パリティ 発売日・バックナンバー

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1,540円
パリティ2010年8月号
vol.25 no.08

【articles】
・化学修飾によって,その可能性は無限に広がる
グラフェンを超える K. ノボセロフ 神田晶申 訳
・恒星になる前の天体の内部で何が起こっているのか
超高圧下の惑星――極限条件下の物質 R. ジャンロー 八木健彦 訳
・人生で最後に受ける科学の授業を有意義に
21世紀の天文学の教え方・学び方 E. E. プラザー,A. L. ルドルフ,G. ブリッセンデン 福江 純 訳
・真のデバイス,真の過程の測定をめざして
発展し続ける固体NMRの世界 C. P. グレイ,R. ティコ 梶 弘典 訳

【news】
・ペプチドホルモンは“有害”な状態で貯蔵される? C. デイ 田口英樹 訳
・ナノスケール2次元磁束格子の融解を観る C. デイ 長谷川修司 訳
・ガンマ線望遠鏡が明かす宇宙線の起源 B. シュワルツシルト 水本好彦 訳

ニュースダイジェスト S. K. ブラウ, J. ミラー, C. デイ ほか
絶滅した脊椎動物の体温を計る / カシミール力,アンテナ,そして塩水 / ブラウン運動をとらえる / 野外での量子テレポーテーション ほか

講座:物理学実験講座“測る” 第5回
測定値の偏り,最小2乗法 久我隆弘

理科教育:18歳からの物理
物理学における変分原理――自然は無駄を嫌う 鈴木増雄

コラム:メイドインジャパン物理用語 物性編
長岡強磁性 久保 健

コラム:物理っておもしろい?
物理の若々しさを保つために 林 青司

コラム:パリティのココロ
東大EMPとは何? 大槻義彦

フォーラム
9月号予告
執筆者・翻訳者紹介
今月の切手
今月のキーワード
クラインパラドックス / 金属化 / 歳差運動 / 共鳴周波数 / βシート構造 / ペプチドホルモン / セントラルドグマ / フェルミ加速


〈今月のパリティ〉
○並外れた多様性をもつ炭素の,新たな一面が明らかに
2004年に初めてつくり出された,原子1層の厚さの炭素結晶膜であるグラフェン――すばらしい性質をもつこの物質は,基礎物理学の分野に多くの新発見をもたらしました。その化学的な“いとこ”にあたるグラファンでは,もっとびっくりすることが起こるかもしれません。

○惑星や恒星の内部を実験室でさぐる
巨大惑星の内部の圧力は,ダイヤモンドを崩壊させ,希ガスさえ金属に変えてしまうほどです。このような極限条件について,どのように実験室で研究するのでしょうか? そしてその結果は,宇宙のどこかに存在するかもしれない生命体について,何を語るのでしょうか。

○天文学の知識を身につけるより,もっと大事なことは……
米国では,全大学生の10%が,一般学生向けの天文学の授業を受講しているそうです。彼らの大部分にとって,それは事実上,人生で最後に受ける科学の授業です。したがって,この授業の質が,彼らの科学リテラシーと科学への態度を後々まで左右することになるのです。

○自然科学のどの分野も,NMR抜きには語れない
固体物理学や化学から生化学,医学へ,さらには心理学といった分野にさえ,核磁気共鳴(NMR)の応用は広がりをみせています。核スピンの操作や測定の技術の進展によって,巨大分子や乱れた構造をもつ化合物でも,詳細な構造がとらえられるようになりつつあります。
1,540円
パリティ2010年7月号
vol.25.No.07

【articles】
・思わぬ広がりをみせている,量子力学の不可解な現象
アハラノフ‐ボーム効果:微妙なテーマの変奏 H. バテラーン,外村 彰 江沢 洋 訳
・衛星イオ生まれのプラズマが,木星磁気圏の形を左右する
木星オーロラと角運動量輸送 垰 千尋
・テスラが夢見た,古くて新しい技術とは
非接触電力伝送のしくみと最先端技術 松木英敏
・機械的振動をナノスケールまで微細化すると何が起こる?
ナノメカニカル素子の物理と応用 山口浩司

【news】
・ナノスケールの相競合が引き起こす超巨大応答 C. デイ 赤星大介 訳

ニュースダイジェスト S. K. ブラウ, J. ミラー, C. デイ ほか
限界を超えた超新星 / スピン波による電気信号の伝達 / 宇宙線の組成 / 仮想細胞が聴覚理論の正しさを示す ほか

クローズアップ:
人工分子の量子状態と単一電子スピントロニクス 余越伸彦,今村裕志

理科教育:18歳からの物理
磁性の魅力 目片 守

講座:物理学実験講座“測る” 第4回
電磁力の測定 久我隆弘

コラム:メイドインジャパン物理用語 一般物理編
エサキダイオード 江崎玲於奈

コラム:物理っておもしろい?
物理はおもしろいのか? おもしろくなってゆくのか? 合田正毅
Let’s play “Physics”! 初田真知子

コラム:パリティのココロ
核研究はパンドラの箱? 大槻義彦


フォーラム
8月号予告
執筆者・翻訳者紹介
今月の切手


〈今月のパリティ〉
○電場も磁場もないところで,電子は何を感じるの?
無限に長い理想的なソレノイドのそばを,電子が通ったらどうなるでしょう? 磁場も電場もないため,何も起こらないはずですが……。シュレーディンガー方程式にひそむアハラノフ‐ボーム効果が見いだされたのは1959年のこと。そして今日もなお,その研究と開拓は続いています。

○似ているようで大きく違う,地球と木星のオーロラ
縞模様でおなじみの太陽系最大の惑星,木星。そこには大気と固有磁場が存在し,地球と同じように極域にオーロラが発生します。しかし,その巨大な磁気圏でみられる現象は,強い固有磁場,速い自転,衛星イオからのプラズマ供給を反映し,地球とは大きく異なる特徴を示しています。

○コードをつながなくても充電できる?!
電線などを介さずに,電流を空間に“流して”伝えるというアイデアは,じつはけっして新しいものではありません。効率が低い,遠距離の伝送は無理……このような誤解が解かれるとともに,ICカードから電気自動車まで,その用途はこの数年間で大きく広がろうとしています。

