,ある種の力学系を記述するためのものでしかなかった相空間は今日,経済の株価から土星の環の塵まで,変数の集まりを表す広い概念となっています。ところが,その概念と名前の起源ははっきりしていません。いったい誰が相空間を発明し,名づけたのでしょうか?

○医療用映像手法の限界を打ち破る
人体内を伝わるさまざまな波動から,それぞれがもつ各種の情報,たとえば超音波からは組織の密度,光からは工学的吸収率の情報を得ることができます。それらを組み合わせれば,単一の波を利用する映像手の限界を超えた,高解像度の医療用画像を生み出すことができるのです。
1,540円
パリティ2011年3月号
vol.26.No.03

【articles】
・通常の法則や近似が成り立たない,極端な条件とは
極低温中性プラズマ T. C. キリアン,S. L. ロルストン 東辻浩夫 訳
・それは本当に,もう1つの栄光のための戦いだったのか
18世紀,月の運行をめぐるバトル S. ボーデンマン 海老澤丕道 訳
・新しい物理を発見する見込みがもっとも高い実験とは
ゼロへの挑戦 C. オーゼル 久野純治 訳

【news】
・スピン鎖の量子臨界点に現れる複雑な対称性 B. G. レヴィ 川上則雄 訳

ニュースダイジェスト C. デイ, S. K. ブラウ, J. ミラー ほか
まだ見つからない微視的なブラックホール / 超塑性をもつマントル鉱物 / トップキル作戦は何を殺したのか? / 1モルのシリコン原子を数える ほか


クローズアップ:
・強磁性超伝導体における磁場と超伝導のいい関係 青木 大
・のろのろ反水素 G. ガブリエルス 山崎泰規 訳

理科教育:18歳からの物理
18歳からの反物質 早野龍五

連載:温暖化問題,討論のすすめ
地球温暖化と現代科学の問題点 松田卓也

講座:物理学実験講座“測る” 第12回(最終回)
究極の測定(後編) 久我隆弘

コラム:メイドインジャパン物理用語 一般物理編
鳳‐テブナンの定理 三田吉郎

コラム:物理っておもしろい?
計算物理の醍醐味 髙山 一

コラム:パリティのココロ
大学評価反映分? 大槻義彦


フォーラム
4月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手
今月のキーワード
ペニングトラップ / イオンミリング / 電気双極子能率 / 反水素 / ホッケースティック曲線

1,540円
パリティ2011年2月号
vol.26.No.02

【articles】
・理論と実験の対立が示す,想像以上に豊かな姿
固体表面上の第1層水分子 P. J. ファイベルマン 川村隆明 訳
・天才と狂気の,くらくらするようなバランス
孤高の人,ポール・ディラック G. ファーメロ 猪木慶治 訳
・太陽黒点の理解に向けた大きな一歩
エバーシェッド流:100年の謎が解けた? 一本 潔

【news】
・3次元分光法 J. ミラー 舛本泰章 訳
・宇宙の特殊な光と生命を構成するアミノ酸 福江 翼

ニュースダイジェスト S. K. ブラウ,J. ミラー,R. M. ウィルソン ほか
電気呼吸微生物についての2つの理論 / ピコリットルの試薬を液滴に注入する / もっとも重い中性子星 / 細胞の成長と遺伝子の発現 ほか

クローズアップ:
・有限の運動量をもつ超伝導クーパー対 柳瀬陽一
・摩擦,力の連鎖,崩壊する果物の山 J. クリム,R. P. ベーリンガー 青木圭子 訳

連載:生物物理の最前線
イオンチャネルタンパク質分子の構造変化を追う 老木成稔

講座:物理学実験講座“測る” 第11回
究極の測定(前編) 久我隆弘

コラム:メイドインジャパン物理用語 素粒子・原子核編
MNS行列 谷本盛光

コラム:物理っておもしろい?
科学するこころ――A scientific mind 延與秀人
未知へのパスポート 池上高志

コラム:パリティのココロ
日本の科学技術万歳? 大槻義彦


フォーラム
3月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手
今月のキーワード
プリカーサー / ファセット / 磁場の凍結 / 偏光 / 渋滞 / イオンチャネル / X線回折現象


〈今月のパリティ〉

○“水に濡れる”とはどういうことなのだろう?
固体表面の水は,水自身がもつ以上に強い親和力をもっているおかげで,2次元濡れ層を保持しています。この水分子の第1層は,氷の成長を決める構造のひな型となり,水の輸送に対する境界条件を具体的に表現し,さらには水の界面化学の仲立ちもしているのです。

