パリティ 発売日・バックナンバー

全246件中 121 〜 135 件を表示
1,540円
【articles】
・中性子星,金属,原子,そして原子核に共通するものは……
フェルミオンがボソンに変わるとき C. A. R. サ・デ・メロ 川口由紀 訳
・じっと見つめていれば,簡単な図式が見えてくる?
トポロジカル液体のからみ合った話 T. マクレイッシュ 西尾 泉 訳
・目には目を,パロディーにはパロディーを
お笑い版 第5の力 L. M. クラウス 湯川哲之 訳

【news】
ν=5/2状態における準粒子の電荷と非可換的統計性 C.デイ 中島龍也 訳

ニュースダイジェスト P. F. シューウィ,J. ドーソン,J. S. バーディ
明らかになる大赤班の素顔 / 太陽コロナの加熱 / はみ出し者の波を飼いならす / 固体による光子貯蔵 / 安価な3次元マイクロ流体工学 ほか

クローズアップ:
脳はどこまで解明されたか:視覚野発達を中心に 田中 繁

随想:
新天地を得たハンブリー・ブラウンの雑音相関法 D.クレップナー 吉澤正則 訳

理科教育:
18歳からの物理:超伝導“超”入門 小林俊一

コラム:物理っておもしろい?
・きっと君もおもしろい! 外村 彰
・「おもしろい」に1票! 篠本 滋

講座:物理を学ぶ人のために――現象・法則・モデル 第2回 単振動は試験問題のための題材か? 鹿児島誠一

コラム:パリティのココロ
“創造論” 大槻義彦

フォーラム
6月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手
今月のキーワード
s波,p波,d波 / 秩序変数 / 散乱長 / クーパー対 / スケーリング関係 / エッジ状態 / ハンブリー・ブラウン-トゥイス効果

〈今月のパリティ〉
○未来を予言できる水晶の球はないけれど
中性子や陽子,クォーク,電子といった微視的な粒子が,超流動性という集団的巨視的な性質を示すことはご存知でしょうか? 相互作用や対の形成を操作できるという超低温フェルミオンの性質により,金属や原子核,中性子星で起こる強相関現象の謎が明らかになるかもしれません。

○高分子の流れにひそむ普遍性
何千もの分子単位が鎖状に結合した巨大分子は,普遍的なふるまいを見せます。その性質の多くは鎖の結合の仕方,たとえば枝分かれしているかどうかだけで決まってしまうのです。分子構造と高分子の流れの性質を結びつける法則は,はたしてそこから見えてくるのでしょうか?

○いたずら論文に対する編集者のお返しは……
『フィジカルレビューレターズ』のような学術雑誌では,投稿された論文を誰がどのように審査しているのでしょう? 査読制度に疑問を抱いたある研究者はその昔,一見するとまじめな論文のように装ったいたずら論文をでっち上げ,ある雑誌に投稿しました。さて,その結果は……

○本当は,脳はどこまでわかっているの?
現代の脳科学は,相変わらず脳という物質的基盤を対象にした研究であり,それ以外に脳の働きについて情報を得る方法を私たちは知りません。心と脳の関係について私たちが抱く素朴な疑問への答は,はたして従来どおりの脳科学の研究を推し進めていけば得られるのでしょうか。

1,540円
【articles】
・つかの間の天空の訪問者は,どんな昔話を聞かせてくれるのだろう
彗星と原始太陽系 D.ブラウンリー 渡部潤一 訳

・それは地球によく似た気象現象の存在する,生きている天体だった
土星の月・タイタンの気象 R.D.ローレンツ 関根康人 訳

【NEWS】
伸縮自在の導電性ポリマーと有機エレクトロニクス M.ウィルソン 谷垣勝己 訳

ニュースダイジェスト P. F. シューウィ,J. ドーソン,J. S. バーディ
AIPが選んだ2008年の物理の話題トップ10 / 植物によるエネルギーの生産 / ひとりでに発生する渦 / ナノチューブのスピーカー / ニュートリノを検出するための氷の音響学 ほか

クローズアップ:
・トンボの飛行 Z.J.ウォン 河内啓二 訳
・物理屋向け超高層大気ガイド J.T.エマート 岩上直幹 訳

理科教育:
・18歳からの物理:不思議な性質:スピン 矢崎紘一
・流体についてどう教えるか J.ゴッラプ 神部 勉 訳

コラム:物理っておもしろい?
・科学のおもしろさを伝えているか? 須藤 靖
・科学もゲームも大好き! 福江 純

講座:物理を学ぶ人のために――現象・法則・モデル 第1回
どれがいちばん偉い? クーロンの法則,フックの法則,摩擦の法則 鹿児島誠一

コラム:パリティのココロ
物理ビデオ 大槻義彦

フォーラム
4月号予告
パリティ増刊号「破れた対称性」刊行のお知らせ
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手
今月のキーワード
カイパーベルト / オールトの雲 / レイノルズ数 / プラントルの境界層理論 / ナビエ‐ストークスの方程式 / マランゴニ効果