○機械の動作も量子力学の領域へ
どんなに複雑な機械の動作も,それを記述するのはあくまで古典力学??じつは最近,この事情が大きく変わりつつあります。ナノスケールの電気機械システムでは,量子力学的なふるまいや系の強い非線形性,あるいは非平衡性が出現し,興味深い物理現象が観測されるかもしれません。
1,540円
パリティ2010年6月号
vol.25.No.06

【articles】
・魔法ではない,“量子論的生命原理”を探し求めて
生命(いのち)の量子論 P. デイヴィス 小野嘉之 訳
・恒星の物理についての理解に,挑戦状を突きつける
光・近赤外干渉計の観測で見る星の素顔 T. テン・ブルメラー,M. クリーチ=アークマン,J. モニヤー 大石奈緒子 訳
・測地学の黄金時代は,半世紀前に始まったばかり
航空機搭載レーザーによる測地 W. E. カーター,R. L. シュレッサ,K. C. スラットン 箕輪達哉 訳
・生化学的,力学的刺激に反応する生きた材料の秘密とは
骨の変形と靭性 R. O. リチー,M. J. ビューラー,P. ハンスマ 山下仁大 訳

【news】
・磁気八極子の観測に成功 松村 武
・アンドロメダ銀河に見つかった銀河の共食いの痕跡 B. シュワルツシルト 児玉忠恭 訳

ニュースダイジェスト S. K. ブラウ, J. ミラー, C. デイ ほか ――― 45
タンパク質の襟が細胞膜の首を絞める / 大きく引き伸ばしても元に戻る金属 / 思いもよらない宇宙の流れ / 新しい天文観測用検出器の原型 ほか

クローズアップ:
鋳型でつくるナノカーボンネットワーク 西原洋知

講座:物理学実験講座“測る” 第3回
精確さの指標 久我隆弘

連載:フラストレーションがつくる新しい物性
第7回 フラストレーションが生みだす2つのフェロの結合 木村 剛
第8回(最終回) リラクサーにひそむフラストレーション 廣田和馬

コラム:物理っておもしろい?
科学は世界観を与えるもの 井田 茂
「おもしろい」なんていってる場合じゃない 早野龍五

コラム:パリティのココロ
貧乏な家の子どもは算数が苦手? 大槻義彦


フォーラム
7月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手
今月のキーワード
エンタングルメント / 被駆動系 / ファンシッター‐ゼルニケの定理 / 骨リモデリング / キラル配置 / せん断応力


〈今月のパリティ〉
○“量子生命”が化学的生命に進化した?!
生命は奇跡にあふれた存在です。1940年代後半から1950年代にかけて,量子力学が生命の謎の鍵を握っていると推測することが流行しましたが,そのような考え方がいま,再び注目を集めています。生命はもともと,“量子生命”ともいうべき量子複製機だったのでしょうか?

○恒星はまったく単純なものではなかった!
可視光や近赤外線の干渉計は,電波の場合よりも技術的にずっと難しく,数十nmの精度で光路長を制御しなくてはなりません。しかし,それは恒星の表面の画像さえ描き出し,互いに物質をやり取りする連星系や高速回転する扁平な星など,星の多様な営みを明らかにしようとしています。

○地球科学研究用のグーグルアースをめざして
航空機に搭載されたレーザーによる測地は,深い森林に覆われた地域でも,断層や地すべりなどの詳細な構造を明らかにします。このようなデータをもとに,宇宙の1点から地球をながめ,好きな場所を選択し拡大して見ることができるようになったら,どんなに魅力的でしょうか。

○骨の驚くべき強さの秘密
骨を構成しているのは,3重らせん構造をもつトロポコラーゲンという分子からなるタンパク質です。骨の内部には多数の微視的なひび割れが存在しているのですが,分子から巨視的スケールまで分布する独特の階層構造ゆえに,破壊に対して驚くべき強度を示すのです。
1,540円
パリティ2010年5月号
vol.25.No.05

【特集記事】

特集:すばる望遠鏡の10年

・巻頭言:赤外線天文学の最前線 松浦周二,中川貴雄

・見えないものを見る,宇宙の“サーモグラフィー”
宇宙を探る赤外線の目――赤外線天文衛星「あかり」 村上 浩
・その組成が物語る,46億年前の太陽系の成り立ち
彗星の赤外線観測で探る原始太陽系星雲 大坪貴文
・星たちは宇宙空間に元素をばらまいている
星周バウショック構造で探る恒星風と星間風の相互作用 植田稔也
・水素とヘリウムだけの宇宙が,豊かな現在の姿に至るまで
赤外線で探る超新星爆発と塵形成 左近 樹
・宇宙進化の秘密を知りたければ,怪物たちに訊け
「あかり」で宇宙のモンスターの生い立ちを探る 大薮進喜
・ガスや塵に埋もれつつ,爆発的に星を生成する銀河
宇宙赤外線背景放射で探る原始赤外銀河と大規模構造 松浦周二

【news】
・半導体レーザーで乱数を高速生成 J.ミラー 内田淳史 訳
・史上最遠方の天体となったガンマ線バースト B.シュワルツシルト 井岡邦仁 訳

ニュースダイジェスト S. K. ブラウ, J. ミラー, C. デイ ほか 46
室温で実現する有機強誘電体 / 出力を補うエントロピー機関 / 相対性理論が予言した,原子の干渉への重力の影響 / 固体のレーザー冷却 ほか

随想:
若き日の南部陽一郎と早川幸男の想い出をめぐって〈後編〉:
大阪市立大学の3年間 山口嘉夫

講座:物理学実験講座“測る” 第2回
まずは測ってみよう――重力加速度の測定(2) 久我隆弘

連載:フラストレーションがつくる新しい物性
第5回 幾何学的フラストレート磁性体を強磁場中に置いたら? 萩原政幸
第6回 フラストレーションが結ぶ諸自由度――スピン,格子,軌道,電荷 求 幸年

コラム:物理っておもしろい?
私の場合 藤井保憲

みんなの物理 素朴な疑問Q&A
摩擦にはさまざまなものがあるけれど,どのような違いがあるの?