○“理論家のなかの理論家”の素顔
「ディラックの偉大な発見は,次から次へと空から降ってくる,みごとなできの大理石の彫像のようだった」――量子力学の黎明期,彼の論文は群を抜いてきわ立っていました。一方で,ボーアはじめ周囲の人々を困らせてもいた彼は,いったいどのような人物だったのでしょう。

○太陽観測衛星「ひので」がみた,謎の現象の正体
いまから100年ほど前,黒点に磁場が発見された翌年のこと,黒点のなかのスペクトル線に奇妙なひずみが見つかりました。黒点の暗部から外縁に向かって,ガスが放射状に,ほぼ水平に流れ出しているようにみえるこの現象の謎を,「ひので」がついに解き明かそうとしています。

○果物売り場の悲劇
安定しているようにみえる山積みのリンゴのうち,どれか1個を取り除くとします。このとき,どのリンゴを選ぶかによって,山が崩壊してしまったりするのはなぜでしょうか? その原因は,摩擦,形状,密度,そして回転の慣性の,微妙な均衡の崩れにあるのです。
1,980円
パリティ2011年1月号
vol.26.No.01

【特集記事】

◆2010年の成果の総まとめ
特集:物理科学,この1年
・原子・分子物理,量子エレクトロニクス 松尾由賀利 編
・流体力学,プラズマ物理 伊藤公孝,伊藤早苗 編
・物性物理 小野嘉之 編
・素粒子物理 橋本幸士 編
・原子核物理 松井哲男 編
・宇宙・天体物理 関井 隆 編
・地球惑星物理 永原裕子 編
・生物物理 安田賢二 編

【news】
・高感度カンチレバー磁力計で永久電流を検出 M. ウィルソン 高根美武 訳
・ホログラムで光渦の結び目をつくる M. ウィルソン 下川航也 訳
・“限界”を超えて輝く超新星 J. ミラー 田中雅臣 訳

ニュースダイジェスト S. K. ブラウ,J. ミラー,R. M. ウィルソン ほか
宇宙線からの電波パルス / 磁気ピンセットの新しい工夫 / ポジトロニウムを孔に閉じ込める / 世界貿易の発展の構造 ほか

講座:物理学実験講座“測る” 第10回
単位と標準 久我隆弘

コラム:メイドインジャパン物理用語 物性編
十倉ルール 有馬孝尚

コラム:物理っておもしろい?
ギロンノススメ 橘 基

コラム:パリティのココロ
遺伝子組み換えトウモロコシ 大槻義彦

【information corner】
フォーラム
2月号予告
パリティ2010年総目次
パリティ2010年総目次〈分野別〉
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手
今月のキーワード
トポロジー / スペックル / Ia型超新星 / 電子の縮退圧


〈今月のパリティ〉

○電磁波制御の新パラダイム
金属や誘電体でできた多数の構造体を,空間に分散させたメタマテリアル。負の屈折率,回折限界を超える完全レンズ,それに“透明マント”など,興味をひくアイデアの検証実験が行われる一方で,電磁波の相互作用を基礎に立ち返って考え直す契機ともなっています。

○グラフェンをめぐっての熱気は冷めず
グラファイトを1層だけはがしたようなシート状の物質,グラフェンが華々しく世に登場してから,はや7年。“相対論的”な電子のふるまいが物質中で観測できる興味深い系としてだけでなく,ナノスケール高速電子素子など,応用に向けた研究でも注目されています。

○系外惑星の探索は新たな段階へ
太陽以外の恒星を回る惑星が初めて発見されてから15年,その数は500個を超えようとしています。間接的な検出だけでなく,惑星の姿を直接とらえることにも成功し,惑星が形成されている現場の観測や,系外惑星における生命の探査へと,人々の期待はふくらんでいます。

○幹細胞研究の最前線では
ヒトiPS細胞の作製に成功したという2007年の報告は,世界中の注目を集めました。再生医療の倫理的な問題や拒絶反応の問題が一気に解決されるものと期待されたのですが,効率の低さや腫瘍形成の可能性などの課題もあり,これらを改善する試みが続けられています。

1,540円
パリティ2010年12月号
vol.25 No.12

【articles】
・天文台はこの先,どこへ逃げ延びたらよいのだろう?
観測天文学と市街光 C. B. ラギンブール,C. E. ウォーカー,R. J. ウエインズコート 林 左絵子 訳
・エネルギー問題にも欠かせない,新しい物理学への道
極限環境下の物質 R. J. ヘムレー,G. W. クラブツリー,M. V. ブキャナン 八木健彦 訳
・発明の名誉は,いったい誰のものなのか
レーザー誕生の秘話 D. F. ネルソン,R. J. コリンズ,W. カイザー 小林孝嘉 訳