〈今月のパリティ〉
○太陽系の45億年の記憶をとどめた,唯一の天体群
彗星に含まれる物質は数十億年の間大きな変化を受けず,太陽系が生まれた当時の情報をとどめています。彗星の姿を撮影し,物質を探り,そのサンプルをもち帰るため送り込まれた探査機は,時間をさかぼって太陽系を調べるという,またとない機会を提供しているのです。

○褐色のもやのベールに隠されていた素顔
1655年に発見された土星の月,タイタン。しかしつい最近まで,そのほとんどが謎に包まれたままでした。そこでは数百年に1度,猛烈な土砂降りのメタンの雨が降り,氷でできた巨大な砂丘や荒野を潤している――最新の観測が描き出したのは,生きている天体としての素顔でした。

○トンボが見つけた空気力学の秘密
トンボは空中では,人間には予期できないステップでダンスを踊ります。短く静止したかと思うと,急に新しい場所へと移動してしまいます。およそ3億5千万年にわたる進化のなかで,トンボはどうやってその筋肉や羽の構造に適した効率的な動かし方を見つけてきたのでしょうか?

○宇宙空間と地球との接点で何が……
高度50 km以上の超高層大気はごく希薄で,大気全体の1000分の1を占めるにすぎないのですが,生物にとっては宇宙空間の苛烈な環境から守ってくれる大切な防壁です。そのふるまいは内部過程のほか,宇宙空間や地球表面など,外部からもたらされるエネルギーが左右しているのです。
1,540円
『ノーベル物理学賞記念 破れた対称性』

特別インタビュー:益川敏英教授
「CPとくり込み可能を結びつけて,ちゃかちゃかっとした論文を書いた」
聞き手:夏梅 誠(本誌編集委員)
特別インタビュー:小林 誠教授
「新しい物理があるという結論が一番おもしろいと思っていた」
聞き手:夏梅 誠(本誌編集委員)
articles
素粒子物理学のノーベル賞のつながり
 ——湯川,朝永から南部,小林,益川へ 荒船次郎
物理学における対称性とその破れ 風間洋一
物理学の巨人,南部先生 磯 暁
CPの破れの意味するところ 林 青司
対称性の破れのフロンティア 坂井典佑
thoughts
坂田模型から小林・益川へ 大貫義郎
ノーベルウィーク体験の記 山脇幸一
close-up
ノーベル賞の新聞報道の舞台裏 高橋真理子
news再録——CP対称性の破れについてのBファクトリー実験の検証結果
CPの破れとBの物理 山内正則 [2000年12月号]
Bファクトリーが迫るCP非対称の謎 相原博昭 [2001年6月号]
B中間子でのCP対称性の破れ,ついに発見:標準理論検証へ大前進
堺井義秀 [2001年10月号]
Bの物理とCPの破れ 小林 誠 [2002年1月号]
執筆者紹介
編集後記 夏梅 誠

1,540円
【articles】
・いちばん軽いその“原子”は,ただものではない
ポジトロニウムの新たな謎 浅井祥仁
・いまだに解明されていない,謎に満ちた感覚機能
動物の磁気感知能 S.ジョンセン, K. J. ローマン 家 泰弘 訳

【news】
・気候変動を測る民間航空機 町田敏暢
・視覚系タンパク質の変化と魚類の進化 C.デイ 河村正二 訳

ニュースダイジェスト P. F. シューウィ,J. ドーソン,J. S. バーディ
同位体で水銀を追跡する / 塵の多いプラズマにおける2次元的な溶融 / 衝撃波で生まれた太陽系 / 宇宙線起源の中性子で土壌の湿り気を測る / ダークマターの徴候? ほか

クローズアップ:
褐色矮星:恒星になりそこねた星,スーパー木星 A.J.バーガッサー 佐藤文衛 訳

随想:男女共同参画企画:
セシル・デウィット=モレットの冒険 T.フェダー 夏梅 誠 訳

理科教育:
・18歳からの物理:エントロピーとは何か? 杉本大一郎
・物理チャレンジ2008 並木雅俊

連載:“標準”はいま
量子力学的にオームの法則は成り立つか?——量子メトロロジートライアングル 金子晋久

講座:
叩けば出るのは振動か波か 第12回(最終回) 素粒子の波と振動 原 康夫

コラム:物理っておもしろい?
・宇宙物理のおもしろさ:多様な階層のからみ合い 佐藤勝彦
・物理屋さんは冒険好き 坂東昌子

コラム:パリティのココロ
物理と経済 大槻義彦

フォーラム
4月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手
今月のキーワード
真空振動 / ブライト‐ウィグナー共鳴 / フェリ磁性体 / 原子間力顕微鏡 / 超常磁性 / バイオリズム / コドン / 褐色矮星 / 質量降着 / 星周円盤 / 不確かさ / トレーサビリティー