コラム:パリティのココロ
大学院に給与 大槻義彦

フォーラム
6月号予告
執筆者・翻訳者紹介
今月の切手


〈今月のパリティ〉
○銀河や星の誕生と死を見つめる,赤外線の目
いまから4年前の2006年2月,鹿児島県内之浦から1機の人工衛星が打ち上げられました。赤外線の目をもつ天文観測衛星,「あかり」です。「あかり」は地上からは見ることのできない赤外線で,星の誕生と死,宇宙の初期にさかのぼる星形成活動,そして銀河の進化を見つめています。

○独特の構造からわかる,星間空間のダイナミックな姿
星の内部で合成された元素が宇宙空間に放出されるとき,周囲の物質とぶつかって,弧状の衝撃波の面――バウショック構造が形成されます。この特徴的な構造をくわしく読み解くことで,恒星の進化や,宇宙空間にある物質の輪廻転生の理解につながると期待されています。

○クェーサーはどのように生まれ,育ってきたのか
宇宙にはクェーサーというモンスターがいます。その明るさはなんと太陽の1兆から10兆個分! 銀河系と比べても百倍以上です。そのエネルギー源はじつは核融合反応ではなく,中心にある途方もない質量の超巨大ブラックホールに落ち込んでゆく物質の重力エネルギーなのです。

○人類がかいま見たもっとも古い過去の宇宙
昨年の4月,NASAのスウィフト衛星が史上最遠・最古の天体を検出しました。この8.26という記録的な赤方偏移のガンマ線バーストは,おそらくビッグバンの約6億2500万年後に高速で回転する大質量星がブラックホールに崩壊してできた,いわゆる“崩壊星”だと考えられています。
1,540円
【articles】
◆太陽系外惑星観測の“現在”と“近未来”
系外惑星の大気の性質まで明らかにする観測技術のすべて J. I. ルーニン,B.マッキントッシュ,S. パール 田村元秀 訳
◆聴覚的な体験のリアルな再現へのあくなき挑戦
空間の可聴化 M.フォーレンダー 尾本 章 訳
◆科学における隠喩の力と限界とは
拡散,その2筋の系譜 T. N.ナラシンハン 有光敏彦 訳

【news】
原子のラットリング振動をテラヘルツ光で“撮影” 豊田直樹
木星と衛星イオの潮汐 J.ミラー 相馬 充 訳

ニュースダイジェスト S. K. ブラウ, J. ミラー, M. ウィルソン ほか
幾何学的にフラストレートしたホウ素 / ナノ細線が運ぶ生体分子の荷物 / 鉄道網と粘菌のネットワーク / 白い屋根で涼しい都市に ほか

随想:
若き日の南部陽一郎と早川幸男の想い出をめぐって〈前編〉:大阪市立大学赴任まで 山口嘉夫
講座:物理学実験講座“測る” 第1回 まずは測ってみよう――重力加速度の測定(1) 久我隆弘

連載:フラストレーションがつくる新しい物性
第3回 フラストレーションが生みだす奇妙なスピン秩序 前川 覚
第4回 分子スピンのフラストレーションで現れたスピン液体状態 中澤康浩

連載:物理で深まる鉄道趣味
第7回(最終回) 列車運行と信号 半田利弘

コラム:物理っておもしろい?
物理学と整合的世界 永山國昭
音もなく回る星たち 林左絵子

みんなの物理 素朴な疑問Q&A
ICカードは電源を内蔵していないのに,なぜ作動するの?

コラム:パリティのココロ
太陽光発電の損得 大槻義彦


【information corner】
1,540円
パリティ2010年3月号
vol.25.No.03

【articles】
◆フラクタルな微細構造は決め手となるか
ナノテクで超はっ水材料をつくる 辻井 薫
◆古典的な乱流よりも,じつは簡単?!
量子乱流の不思議 坪田 誠
◆温室効果ガス排出量削減目標を達成するために
高密度化学蓄熱材の原理と応用 劉 醇一
◆分子を狙い撃つ医療へ期待が高まる
光音響変換の医療応用:がん診断からがん治療へ S. Y. エメリャノフ,P.-C. リー,M. オドネル 高木堅志郎 訳

【news】
核融合‐核分裂ハイブリッド炉の復活 T. フェダー 乗松孝好 訳

ニュースダイジェスト S. K. ブラウ, J. ミラー, M. ウィルソン ほか
リュードベリブロッケイドと超微細準位のからみ合い / WIMPsの手がかり? / 微小細線を自己集積させるためのひな型 / 電子で光の像を映し出す / 偏光のからみ合いから色のからみ合いへ ほか

クローズアップ:
色素を使って太陽光を電気エネルギーに変換 花屋 実

講座:物理を学ぶ人のために――現象・法則・モデル
第12回(最終回) ニュートンはどこまで正しいか:法則とモデルの階層性(2) 鹿児島誠一

新連載:フラストレーションがつくる新しい物性
第1回 フラストレーションはおもしろい 川村 光
第2回 フラストレーションが生みだす右・左の世界 川村 光,谷口年史

連載:物理で深まる鉄道趣味
第6回 曲線の線路 半田利弘

連載コラム:物理っておもしろい?
「わかった」と思いたい 和田純夫

みんなの物理 素朴な疑問Q&A
緑色に光る星はあるの?

コラム:パリティのココロ
皆既日食騒動 大槻義彦


【information corner】
フォーラム
4月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手
今月のキーワード
過剰表面自由エネルギー / ボックスカウンティング法 / ピエゾ素子 / Qスイッチレーザー / Bモード像


〈今月のパリティ〉
○日常的な濡れの現象から,最先端の科学技術まで
タオルはよく水に濡れて汗を吸うのに対し,テフロン加工をしたフライパンは水をはじきます。一方,ハスやサトイモの葉は,コーティングされたわけでもないのに,やはり水をはじくのです。物体が液体で濡れたりはじいたりする現象は,いったい何で決まっているのでしょう?