【news】
・2010年ノーベル物理学賞 神田晶申
・2010年ノーベル化学賞:パラジウム触媒を用いるクロスカップリング 山本嘉則
・極短パルスレーザー光による分子回転の高速制御 大島康裕
・グラフェンで分数量子ホール効果を観測 B. G. レヴィ 小野嘉之 訳

ニュースダイジェスト S. K. ブラウ, J. ミラー, C. デイ ほか
光ビームにヒッチハイクする粒子 / 古代の海に溶け込んでいる酸素 / 動き回るメッセンジャーRNAを同期カメラがとらえる / 効率の追求から強力なエンジンへ ほか

クローズアップ:
・太古の地球における温室効果ガス 上野雄一郎
・水の不均一な微細構造 高橋 修
・ロンドン橋の振動とゆれ B. J. フェルトマン 和達三樹 訳

随想:アジアの星物語を集めて T. フェダー 矢治健太郎 訳

講座:物理学実験講座“測る” 第9回
測定法の工夫 久我隆弘

コラム:メイドインジャパン物理用語 物性編
能勢‐フーバー法 小林礼人

コラム:物理っておもしろい?
おもしろさのルーツ 風間洋一

コラム:パリティのココロ
つくばブレーンズ 大槻義彦

フォーラム
1月特大号予告
パリティ2010年総目次
パリティ2010年総目次〈分野別〉
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手
今月のキーワード
量子臨界点 / 量子ホール効果 / 量子波束 / ランダウ準位 / 分子動力学法 / 第一原理計算


〈今月のパリティ〉

○観測天文学の将来が,街の明かりに脅かされる
気流が安定し,空気が乾燥して澄み切っているなど,条件のそろった天文観測の適地は,地上にはもう数えるほどしかありません。人里離れた場所に設置された大型望遠鏡でも,何百kmも離れた市街からの明かりの影響で,暗い天体の観測は次第に難しくなってきています。

○極限環境を探り,つくり出し,利用する
地球深部の超高圧高温状態,太陽の強烈な放射,天体の衝突,パルサーの電磁放電……。自然界はじつに多様で,私たちの日常的経験からかけ離れた条件が実現しています。このような極端な条件下でないとみられない物理現象は,多くの魅惑的な科学の,根本問題の中核をなしているのです。

○半世紀にわたる,レーザーの発明にまつわる論争の行方
1960年にレーザーの発明を発表したのは,ライバルの関係にあった2つの研究室でした。そして発明の先取権とそれに関してとるべき適切な行動についての論争が,その後半世紀にわたって続くことになりました。当時の混乱と興奮を,ベル研究所の3人の元研究者が語っています。

○地層に残された古大気の記憶を呼び覚ます
太古代とよばれる25億年よりも前の時代,地球の大気中に酸素はありませんでした。光合成生物の出現とともに大気酸素濃度は上昇してきたと考えられていますが,それ以前の古大気の組成や,その無酸素環境下に広がっていた生物圏は,どのようなものだったのでしょうか?
1,540円
パリティ2010年11月号
Vol.25 No.11 parity

【articles】
・卓上での実験が,素粒子の標準模型の世界への窓となる
量子スピンホール効果とトポロジカル絶縁体 X.-L. チー,S.-C. ザン 御領 潤 訳
・インターネットは基礎定数の改訂も加速する
基礎物理定数 P. J. ムーア,B. N. テイラー,D. B. ニューエル 藤井賢一 訳
・ガリレオ裁判とはいったい何だったのか
ガリレオ事件 M. A. フィノッキアロ 岡本拓司 訳

【news】
・T2K実験いよいよ本格始動 小林 隆
・暗黒物質存在のじれったい兆候 B. シュワルツシルト 森山茂栄 訳

ニュースダイジェスト S. K. ブラウ, J. ミラー, C. デイ ほか
ステライルニュートリノの復活 / 孔が広がる分子のスポンジ / 海の色に依存するサイクロンの活動 / 粒状媒質をかき分けて進む ほか