〈今月のパリティ〉
○水素よりずっと軽い“変わり者”原子
いちばん軽い原子というと,水素原子? いえいえ,質量がその約1000分の1しかない“変わり者”,ポジトロニウムがあるのです。これは電子と陽電子が結びついたもので,そのエネルギー準位には理論と実験のずれが見つかり,標準理論を超えた現象の可能性も指摘されています。

○動物たちが隠しもっている羅針盤はどこに?
動物が地磁気を感知できるということは定説になってきていますが,そのメカニズムはいまだ議論百出です。ある種の磁性微粒子を利用していると考えられる場合でも,その羅針盤の所在を特定するのは困難で,それは針の山のなかからたった1本の針を見つけるようなものなのです。

○恒星と巨大惑星とをつなぐ,小さな星々
1960年代,質量の小さな星の形成と進化を研究していた天文学者たちは,褐色矮星という新種の天体が存在するはずだと考えました。30年を経て実際に見つかったこのような“恒星になりそこねた星”は,惑星大気の性質や,恒星と惑星の形成の秘密を探るための実験室となっています。

○新シリーズ:18歳からの物理
物理の本質的な理解に一歩近づくための入門コーナーが始まります。重要なテーマや最先端のトピックを,大学初年次から読めるように高校程度の数式を用いて,ポイントを押さえた文章でわかりやすく紹介します。初回の今号では,“エントロピー”について解説します。
1,540円
パリティ2009年2月号
vol.24 No.02

【articles】
・原始太陽系の騒乱の時代に,はじき飛ばされた小天体の消息は……
太陽系外縁部に新惑星?――パラメーター空間が予言するもの 向井 正

・直感的“常識”と量子論の世界像の矛盾は,何を意味しているのだろう
ベル型不等式の破れと実在 森越文明

【NEWS】
・不透明な物質をくぐり抜ける整形された光 J.ミラー 冨田 誠 訳
・ボトモニウム中間子の基底状態がついに発見された B.シュワルツシルト 上原貞治 訳
・X線アウトバーストで超新星爆発直前の様子が明らかに B.シュワルツシルト 鈴木英之 訳
・走査型イオンコンダクタンス顕微鏡の開発 末永智一

ニュースダイジェスト P. F. シューウィ,J. ドーソン,J. S. バーディ
米国物理学会のエネルギー効率研究 / 集団の先頭にいるのは有利? / オバマ新大統領が知っておくべき物理 / トランポリンのような地震の揺れ ほか

クローズアップ:
オーロラはどのようにしてできるのか? R.J.ストレンジウェイ 塩川和夫 訳

理科教育:
国際物理オリンピック2008――ハノイからのメッセージ 原田 勲

講座:
叩けば出るのは振動か波か 第11回 電子は波する 原 康夫

コラム:物理っておもしろい?
素人でも楽しめる物理 土井恒成

コラム:パリティのココロ
ノーベル賞と文化勲章 大槻義彦

フォーラム
3月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月の切手
今月のキーワード
昇華温度 / レゲット‐ガーグ不等式 / CHSH不等式 / レゲット構想 / 重力崩壊型超新星 / パッチクランプ法 / 共焦点顕微鏡 / 電離圏 / 磁気圏 / 磁気再結合


〈今月のパリティ〉
○太陽系の果てに,未発見の“新惑星”がある!?
1992年に最初の1つが見つかって以来,これまで1200個を超す太陽系外縁天体が発見されています。それらの軌道分布を調べてみると,既知の惑星の重力摂動だけでは説明できない謎が現れてきました。予言どおり見つかった海王星のように,“新惑星”も実在しているのでしょうか?

○見かけは単純だけど,限りなく深遠な不等式
量子論の基礎に関わる研究の長い歴史のなかで,ベルの不等式はさまざまな面で重要な役割を果たしています。非局所性をめぐる論争に決着をつけるべく1960年代に提案されてから,さまざまな角度から研究され,現在の量子情報科学へとつながり,その礎となっているのです。

○「光を整形する」って,どういうこと?
牛乳やある種の生体組織などの不透明な物質は,光を散乱する微粒子が不規則に配列したものとしてとり扱うことができます。理論によると,光を透過するチャネルだけに結合する入射波をつくり出すことができるというのですが,実験ではどのようにそれを実現しているのでしょう?