○量子の視点からダ・ヴィンチ以来の謎に迫る
ボース‐アインシュタイン凝縮を起こした系には,量子渦という超流体の渦が存在し,乱流をつくっています。この量子乱流は、超流動ヘリウムや冷却原子気体で実現しており,低温物理学の重要なテーマの1つとして,新たな分野を構築することが期待されています。

○省エネルギー社会を実現するための重要な技術
地球温暖化対策として温室効果ガスの削減が求められているなかで,化石燃料の燃焼から,もっと効率的なエネルギー供給システムへの転換が求められています。エンジンの排熱など,未利用の熱エネルギーを有効利用するための,化学蓄熱技術についての研究を紹介します。

○ナノスケールの光と音の相互作用に目をみはる
光によって音を出したり,音を検出したりする研究には,ベルによる発見以来120年以上の長い歴史があります。そしてこの10年間に起こった光学技術,超音波技術およびナノ微粒子技術の飛躍的進歩によって,光音響技術は医療の分野でも,重要な手段になろうとしています。
1,540円
パリティ2010年2月号
vol.25 No.02


【articles】
◆型破りな考えを,恐れず探求した“過激な保守”主義者
ジョン・ホイーラーと相対論と量子情報 C. W. ミスナー,K. S. ソーン,W. H. ズーレック 古池達彦 訳
◆大学に学生がいる真の理由を,彼は知っていた
ジョン・ホイーラーの指導:永遠の遺産 T. M. クリステンセン 牧野伸義 訳
◆画期的な顕微鏡から,新たな視点が生まれた
シンヤスコープが解き明かす生き物のからくり 合田 真
◆大学や企業の文化が,革新的な科学から命を奪う?
ブラック・スワンを探せ M. ブキャナン 小野嘉之 訳

【news】
超伝導量子ビット研究の進展 B. G. レヴィ 中村泰信 訳

ニュースダイジェスト S. K. ブラウ, J. ミラー, M. ウィルソン ほか
宇宙線源を突き止める / 摩擦についての新しい見かた / コロイド状ゲル構造をとらえる / 気分で変わる発話の音楽性 / 合成磁場 ほか

クローズアップ:
ホール効果を利用したプラズマロケット M. カペリ 犬竹正明 訳

理科教育:
第40回国際物理オリンピックと物理チャレンジ2009 並木雅俊

講座:物理を学ぶ人のために――現象・法則・モデル
第11回 ニュートンはどこまで正しいか:法則とモデルの階層性(1) 鹿児島誠一

連載:物理で深まる鉄道趣味
第5回 鉄道車両の走行抵抗 半田利弘

コラム:物理っておもしろい?
1次元,2次元の世界 川畑有郷

みんなの物理 素朴な疑問Q&A
なぜホタルの光は熱くないの?

コラム:パリティのココロ
2009年版 科学技術白書


【information corner】
フォーラム
3月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手
今月のキーワード
ホイーラー‐デウィット方程式 / 遅延選択実験/ リュードベリ原子


〈今月のパリティ〉
○一般相対論を,魅力ある研究分野にしたホイーラー
1950年代の一般相対性理論は,観測との接点がほとんどなく,物理学のなかで遅れた領域になっていました。そのなかでただひとり,「曲がった時空が物質の本質や天体物理学的宇宙にとって基礎となる」という未来を想像したホイーラーは,相対論の役割を発見する旅に出たのです。

○“見てみたい”という願望と信念から,その顕微鏡は誕生した
第二次世界大戦後の日本で,1人の学生が,生物試料のなかの微弱な光の複屈折を解析できる光学顕微鏡の開発を始めました。それが後のシンヤスコープです。生命科学ではあまりなじみのない偏光の技術を使って生き物を見ると,いったいどんな世界が見えてくるのでしょうか?

○独創的な研究は正当に評価されるのか
論文を雑誌に掲載するかどうかの判断をはじめ,新奇な研究に対する評価は多分に狭量で,保守的な対応になる傾向が強いようです。科学が社会の要請に強く束縛されたトップダウン的活動になってしまったら,自由な探求や革新的アイデアの余地はなくなってしまうかもしれません。

○半導体のなかの現象が宇宙へ飛び出す!
100年以上も前に半導体のなかで発見された現象がいま,私たちの太陽系を飛び交う無人宇宙探査機の推力を生みだすのに使われています。このホール効果スラスターはやがて,火星やほかの惑星へ向かう有人宇宙船を推進するエンジンとして使われることになるかもしれません。
1,980円
パリティ2010年1月号
vol.25 No.01

【特集記事】

◆2009年の成果の総まとめ
特集:物理科学,この1年

・原子・分子物理,量子エレクトロニクス 久我隆弘 編
・物性物理 小野嘉之 編
・流体力学,プラズマ物理 伊藤公孝,伊藤早苗 編
・素粒子物理 夏梅 誠 編
・原子核物理 松井哲男 編
・宇宙・天体物理 関井 隆 編
・地球惑星物理 今須良一 編
・生物物理 安田賢二 編

【news】
・新しい種類の大きな2量体の発見 C.デイ 久我隆弘 訳
・流星を追いかけて上空の風をはかる M.ウィルソン 村山泰啓 訳

ニュースダイジェスト C. デイ, J. ミラー, S.G. ベンカ ほか
大陸内で起こる地震をどう考えるか / 通常の金属を流れる永久電流 / 染色体の折りたたみ / 巨大磁気抵抗をナノスケールでみると / グラファイトの強磁性を理解する ほか


講座:物理を学ぶ人のために――現象・法則・モデル
第10回 ここにも熱力学――風船の大きさと圧力 鹿児島誠一

連載:物理で深まる鉄道趣味
第4回 鉄道車両の制動 半田利弘

コラム:物理っておもしろい?
自然のカラクリを知る楽しさ 大高一雄

みんなの物理 素朴な疑問Q&A
「なぜ流れている川は,まわりに雪が積もっていてもなかなか凍らないの?」

コラム:パリティのココロ
科学官僚 大槻義彦


【information corner】
フォーラム
2月号予告
パリティ2009年総目次
パリティ2009年総目次〈分野別〉
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手
今月のキーワード
熱圏 / パスカルの原理 / 3相交流


〈今月のパリティ〉
○超伝導探索に,もはやタブーなど存在しない
世界に衝撃を与えた鉄ヒ素化合物における超伝導の発見から早2年,転移温度は数か月で55 Kに到達し,数えきれないほどの新しい超伝導体と関連物質が発見されています。この鉄系超伝導体ではなんと,超伝導を阻害すると考えられてきた“鉄”自体が高温超伝導を担っているのです。