クローズアップ:
・原子のジャングルジムと負の熱膨張係数 守友 浩
・道路騒音の原因は? R. O. ラスミュッセン, P. R. ドナヴァン 橘 秀樹 訳

随想:本物の教育を経験させる D. クレップナー 笠 耐 訳

講座:物理学実験講座“測る” 第8回
マイラボをもとう(2)オシロスコープで測ろう 久我隆弘

コラム:メイドインジャパン物理用語 物性編
上田アトラクター 神部 勉

コラム:物理っておもしろい?
・超弦をめぐる冒険 大栗博司
・物理の普遍性 高須昌子

コラム:パリティのココロ
『パリティ』創刊25周年 その3 大槻義彦


フォーラム
12月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手
今月のキーワード
基礎物理定数 / 不確かさ / 共分散 / 冷たい暗黒物質 / 相空間 / フラクタル / 分子磁性体 / テクスチュアの波長



〈今月のパリティ〉

○アインシュタインの夢,さらに広がる
アインシュタインはかつて,物理学のあらゆる基本法則は幾何学で表現されると主張しました。物理学者たちはいま,位相的場の理論によって表現される基本法則を模索しています。既知のどの状態とも位相的に異なる量子スピンホール状態では,どんなエキゾチックな現象が起こるのでしょう。

○4年ごとに調整される基礎定数
物理学や化学の基礎定数と換算定数に影響を及ぼす新しい実験データや理論値は,毎年たえず報告されています。基礎定数の推奨値の調整にかつては12~13年かかっていましたが,最近では4年ごとに新しい値が,国際学術会議の科学技術データ委員会から発表されるようになってきました。

○賞賛と批判の間に漂うガリレオのイメージ
ガリレオのコペルニクス革命に対する主要な貢献は,十分な吟味と,開かれた態度と,公正さという理想に導かれながら,コペルニクス説の擁護に成功したことだと考えられています。ガリレオの望遠鏡による発見の教訓と,文化的な面での反響について,もう一度考えてみましょう。

○古いけれど知的探究心をくすぐる物質群
300年以上も前に合成されたプルシャンブルーは,美しい青色を示すだけでなく,原子のジャングルジムを構成しています。このジャングルジム格子が特異な負の熱膨張係数を示すことが,最近明らかになりました。さらにこの物質群は,応用面でも新たな展開を見せています。
1,540円
パリティ2010年10月号
Vol.25 No.10

【articles】
・太陽より10万倍も熱い,素粒子の“スープ”の不思議
グルーオン,原子,ひもの予期せぬつながり B. ヤツェク 平野哲文 訳
・研究室の仕事の精度は,じつはそれほど高くない
チャールズ・サンダース・パースと最初の絶対計量標準 R. P. クリース 清水忠雄 訳
・私たちはいま蒸気機関の時代と同じ状況にある
持続可能なエネルギー開発に向けた科学の挑戦 G. クラブトリー,J. サロー 朝倉暁生 訳

【news】
・土星の衛星イアペトゥスの2つの顔 M. ウィルソン 花田英夫 訳
・リュードベリブロッケードと量子からみ合い状態 J. ミラー 前田はるか 訳

ニュースダイジェスト S. K. ブラウ, J. ミラー, C. デイ ほか
遺伝子情報の発現におけるノイズ / 宇宙のフラーレン / 転がって曲がるリボン / 量子効果が細孔内拡散をひっくり返す ほか

クローズアップ:
グラフェンでつくる結合量子ドット素子 森山悟士,石橋幸治
導電性接着剤のしくみ 菅沼克昭

随想:
投書意見に慣例どおりマーミンが答える,実在か抽象か N. D. マーミン 矢崎紘一 訳

講座:物理学実験講座“測る” 第7回
マイラボをもとう(1)オシロスコープづくり

コラム:メイドインジャパン物理用語 物性編
南部表示 石井 力

コラム:物理っておもしろい?
複雑系物理学ノススメ 松下 貢

コラム:パリティのココロ
『パリティ』創刊25周年 その2 大槻義彦

フォーラム
11月号予告
執筆者・翻訳者紹介
今月の切手
今月のキーワード
クォーク‐グルーオンプラズマ / マイケルソン‐モーリーの干渉計 / 回折格子 / 標準器 / カーボンフットプリント


〈今月のパリティ〉
○弦理論の検証につながるかもしれない
ボーリングのピンに当たったボールがぴたっと止まってしまうように,大きな運動量の重い粒子でさえも,クォーク‐グルーオンプラズマから抜け出せない――このような観測事実をめぐって超高温プラズマと超冷却原子の研究者が協力し合い,興味深い結果を生み出しています。

○華やかだが苦難に満ちた,計量学と哲学の先駆者の生涯
論理学者,数学者,そして哲学のプラグマティズム(実用主義)の創始者の1人でもあったパースはまた,一流の科学者でもありました。彼は技術的な改良を加えながら多くの精密測定を行い,米国の計量学を英国の影響下から脱出させ,米国独自の新しい伝統を確立したのです。