○空に踊る美しい光の秘密
オーロラは昔から,芸術家や科学者たちを魅了してきました。これは地球の外から降ってくるプラズマ粒子が励起させた大気中の分子や原子が,エネルギーの低い状態に戻るさいに放つ美しい光です。そのメカニズムの鍵を握っているのは,地球の磁力線に沿って流れる電流なのです。
1,980円
【特集記事】
2008年の成果の総まとめ
特集:物理科学,この1年

原子・分子物理,量子エレクトロニクス 久我隆弘 編
・自由電子レーザーによる原子や分子の光イオン化 彦坂泰正
・冷却原子・分子・イオン 井上 慎
・光量子ICの出現 竹内繁樹
・超低速ミューオンとその応用 三宅康博

流体力学,プラズマ物理 伊藤公孝,伊藤早苗 編
・メソスケールダイナモの発見と基礎過程 藤澤彰英
・カーボンナノチューブを含むプラズマシステム 畠山力三
・雲をめぐる気候変動問題 草野完也

物性物理 家 泰弘 編
・鉄系超伝導体の発見 広井善二
・超ウラン系の超伝導 堀田貴嗣
・スピンホール効果 永長直人
・グラフェンをめぐる展開 神田晶申
・ナノテクが加速する熱電材料開発 寺崎一郎

素粒子・原子核物理 夏梅 誠 編
・超弦理論 米谷民明
・動き出したLHC実験 近藤敬比古
・計算物理学の行方 青木慎也2
・原子核物理の新たな展望 大塚孝治
・J-PARCで探る素粒子・原子核物理 齊藤直人
・最高エネルギー宇宙線 山本常夏

宇宙・天体物理 関井 隆 編
・“X線エコー”の発見と銀河中心巨大ブラックホールの過去の活動 小山勝二
・光エコーによる超新星研究の進展 茂山俊和
・銀河系ハローの2重構造 千葉柾司
・変光星ミラから延びる巨大な星周構造 橋本 修

地球惑星物理 今須良一 編
・北極海の急激な海氷減少 島田浩二
・大気中CO2観測用ライダー開発の進展 長澤親生
・太陽観測衛星「ひので」による太陽研究の進展 坂尾太郎

生物物理 安田賢二 編
・新しい光受容体の作動機構 神山 勉
・細胞の実空間モデル――生命現象への物理からのアプローチ 瀧ノ上正浩,吉川研一
・細胞状態の動態,ゆらぎと適応,分化 金子邦彦

【NEWS】
電子散乱による核子間短距離相関の解明 M.ウィルソン 森田 彦 訳

ニュースダイジェスト P. F. シューウィ,J. ドーソン,J. S. バーディ
極低温の分子 / 太陽光をもっと効率よく利用するには / フラーレンビーム / 分子1個をとらえる

講座:
叩けば出るのは振動か波か 第10回 光は量子の世界の扉を開いた 原 康夫

コラム:物理っておもしろい?
おばけと私 加藤万里子
物理がつまらない理由 宮野健次郎
コラム:パリティのココロ
『プロフェッサーズ』大槻義彦

今月の切手
フォーラム
2月号予告
パリティ2008年総目次
パリティ2008年総目次〈分野別〉
執筆者・翻訳者紹介

今月のキーワード
殻模型 / 中性子星


〈今月のパリティ〉
○光量子回路も“はんだ付け”から集積回路の時代へ
量子力学の基本的な性質を直接利用する量子情報処理の分野で,重要なステップが踏み出されました。光集積回路(IC)による量子ゲート素子,すなわち光量子ICの出現です。将来の光量子コンピューターの実現に向けて,この成果はどのような意味をもっているのでしょうか。

○生まれては消える雲への素朴な疑問が,地球の未来を救う
地球温暖化に関する話題はいま世界のメディアを席巻していますが,気候変動の理解と予測にはまだ多くの不確定要素が存在しています。なかでも重要なのが,大気中の微粒子と雲の関係です。計算機と実験室で雲をつくる新しい研究から,地球環境の未来が見えてくるでしょうか。

○待望の巨大加速器がついに動き出した!
CERNでは14年かけて建設が行われていたLHC加速器がようやく完成し,陽子や重イオンの衝突にも成功しました。その後の事故で2か月以上の運転停止を余儀なくされてしまいましたが,ヒッグス粒子や標準モデルを超える物理の探索など,物理学者たちの期待は膨らんでいます。

○X線や光の“エコー”が運ぶ,過去の天体現象の記憶
宇宙空間のX線観測衛星やハワイのすばる望遠鏡が観測したのは,300年ほど前の超新星からの放射が,周辺の星間ガス中の微粒子により散乱,あるいは吸収・再放出されたものでした。このようなX線や光の“エコー”は,天体物理学にどのような進展をもたらすのでしょうか。
1,540円
【特集記事】
特集:2008年ノーベル賞

・“対称性の破れ”がつなぐ2008年ノーベル物理学賞 菅原寛孝

・南部先生のノーベル物理学賞をお祝いして 江口 徹

・おめでとうございます! 南部先生,小林さん,益川さん 三田一郎

・2008年ノーベル化学賞―GFPの発見,発現,開発の歴史 宮脇敦史

【articles】
・宇宙背景放射の詳細な地図が,正しいシナリオを指し示してくれる!?
インフレーション宇宙論の対抗馬 R.ブランデンバーガー 早田次郎 訳

・ナノスケールの金や銀の微粒子で,生体内の現象を探る
貴金属とバイオセンシング 竹井弘之

【NEWS】
・行方不明のバリオンがついに見つかり始めた C.デイ 嶋作一大 訳
・「ひので」が明かす黒点の微細構造 勝川行雄

ニュースダイジェスト P. F. シューウィ,J. ドーソン,J. S. バーディ
電子的なワインのテイスティング / 太陽系は特別な存在?! / ネズミの持久力を高める薬 / 雲のなかの氷の結晶 ほか