○人間の欲望に基づく経済活動を,物理学の目で見ると
物理学が相手にするのは,物質がらみの自然現象だけ? いえいえ,高度情報化のおかげで得られるようになった,さまざまな経済現象の膨大なデータを物理学の手法で解析してみると,普遍性の高い経験則がいくつも見いだされ,さらにそれらを説明する理論も発展してきたのです。

○QCDと超弦理論の接点に生まれようとしているものは……
加速器RHICの研究者たちは2005年,クォーク‐グルーオンプラズマは完全流体であり,これが超弦理論の実験的傍証かもしれないと示唆しました。強い相互作用の研究はその発端から弦理論と密接な関わりがあるのですが,この発表は多くの研究者たちが注目する契機となりました。

○異常なほど静穏な太陽は,何を語ろうとしているのか
黒点はもっとも古くから観測されている天文現象ですが,いまだ謎が多く,11年周期の増減の原因もまだ解明されていません。地球環境との関係も注目されるこの黒点の活動が,極小期からなかなか回復しないことが話題になっています。太陽は今後,どうなってしまうのでしょうか。
1,540円
【articles】
◆宇宙史の最後の“ミッシングピース”が手に入る日も近い
宇宙創成はじめの3億年 吉田直紀
◆分子レベルの相互作用が,大きなスケールの形状をどう決定するのか
謎に満ちた雪の結晶 K. リブレヒト 古川義純 訳

【news】
・カオ博士のノーベル物理学賞受賞をお祝いして 伊澤達夫
・CCDのノーベル物理学賞をお祝いして 寺西信一
・ノーベル化学賞――翻訳装置・リボソームの解析 田中 勲
・量子コンピューターでの困難解決の一歩 C.デイ 村田惠三 訳
・風力発電をあと押しする超伝導体 J.N.A.マシューズ 田島節子 訳

ニュースダイジェスト C. デイ, J. ミラー, S.G. ベンカ ほか
ゴースト画像がベルの不等式を破る / 有毒だと思われていた構造に蓄えられるホルモン / 薄くなった北極の氷 / 樹木から放出されたエアロゾル / 82年越しの量子のパラドックスを解く ほか

クローズアップ:
光に導かれて:エリプソメトリーとポラリメトリー H.アーウィン,D. E.アスプネス 南 不二雄 訳

随想:
ネットワークの理解のしかた L. P.カダノフ 若本祐一 訳

講座:物理を学ぶ人のために――現象・法則・モデル
第9回 型どおりではない衝突の問題??保存則の使い方 鹿児島誠一

連載:物理で深まる鉄道趣味
第3回 交流電化とVVVF電車 半田利弘

コラム:物理っておもしろい?
縁なき人々 川島直輝

コラム:パリティのココロ
物理オリンピック 大槻義彦

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フォーラム
新コーナーのお知らせ
1月特大号予告
パリティ2009年総目次
パリティ2009年総目次〈分野別〉
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手
今月のキーワード
暗黒物質 / 宇宙の晴れ上がり / 偏光解析法 / セルオートマトン法


〈今月のパリティ〉

○観測とシミュレーションで宇宙の暗黒時代の謎に迫る
誕生から数億年,宇宙には星や銀河などの光り輝く天体はほとんどありませんでした。ガスと暗黒物質が薄く漂い,弱い電磁波が飛び交うだけ……とはいえ,何事もなかったわけではありません。観測されていないためわからないことも多い,宇宙の進化史の,まさに暗黒部なのです。

○雪の美しい形に秘められた複雑な物理
その整った美しい形を見ればすぐにそれとわかる雪の結晶は,まさに冬の象徴です。水蒸気が凝縮し,雪の結晶が形成される過程など,すでによく理解されていると誰しも思うことでしょう。しかし,このように基本的な問題にさえ,実際には十分に答えることができないのです。

○コンピューターを進化させ,コンピューターにより進化した手法
リアルタイムで働き,どんな透明物質中でも機能して,薄膜と界面だけを調べることのできる非破壊プローブがあるといったら,話がうますぎて信じてもらえないかもしれません。ところが集積回路技術の分野では,そのような方法が昔からよく知られていたのです。

○生物の大規模なネットワークをとらえる
生物学者たちは近年,生物システムを制御するネットワークの実際のダイナミクスを実験により調べてきました。その結果,生物のネットワークの実際の構造は,完全にランダムなネットワークとは大きく異なり,モチーフとよばれる構造単位が高頻度に現れることがわかってきました。
1,540円
【articles】
◆小さな素子の気まぐれは,物理学者にとって魅力的
量子跳躍では説明できないナノ発光素子の点滅 F.D.シュテファニ, J.P.フーゲンブーム, E.バーカイ 久我隆弘 訳
◆透明なものさえ見える,高分解能の顕微鏡とは?
コヒーレントX線が明かす細胞の内部世界 西野吉則
◆電子や陽電子の塊をプラズマ波に乗せると……
レーザー駆動プラズマ電子加速器 W.リーマンス,E.エザリー 近藤公伯 訳

【news】
・スピン‐軌道相互作用のもたらす新しい電子物性 C.デイ 江藤幹雄 訳
・太陽コロナを満たす磁気流体波 C.デイ 関井 隆 訳
・銀河団は語る何が宇宙膨張を加速しているのか C.デイ 満田和久 訳

ニュースダイジェスト C. デイ, J. ミラー, S. G. ベンカ ほか
液滴の動きは微小流体の室内楽 / 遠方にある銀河団の大規模探査 / 電子皮膚用のナノ複合材料 / 氷河に関連した地震 / 半導体レーザーで乱数を高速で生成する ほか