○“持続可能性”っていったい,どういうこと?
“持続可能性”はいまや,エネルギー研究の分野でもホットな話題となっています。しかし,“持続可能”とは実際のところ,何を意味するのでしょうか? 持続可能な技術を実現する方法,クリーンで永続的なエネルギー開発に向けた材料科学の課題について考えてみましょう。

○電気を通す接着剤の秘密
電気・電子回路の接続といえばまず思い浮かぶのははんだ付けですが,導電性接着剤も60年以上の歴史のある技術です。はんだより低温で接着できて耐熱性も高いという優れた特性をもつ一方,理解不足ゆえのトラブルも少なくなく,物性の発現機構の解明が期待されています。
1,540円
パリティ2010年9月号
Vol.25 No.09

【articles】
・局在は,予期しない場所に予期しない装いで現れる
広がり続けるアンダーソン局在の50年 A. ラゲンダイク,B. ファン・ティヘレン,D. S. ビルスマ 大塚洋一 訳
・量子シミュレーターは実現するか
極低温原子でみるアンダーソン局在 A. アスペ,M. イングッシオ 高本将男 訳
・エントロピーや温度のゆらぎに耳を澄ます
2流体理論と液体ヘリウム中の第2音波 R. J. ドネリー 斎藤基彦 訳
・人類が手にした最高の“視力”
VERAが挑む銀河系の精密立体地図づくり 面高俊宏

【news】
・正三角スピンチューブとスピン液体状態 真中浩貴
・カイラル分子の量子パラドックス C. デイ 染田清彦 訳

ニュースダイジェスト S. K. ブラウ, J. ミラー, C. デイ ほか
成長する脳のなかでのニューロンの再編 / 炭酸ガス放出により海洋の水が酸性に / バリ島のどら / 太陽系外惑星の直接撮像と惑星形成モデルの難問 ほか

クローズアップ:
地球フライバイ異常 M. M. ニート, J. D. アンダーソン 川勝康弘 訳

随想:物理学者の悪い癖 N. D. マーミン 矢崎紘一 訳

理科教育:18歳からの物理
加速膨張宇宙 小松英一郎

講座:物理学実験講座“測る” 第6回
測定器とその使い方 久我隆弘

コラム:メイドインジャパン物理用語 統計力学編
森公式 柴田文明

コラム:物理っておもしろい?
“ロゲルギスト”の愉しみ 佐藤 光

コラム:パリティのココロ
『パリティ』創刊25周年 その1 大槻義彦


フォーラム
10月号予告
執筆者・翻訳者紹介
今月の切手
今月のキーワード
ボース‐アインシュタイン凝縮 / フェッシュバッハ共鳴 / メーザー源


〈今月のパリティ〉
○その当時,“局在”を信じる者はほとんどいなかった
電子の拡散に関する予言から始まったアンダーソン局在の物語は,半世紀を過ぎてなお,さらなる広がりをみせています。金属‐絶縁体転移の本質,さらには複雑な物質中の電磁波から地震波まで,波の性質についての多様な理論と実験を生みだしてきました。

○またとない研究の場を提供する極低温原子
アンダーソン局在の効果について,疑問はまだまだ残っています。相転移が起こる乱れの臨界値はどのくらいなのでしょうか。そして,相互作用は状況をどう変化させるのでしょう? 不規則な光ポテンシャル中の極低温原子のふるまいを観察すれば,それがわかるかもしれません。

○超流動ヘリウム研究の陰の功労者
ヘリウムIIが通常の流体と超流体の2つからできているというティサの2流体仮説は,そのふるまいの理解の基礎となりました。通常の音波,すなわち流体の密度のゆらぎを予言しただけでなく,ランダウが後に第2音波と名づけた,エントロピーや温度のゆらぎも予見していたのです。

○銀河を見すえる日本列島サイズの電波望遠鏡
身近なようでわからないこともまだ多い,私たちの天の川銀河。おおまかには,星とガスの渦巻き状の円盤を球状のハローがとり巻き,さらに,大量の暗黒物質が存在することはわかっていますが……。その銀河の精密立体地図を電波で描き出すVERA計画が,本格的に始まりました。

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独占提携の米国物理学協会誌”Physics Today”からの翻訳と, 第一線の研究者によるオリジナルの書き下ろし記事で,物理学の いまをわかりやすく伝えます。最先端を読み解くニュース記事, 授業とは一味違う連載講座や辛口エッセイなど,読みどころ満載 の『物理科学雑誌』です。

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