クローズアップ:
新高温超伝導体Feニクタイド 福山秀敏

随想:
社会的ネットワークの解明に取り組む物理学者たち J. N. A.マシューズ 針谷喜久雄 訳

講座:
叩けば出るのは振動か波か 第9回 エーテルは電磁場になった 原 康夫

コラム:物理っておもしろい?
物理の「風景」 田崎晴明
物理を嫌いにならないで 江馬一弘

コラム:パリティのココロ
ゴルフと物理 大槻義彦

今月の切手
フォーラム
1月特大号予告
パリティ2008年総目次
パリティ2008年総目次〈分野別〉
執筆者・翻訳者紹介

今月のキーワード
プランク長 / エクピロティックシナリオ / プラズモン / 結合定数・解離定数 / 有限差分時間領域法 / ライマンαの森 / Facebook / MySpace / LinkedIn


〈今月のパリティ〉
○インフレーションの成功と憂鬱
インフレーション宇宙論は美しい理論であり,観測的に重要な数々の予言を成し遂げてきました。でもその一方で,このシナリオには困難がつきまとっているのです。そのため,インフレーション宇宙論と同様にうまく観測を説明できるような対抗馬が探し求められてきたのですが……

○その魅力はステンドグラスの美だけにとどまらない
貴金属の微粒子は,ステンドグラスから触媒まで,じつは昔から産業や工芸のさまざまな分野で活用されています。そしていま注目されるのがセンサーへの応用で,とくに生命科学の分野では,生体内での分子の結合反応がリアルタイムで測定できるようになると期待されています。

○宇宙の物質の大部分は,銀河と銀河の間の空間にあった!
観測でとらえられた宇宙の物質の量が,理論の予想より明らかに少ない??天文学者たちを悩ませてきた問題に差した光は,ふつうの可視光ではなく紫外線でした。衛星や宇宙望遠鏡による紫外線での観測で,行方不明になっていたバリオンのうち40%を見つけることができたのです。

○鉄原子がもたらした高温超伝導
鉄といえばふつう“磁性”,“磁石”のシンボルですが,今年発見されたばかりの新しい超伝導物質,鉄ニクタイドでは,この鉄原子が主役となっていたというのですから驚きです。新しい結晶構造のもとで新しい物性が現れたことで,“物質観”に大きな広がりをもたらしました。
1,540円
【articles】
・はるか彼方のかすかな銀河に,生まれたばかりの宇宙の姿を見る
宇宙の夜明けに迫る――さいはての銀河探査 家 正則

・生物学や医学の検査を変革するかもしれない,究極の検出限界
表面増強ラマン散乱で分子分光 K. クナイプ 竹井弘之 訳

・新しい測定結果は,気候変動による海面上昇の危機を告げている
地球の中心はどこにある? D. アルガス 相馬 充 訳

・何十年も改良が続けられ,極秘にされているプログラムとは
ヨットの物理 B. D. アンダーソン 宮田秀明 訳

【NEWS】
・結合点が自在に動く高分子ネットワークの物理学 伊藤耕三

ニュースダイジェスト P. F. シューウィ,J. ドーソン,M. ヘイル,J. S. バーディ
ミニブラックホールは危険ではない / ホッキョクグマの音響学 / 原子の綱引き / ナノチューブの分離 / 中国産の茶色い炭素

随想:
量子力学を用いた因数分解に関する興味深い事実 N. D. マーミン 村尾美緒 訳

随想:
ポスドクフォーラムが果たしたこと 多田 司

講座:
叩けば出るのは振動か波か 第8回 いまさらソリトン 原 康夫

コラム:物理っておもしろい?
“憧れの君”はいまや“よいお友だち” 高橋真理子
物理って何がおもしろい? 鈴木久男

コラム:パリティのココロ
スーパーサイエンスとハイパーサイエンス 大槻義彦

今月の切手
12月号予告
フォーラム
執筆者・翻訳者紹介

今月のキーワード
プラズモン / ガウス分布・ポアソン分布 / 対称性由来選択律 / レイノルズ数 / ゴム弾性 / 疎水性相互作用 / スリップリンクモデル / 弾性不安定性 / クローン禁止原理


〈今月のパリティ〉
見てきたかのように語れるようになった,宇宙の歴史
マイクロ波宇宙背景放射のゆらぎの測定から,膨張宇宙の枠組みが驚くべき精度で決まり始め,可視光や赤外線による探査観測で,宇宙の夜明けの時代の銀河が見え始めてきました。そこにはもちろん,日本のすばる望遠鏡による観測成果も大きく貢献しています。