クローズアップ:
風変わりなハングドラムの音色 A.モリソン,T. D.ロッシング 高木堅志郎 訳

講座:物理を学ぶ人のために現象・法則・モデル
第8回 連成系の基準振動(2) さまざまな基準振動 鹿児島誠一

連載:物理で深まる鉄道趣味
第2回 抵抗制御式直流電車の加速 半田利弘

コラム:物理っておもしろい?
ぼくにとっておもしろい物理 佐々真一

コラム:パリティのココロ
大学改革 大槻義彦

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12月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手
今月のキーワード
中心極限定理 / X線自由電子レーザー / 光学顕微鏡の分解能 / 航跡場 / クライストロン / 銀河団 / 宇宙項 / ヘルムホルツ型共鳴器 / ホログラフィー


〈今月のパリティ〉

○ナノサイズ発光素子の不思議な点滅
自然界や人工のさまざまなナノ発光素子,たとえば発光タンパク質や半導体中のナノ構造などではよく,ランダムな点滅が見られます。この点滅がべき乗則に従うことは10年ほど前に発見されたのですが,その原因についてはまだ満足のいく解答は得られていないのです。

○顕微鏡の苦手領域に射し込む新たな光
コヒーレントX線を使った新しい顕微鏡によって,これまで見ることが難しかった,大きな試料内部のナノ世界が見えてきました。細胞や細胞小器官を丸ごと観察する3次元イメージングが実現し,その構造や機能を原子やナノレベルから解明する夢が広がろうとしています。

○より小さく,より安価な加速器をめざして
より高エネルギーの粒子ビームを求めてきた科学者たちはいま,加速器装置の大きさや費用という重大な問題に直面しています。これまでと違った原理に基づく新技術が模索されていますが,そのひとつ,レーザー駆動プラズマ加速器とはいったい, どのようなものでしょうか。

○物理学者をも惹きつける,新しい打楽器の音色
わずか10年ほど前に登場した打楽器が,ミュージシャンだけでなく,物理学の分野でも関心を集めています。そのユニークな音色のとりこになった物理学者たちが,振動モードと音のエネルギー場の解析を行い,楽器の科学全体の進歩にも大きく貢献したのです。
1,540円
特集:すばる望遠鏡の10年

・巻頭言にかえて 林 正彦,関井 隆
・すばる望遠鏡の広い視野が,不可能を可能にした
すばるが描いた宇宙の古地図――120億年の時空を超えて 大内正己
・日本の光赤外天文学の,次の一手は?
次世代超大型望遠鏡の時代を読む 家 正則
・人間の生態は,銀河の生態と似ている!
すばるが俯瞰する銀河宇宙の時空 児玉忠恭
・天文学の中心だった恒星研究の新次元
超新星と宇宙の初代星,銀河系形成の解明 青木和光
・われわれはどこから来たのか,われわれは何者か,そして……
すばるが迫る太陽系外惑星と惑星誕生のなぞ 田村元秀

【news】
・有機発光素子を用いた大型スクリーンの到来 J. N. A. マシューズ 谷垣勝己 訳
・非生物系で探る生物同期現象 J.ミラー 若本祐一 訳

ニュースダイジェスト C. デイ, J. ミラー, S. ブラウ ほか
北京オリンピックのために抑制されたスモッグ / 天然の準結晶 / 超伝導キュービットの将来性 / 遺伝子調節の進化 / 二酸化バナジウムの金属‐絶縁体転移 ほか

クローズアップ:
スローライトとその応用 馬場俊彦

随想:
経済物理学からみた経済危機 高安秀樹

連載:物理で深まる鉄道趣味 第1回
蒸気機関車のしくみ 半田利弘

講座:物理を学ぶ人のために――現象・法則・モデル 第7回
連成系の基準振動(1)基準振動とは 鹿児島誠一

コラム:物理っておもしろい?
物理嫌いの息子へ贈る 川村 光

コラム:パリティのココロ
中国大地震とカエル十万匹 大槻義彦

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今月の切手
今月のキーワード
宇宙の泡構造 / CDMモデル / 主焦点 / 超新星 / 金属・重元素 / 赤外ドップラー法 / ベルヌーイ効果 / カルノーサイクル


〈今月のパリティ〉
○宇宙の構造にまつわる謎は解けたのか
いまからさかのぼること120億年前の時代,つまり137億年前に起こったビッグバンからほど近い時代,宇宙はどのような姿をしていたのでしょう? 世界で初めて,宇宙の古地図づくりに挑んだすばる望遠鏡。古地図に描かれた構造は,標準的な宇宙論で説明できるのでしょうか?

○10年後の観測天文学はどうなっているか
日本の光赤外天文学者たちは,すばる望遠鏡の高機能を活かし,世界をリードする成果をあげてきました。その成功で勢いをつけて,次世代の観測への戦略もいち早く立てています。来るべき次世代超大型望遠鏡の時代には,宇宙の姿はどこまで解き明かされるのでしょうか。

○銀河の考古学と,銀河の生態学
銀河団に属する楕円銀河は非常に古い星が多いのに対し,フィールドに点在する渦巻銀河には,まだ活発に星形成活動をしているものが多く見られます。このような美しいとさえいえる銀河の棲み分けは,銀河のでき方がまわりの環境と大いに関係していることを物語っているのです。

○生命が存在できる惑星は見つかるか
太陽以外の星をめぐる惑星を,すばる望遠鏡による高コントラスト赤外線観測で直接撮像し,惑星形成の現場を解明し,若い系外惑星を検出しようという試みが進んでいます。第2の地球探しのための赤外線ドップラー法も,来るべき30m望遠鏡時代への先駈けとして期待されています。
1,540円
【articles】
・数学者や社会学者とは違う視点が,この分野を大きく発展させた
物理学からみたネットワーク理論 M.ニューマン 嶋田正和 訳
・近代米国の自然科学に貢献した野心家
サイモン・ニューカム??米国最初の偉大な天文学者 W.E.カーター, M.S.カーター 木下 宙 訳

【NEWS】
・遠く離れて牽制しあうリュードベリ原子 B.シュワルツシルト 久我隆弘 訳
・ボース凝縮原子を用いた素因数分解 中川賢一
・天の川銀河の中心にあるブラックホールを測定する B.シュワルツシルト 中井直正 訳

ニュースダイジェスト C. デイ, J. ミラー, S. ブラウ ほか
スターバースト銀河を見つけ出す / 新しい種類の分子結合 / 燃料電池の触媒として,鉄は白金の代わりになるか? / 五角形の氷 / エネルギー効率と引き換えに安定性を得るハチたち ほか