金属の表面で起こる,不思議な増幅作用
物質で光の非弾性散乱が起こると,光子のエネルギー変化が散乱光の周波数のずれに表れます。このラマン効果による信号はふつう非常に弱いのですが,分子を金属ナノ構造の表面に置くと,なんと14桁も増幅され,1分子レベルでの材料の化学的構造の解明さえ可能になるのです。

単純な仮定に基づく新しい答の意味するものは?
一見すると単純でも,答えるのは思ったより難しい質問は多いものです。地球の中心がどこにあるのか,そしてそれはどのくらいの速さで動いているのかというのも,そんな質問の1つでしょう。でもこの問題に,海沿いの低い土地に住む人々の命運がかかっているとしたら……
1,540円
【articles】
・X線での観測から,何を知ることができるのか
ブラックホールとその環境 J.M.ミラー,C.S.レイノルズ 上田佳宏 訳

・複雑な核力が生み出す,幅広く多彩な核現象
計算核物理学の進展 ――殻模型を超える D.J.ディーン 中務 孝 訳

・人間の英知は従来とまったく異なる手段を考案し,不可能を克服していく
生体ナノ構造を解く低温電子顕微鏡法 R.M.グレイザー 片山栄作 訳

・透明な物質を顕微鏡で見えるようにする方法とは?
ナノバイオロジーを切り拓く位相差電子顕微鏡 永山國昭

【NEWS】
地球型惑星の形成領域における水蒸気 S.K.ブラウ 片坐宏一 訳

ニュースダイジェスト P. F. シューウィ,J. ドーソン,M. ヘイル
世界最強の物質 / 燃える世界 / 鳥たちを引き寄せる明かり / ダビンチ・デコーデッド / オリンピックとブロンズの機械 ほか

クローズアップ:
STMで見る高温超伝導体の渦芯 花栗哲郎

随想:
量子力学と因数分解の関連とは? N.D.マーミン 村尾美緒 訳

随想:
政治を変えた物理学――社会は物理出身者へ何を期待しているか 小泉英明

講座:
叩けば出るのは振動か波か 第7回 波と浪 原 康夫

コラム:
科学者の名言?迷言? 数式に秘められたもの 土井恒成

コラム:
物理っておもしろい?
マッドサイエンティストの夢――透明人間 松田卓也
シカゴにはピアノの調律師が何人? 佐藤文隆

コラム:
パリティのココロ おまさ,まさ子,マーサ 大槻義彦

今月の切手
11月号予告
フォーラム
執筆者・翻訳者紹介

今月のキーワード
中間質量ブラックホール / ヴェンツェル‐クラマース‐ブリルアン近似(WKB近似) / ボルン‐オッペンハイマー近似(ボルン近似) / 位相差(光学)顕微鏡 / フラウンホーファー回折 / 微分干渉法 / 電子線加工法 / アハラノフ‐ボーム(AB)効果/星周円盤 / RSA暗号 / ショアのアルゴリズム


〈今月のパリティ〉
現代宇宙物理学の主役,ブラックホール
ブラックホールへの物質の降着は非常に効率のよいエネルギー源で,活動銀河核やガンマ線バーストなど,宇宙のもっとも激しい現象を引き起こしていると考えられています。さらには近くの時空だけでなく,銀河の形成や銀河団スケールの構造にまで,大きな影響を及ぼしているのです。

エキゾチック核が注目を集めるわけ
原子核,それは星が燃焼するための燃料であり,宇宙のバリオン物質の99.9%を担っています。原子核とその反応を包括的に理解するには,極端な陽子‐中性子数比をもつアイソトープに関する理論的および実験的研究が不可欠である――核物理学者たちはそう考えています。

「ちょっと見りゃすぐにわかるだろ」というけれど……
たんに「対象を見ること」はそれ自体,細胞や分子の機能を理解するための強力な手段です。しかし,ナノメートルの分解能で生体構造を見るには,真空の電子顕微鏡内でも試料が生で,しかも“濡れた”状態を保たねばなりません。それにはいったい,どうしたらよいのでしょう?

60年かけてやっと実用化した,位相差電子顕微鏡
生物研究用の電子顕微鏡では過去30年以上,レンズ光学系に関する技術革新がありませんでした。ところが最近,対物レンズと投影レンズの間に入れる“位相板”が開発され,像のコントラストやフォーカスが著しく改善し,いままで見えなかったものが見えるようになったのです。
1,540円
【article】

特集:ピコリットルの微小反応場での物理学

特集にあたって 安田賢二
細胞1つ分のフラスコのなかで,どんなことが起こるのか?
微小反応場のおもしろさ 北森武彦
酵素化学反応を,1分子単位で計測する
超微小溶液チャンバーを利用した1分子バイオアッセイ
野地博行
励起された蛍光が,分子1個を浮かび上がらせる
1分子イメージング法によるタンパク質の機能と相互作用の解析
船津高志
分子の個性がみえてくる,メソスコピックな世界
ピコリットル液滴の物理学 酒井啓司


articles
真の歴史はもっと興味深い
コペルニクスをめぐる俗説の誤り M. シンガム 家 泰弘 訳
刺激に敏感に応答する,柔軟な物質の秘密
無限に広がる液晶の世界 P. パルフィ=マホレイ 香田智則 訳



【news】

スピンアイスに出現する磁気モノポール
M. ウィルソン 榊原俊郎 訳

ニュースダイジェスト S. G. ベンカ,P. F. シューウィ
地球型惑星形成の化学的手がかり / ナノの針における光ルミネセンス / 組織の発達を定量化する / 弾道的に伝わる熱

クローズアップ:
方向2色性:不思議なマジックフィルター 有馬孝尚
随想:
フランスに戻った湯浅年子――国外頭脳流出の先駆け 石原あえか
講座:
叩けば出るのは振動か波か 第6回 出るのは弾性波と音波 原 康夫
コラム:
科学者の名言?迷言? 力学的世界観と決定論 土井恒成
コラム:
パリティのココロ 物理はカッコイイ? 大槻義彦



【information corner】
今月の切手
フォーラム
10月号予告
執筆者・翻訳者紹介

今月のキーワード
電気2重層 / 熱レンズ顕微鏡 / N末端,C末端 / 蛍光色素(Cy3, Cy5) / タンパク質のホールディング(アンフィンゼンのドグマ) / ラプラス圧 / レイノルズ数 / 高分子の応力緩和 / 強誘電性 / フォトニックバンドギャップ / フェイズドアレイ


今月のパリティ

化学とバイオの世界に押し寄せる,技術革新の大きなうねり
ピコリットルとはつまり,細胞の大きさ。この小さな空間のなかで生命を支える化学や物理には,どんな特異性があるのでしょう。最近では化学の実験道具もマイクロチップにデバイス化されていますが,この技術はバイオや医療,環境やエネルギー問題に何をもたらすのでしょうか。(p.4)

分子1個の運動や酵素反応を蛍光で追う
ゲノムの塩基配列が決められると,次の目標はタンパク質の機能や相互作用ネットワークの解析です。1分子蛍光イメージング法は,これらの問題を解明するための基盤技術になると期待され,1分子の酵素反応やモータータンパク質の運動など,さまざまな研究が行われています。(p.19)

コペルニクスの“革命”にまつわる,真の歴史とは。
彼が太陽中心説を提唱すると,この理論はカトリック教会の激しい反対にあい,賛同者は異端審問官により迫害されて拷問を受け,処刑さえされた……あらゆる科学革命のなかでも有名なコペルニクスにまつわる歴史として,広く知られているのはこんな物語です。でも,本当は……(p.29)

ディスプレイだけでなく,口紅からレーザーまで……
虫の羽やカタツムリの粘液,洗剤や繊維,さらには中性子星のマントルまで,私たちのまわりには液晶が満ちあふれ,体内ではDNAの働きにまで関わっています。分子の向きがそろった柔らかい物質である液晶は,多様な刺激に敏感に反応し,だからこそ幅広く応用されているのです。(p.38)
1,540円
【article】

特集:現実と向き合う超弦理論

巻頭言:拡がりをみせる超弦理論研究 夏梅 誠

弦理論の本当の革命は起こるのか
弦理論の風景 M. チャーマーズ 加藤光裕 訳

強結合現象をいとも簡単に!?
弦理論が語るハドロンの物理像 酒井忠勝,杉本茂樹

手つかずの真理の大海原へ
超弦理論で挑む宇宙の謎 向山信治

超弦理論と観測技術の発展がよみがえらせたアイデア
コスミックストリングの逆襲――宇宙に横たわる巨大なスーパーストリング 橋本幸士

史上空前規模の顕微鏡が明かす素粒子相互作用の本質
大型ハドロン衝突型加速器時代の弦理論 M.ダイン 山口昌弘 訳


【news】

泡箱を使って暗黒物質WIMPを探索する B. シュワルツシルド 蓑輪 眞 訳

“光のスピンホール効果”の超高精度測定 小野田勝

ニュースダイジェスト P. F. シューウィ,J. S. バーディ
キセノンのケチャップ / 星が爆発する瞬間をとらえた! / 人工放射能の新しい形 / ごく薄い氷とその成長