クローズアップ:
グラファイトで超伝導の起こるメカニズム 高橋 隆

随想:
・気候は太陽の変動に敏感か? N.スカフェッタ,B.J.ウェスト 大村 纂 訳
・太陽変動では20世紀後期の温暖化は説明できない P.B.ダッフィ,B.D.サンター,T.M.L.ウィグリー 大村 纂 訳
コラム:温暖化:真の原因は何なのか? 大村 纂

講座:物理を学ぶ人のために――現象・法則・モデル 第6回
双極子はなぜ必要か?多重極展開と双極子モデル 鹿児島誠一

コラム:物理っておもしろい?
・物理はおもしろくないが,研究はおもしろい 長谷川修司
・ロボットの“動き”をデザインする 中村太郎

コラム:パリティのココロ
農業物理のすすめ 大槻義彦

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10月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手
今月のキーワード
天文単位 / 光行差


〈今月のパリティ〉
○物理学者たちにとって,ネットワークとはどんなもの?
線で結ばれた点の集まりであるネットワークは,コンピューターや生物学,人の移動やコミュニケーションなど,複雑なシステムの研究には欠かせない道具となっています。全体的な構造や統計的特徴への物理学者独特の関心は,この分野の発展に重要な役割を果たしてきました。

○米国の天文学を第一線に引き上げた人物の,栄光とその後
19世紀末,世界でおそらくもっとも有名な天文学者となったニューカム。その彼が最初に職を得たのは,米国の知的中心だったケンブリッジではなく,ワシントンの米国海軍天文台でした。でも,彼の並外れた才能と野望にこれ以上ぴったりの職業は,ほかにはなかったのです。

○30年来の謎,グラファイトの超伝導機構が明らかに
1965年に発見され,その身近さや特性が大きな注目を集めたグラファイト(黒鉛)化合物の超伝導。そのメカニズムについては異なる2つのモデルが提案され,30年以上にわたる論争でも,結論が出ていませんでした。しかし近年の研究により,ついに論争に決着がつけられました。

○気候の変動の主役は温室効果ガス? それとも太陽?
地球はいま温暖化に向かっており,そのおもな原因は人為的な温室効果ガスであるということで,大多数の科学者たちの見解は一致しています。しかし,それに異を唱えている人たちもやはり科学者なのです。専門家ではない人たちは,いったい誰の言葉を信じたらよいのでしょう?
1,540円
パリティ2009年8月号
vol.24 No.08

【articles】
・精巧なモデルと新しい診断手法が,エンジン開発を加速する
未来の内燃機関と科学 D.K.マンリー,A.マックルロイ,C.A.テイジェス 佐藤研二 訳
・研究者たちが見いだしたのは,“双曲的な牛”?
曲がった時空でわかる場の量子論 I.R.クレバノフ,J.M.マルダセナ 夏梅 誠 訳
・大切なのは聴衆であって,あなたではない
誰のために何を話すか?――口頭発表は逆転の発想で S.G.ベンカ 加藤万里子 訳

【news】
・固体間のカシミール力は斥力になりうる J.ミラー 川村隆明 訳
・鉄系物質で圧力誘起高温超伝導が実現 小手川 恒

ニュースダイジェスト P. F. シューウィ,J. ドーソン,J. S. バーディ
インダス文字は言語? それとも…… / 病変した組織の弾性を調べる / 曲がるレーザーのフィラメント / 神経毒ペプチドの新しい配列決定法

クローズアップ:
・水はどのようにして木の先端まで運ばれるのか N.M.ホルブルック,M.A.ツヴィニッキ 安田賢二 訳
・量子の世界,複製不可能定理 W.K.ウーターズ,W.H.ズーレック 山本 俊 訳

講座:物理を学ぶ人のために――現象・法則・モデル 第5回 摩擦と粘性抵抗:動摩擦力は速度によらない? 鹿児島誠一

コラム:物理っておもしろい?
・物理がおもしろい7つの理由 青山秀明
・啓蒙は諭吉に学べ 並木雅俊

コラム:パリティのココロ
霊治療と再生医療 大槻義彦

フォーラム
9月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手
今月のキーワード
インデンター型圧力セル / 毛細管現象 / 表面張力 / メニスカス / 複製不可能定理

〈今月のパリティ〉
○内燃機関の研究は,新発見を集積する新局面へ
燃焼は世界経済を推進する役割を果たしており,米国内では毎秒4万リットルもの石油が燃やされています。エネルギー安全保障や気候変動の緩和といった観点から,内燃機関の効率改善をめざし,経験的知識だけでなくシミュレーションなどを駆使した設計への転換が図られています。

○難しいことで悪名高い理論に,新しい情報をもたらす
11年前に数人の研究者が,場の量子論と重力理論という,一見すると別種の理論の間に驚くべき対応があると提案しました。同じ物理を2つの対になった記述で同等に表すこのような対応は,双対性とよばれています。このような対応がいったいなぜ,どのように役立つのでしょうか?

○あなたの話は,いったいどこがおもしろいの?
口頭発表のとき“私のこと”ばかり気にして,聞き手のことは何も考えてなかったりしませんか? 目の前にいる人々は,ひとりひとり専門も興味も違います。いったい彼らは何を聞き取っているのでしょう? どんな話をすれば「いい講演だった」ということになるのでしょうか?

○木の導管という,大規模で複雑な微小流体システム
木の幹のなかには,1億本以上の導管が互いに連結しながら伸びていて,その全長は軽く数百kmを超えるほどです。1日に数百リットルもの水を地面から葉まで音ひとつ立てず運び,水循環に大きく寄与しているのですが,そこでは想像もできないような輸送体系が作動していたのです。
1,540円
パリティ2009年7月号
vol.24.No.07

【articles】
・情報と計算は,現代の物理学をも変革する
デジタル宇宙――量子計算と量子重力 S.ロイド 細谷暁夫 訳
・二酸化炭素や放射性廃棄物を地中に閉じ込めるためのカギは?
エネルギーの将来を支える地球科学研究 D.J.デパオロ,F.M.オアJr 海老原充 訳
・激しい天体現象を支配する,小さくて短寿命な存在
宇宙の希少同位体 H.シャッツ 青木和光 訳

【news】
・水滴と気泡――ちぎれ方はどこで変わる? J.ミラー 酒井啓司 訳

ニュースダイジェスト P. F. シューウィ,J. ドーソン,J. S. バーディ
ヒッグス粒子の質量を追い詰める / 小惑星の組成 / 金属ガラスにひび割れを閉じ込める / しぶきはどうやって跳ね上がる? / 高速充放電の可能な電池

クローズアップ:
・ナノスケールの振動板を使って量子現象をみる A.N.クレランド 長谷川修司 訳
・冷媒を使わずにどこまで温度を下げられるか 渡邉和雄

随想:
高校物理の教科書はおもしろいか? 須藤 靖

講座:物理を学ぶ人のために――現象・法則・モデル 第4回 非線形のままの振動モデル:カオスとソリトン 鹿児島誠一

コラム:物理っておもしろい?
・物理はものの見方を変える!――人の命をも救う 鈴木増雄
・私はどうして天文学者になったのか――宇宙を物理するまで 谷口義明

コラム:パリティのココロ
進化論と創造論 大槻義彦

フォーラム
8月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手
今月のキーワード
宇宙年齢 / 液滴の表面張力 / ニュートン流体・非ニュートン流体

〈今月のパリティ〉
○情報と計算を手だてに,量子重力の謎を解く
情報や計算という概念は,じつは物理法則の心臓部であり,どんな物理過程も情報とエネルギーの間の相互関係として理解できるのです。情報理論のいろいろな技法が,量子力学と重力,一般相対論を融合する問題に光をあて,量子重力理論全体を構成することになるかもしれません。

○分子スケールの現象の理解が,地球の未来を救うかもしれない
地球温暖化が懸念される今日,当面は化石燃料に依存するにせよ,原子力に活路を見いだすにせよ,地中に二酸化炭素や放射性廃棄物を安全に貯蔵することは重要な技術になりそうです。加圧された流体と多孔質の岩石の複雑な相互作用は,どこまで理解されているのでしょうか。

○短寿命の希少同位体に刻まれた星の記憶
極端な中性子/陽子数比の放射性原子核はふつう1秒以内に崩壊してしまい,地上ではまずみられません。しかし,星の爆発現象では大量につくられ,また中性子星の表面には安定な層として大量に存在しています。希少同位体は天体物理学の基本的な問題に,深く結びついているのです。

○極小の“飛び込み板”で,量子現象が見える?
力学的な振動を利用した計測技術は,古くからさまざまな研究に使われており,いまでは原子の1つひとつを直接見ることが可能になっています。ナノメートルサイズの非常に小さな振動板を用いることによって,量子力学的な効果まで観察できるようになるかもしれません。
1,540円
【articles】
・ホーキングとラプラスの悪魔の対決,勝つのはどっち?
量子ブラックホールと創発する時空間 大栗博司
・革新的な進化は,既存の技術の延長にあるとは限らない
ナノチューブ素子はどこまでできたか,どこまでできるのか? Ph. アボーリス 齋藤理一郎 訳
・ライバルたちの熾烈な競争と,その夢のあと
ヘリウム液化の意味するもの 河野公俊
・今日の量子計算機をめぐる状況は,電子計算機の黎明期のようだ
量子科学が描く新しい地図 C.モンロー,M.ルーキン 伊藤公平 訳

【news】
・太陽系外惑星を撮る B.シュワルツシルト 田村元秀 訳

ニュースダイジェスト P. F. シューウィ,J. ドーソン,J. S. バーディ
プラズマ波と宇宙線 / 50 pmの解像度を達成した電子顕微鏡 / 息づく地球,地割れの排気口 / 粒状媒質を歩き,沈み,泳ぐロボット / 燃料電池用のカーボンナノチューブ ほか

クローズアップ:
テニスの物理,考えてみませんか? R.クロス 小野嘉之 訳

講座:
物理を学ぶ人のために――現象・法則・モデル 第3回 単振動近似を超える現象 鹿児島誠一

コラム:物理っておもしろい?
・水はどうして透明なの? 霜田光一
・物理の楽しい学び方,教えます 原 康夫

コラム:パリティのココロ
フィンランド方式学習法 大槻義彦

フォーラム
7月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手
今月のキーワード
極限ブラックホール / ホログラフィー原理 / トポロジカルな弦理論 / エンタングルメント状態 / 残骸円盤 / コロナグラフ

〈今月のパリティ〉
○時間や空間は,どうやってできたの?
一般相対性理論と量子力学が統一されるプランクスケールでは,自然界の階層構造が終焉し,時間や空間ですらより根源的な構造から創発されると考えられています。量子ブラックホールについての思考実験によって,謎に包まれたプランクスケールの物理を理解する試みを解説します。

○目が離せない,ナノチューブ素子の新展開
1947年のトランジスター誕生以来,電子回路の微細化はもはや限界に達しようとしています。そこで注目を集めているのが,カーボンナノチューブです。その多彩な立体構造,比類なき柔軟性,抜群の輸送特性は,シリコンに替わる次世代の素子の材料として,大いに期待されています。

○低温を制するものは……
昨年,2008年はヘリウム液化100周年の記念すべき年でした。1908年7月10日に,オランダのカマリン・オンネスによって世界で初めて実現されたヘリウム液化は,その後の物理学に何をもたらしたのでしょうか? 低温科学の歴史を振り返りつつ,その意味について考えてみましょう。

○複雑な量子系の理解から,物理学や工学の発展へ
大きな整数の素因数分解など,ふつうのコンピューターでは困難な計算をたやすくやってのけるという量子コンピューター。実用化はまだまだ先のことですが,目標達成に向けたさまざまな努力が,予想外の新しい科学研究の展開や,量子力学を利用した応用技術の発展を促しています。

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独占提携の米国物理学協会誌”Physics Today”からの翻訳と, 第一線の研究者によるオリジナルの書き下ろし記事で,物理学の いまをわかりやすく伝えます。最先端を読み解くニュース記事, 授業とは一味違う連載講座や辛口エッセイなど,読みどころ満載 の『物理科学雑誌』です。

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