随想:大戦下ベルリンの湯浅年子――パリから大戦下のベルリンへ 石原あえか

講座:叩けば出るのは振動か波か 第5回 演技と舞台 原 康夫

コラム:科学者の名言?迷言? 確率論と現実 土井恒成

コラム:パリティのココロ 番外 昔の「都物懇」 大槻義彦


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フォーラム

9月号予告

今月の切手

執筆者・翻訳者紹介

今月のキーワード
AdS/CFT対応 / ホログラフィックQCD / N=4超対称ヤン‐ミルズ理論 / 宇宙ひも / ワープトコンパクト化 / WIMP


今月のパリティ

イカした使われ方を待っている,すてきな道具箱
自然界の力を統一するエレガントな“究極の理論”として熱く描かれてきた超弦理論に,最近,冷めた視線が向けられています。何ら検証可能な予言ができないし,宇宙に関する基本的疑問にも答えられていないというのです。人々が弦理論に求めているのは,不当に高い基準なのでしょうか?(p.6)

広大なランドスケープと,私たちの宇宙
宇宙のなかに小さな宇宙が次々に生まれる,“永遠のインフレーション”シナリオ。それによると,1つの“ポケット宇宙”は10 500種類もの超弦理論の解のうち1つだけを実現しているのですが,無限個の“ポケット宇宙”を含む全体の宇宙は,それらすべてを網羅しているのです。(p.33)

宇宙サイズの巨大な超弦を観測する!?
極微の世界のものと考えられている超弦が,じつは宇宙の端から端まで伸びている巨大なひもであったら,どんなにおもしろいことでしょう――これはばかげた空想などではなく,実際に超弦理論と宇宙論の研究者がともに研究し,その存在や観測可能性を議論しているテーマなのです。(p.39)

弦理論と自然現象とを結びつける夢は現実に
数年前までは,弦理論がLHCの物理について何か明確なことをいえるなどと,ほとんど考えられないことでした。その状況を,ランドスケープの進展は一気に変えたのです。LHCでの実験は,前人未到のスケールの自然法則について,新しい洞察をもたらすものと期待されています。(p.46)

1,540円
【articles 】

特集:超音波物理の最前線
巻頭言:超音波物理のフロンティアにようこそ 安田賢二,崔 博坤

シャンパンの泡に思いをめぐらせて
音波がつくり出す気泡とその発光 崔 博坤

音のピンセットで安全に操作
超音波放射圧による生体微粒子ハンドリング 安田賢二

地球温暖化防止のための新システム
音響冷凍機 渡辺好章
コラム:太陽の熱エネルギーを冷気に 坂本眞一

診断と治療の新時代へ
超音波診断の動向 E. C. エーベルバッハ 髙木堅志郎 訳

超音波の幻がもたらすのは,診断の誤りか
百聞は一見にしかず? 超音波画像の虚像 F. W. クレムカウ 斉藤嘉一 訳

高齢者や重篤患者にも安心
超音波技術のフロンティア--血管の病変を体外から診る 金井 浩

超音波,タームあれこれ 髙木堅志郎

【news 】

固体ヘリウムは”超流動”になると硬くなる!? J. ミラー 白浜圭也 訳

ニュースダイジェスト P. F. シューウィ,J. S. バーディ
ヒッグスボソンを見つけ出す / 温室効果は古典的 / 巨大ピエゾ抵抗 / 多色原子レーザー ほか

随想:
ヘリウム液化競争--ビッグサイエンスのさきがけ D. ファン・デルフト 家 泰弘 訳
光速度測定の巨匠マイケルソン D. クレップナー 久我隆弘 訳

講座:
叩けば出るのは振動か波か 第4回 不連続の連続近似 原 康夫

コラム:
科学者の名言?迷言? 物理法則の”理解”とは 土井恒成

コラム:パリティのココロ ガリレオ 大槻義彦


フォーラム
8月号予告
今月の切手
執筆者・翻訳者紹介


今月のパリティ

微小な泡のなかで起こるすさまじい現象

気泡の発生は液体中の圧力と深く関係しています。強い超音波を水中に照射すると,圧力が下がったときに気泡が生まれて膨張し,圧力が上がると今度は収縮します。急速な収縮による断熱圧縮によって気泡内部は数千度,数百気圧にもなり,条件によっては光が放射されるのです。(p.6)

触らなくても物質を捕まえられる,手品のような技術

光ピンセットは集束光で微粒子を制御する技術ですが,同じような試みが音波でも行われています。超音波の放射圧を利用すれば,懸濁液中の微粒子を捕獲したり,特定の方向に配列,配向させることや,さらには流路を流れてくる微粒子を連続的に濃縮することだってできるのです。(p.14)

身体のなかを音で探る

タイタニック号の事故が起こってまもなく,超音波音源が発明され,水中における音響航行法,いわゆるソナー技術が開発されました。軍事技術として発展した超音波技術は,生体組織に関する物理的理解の進歩とあいまって,医療の分野でもこの10年間で大きな発展を遂げています。(p.27)


100年前のビッグサイエンス

いまから100年前,当時その先進性と規模において世界に比類のない低温研究所であったライデン研究所で,カメリン・オンネスが初めてヘリウムの液化に成功しました。ライデン研究所を立ち上げ,人を集め,運営するには,たんに科学に熟達している以上の能力が必要でした。(p.51)
1,540円
【articles】

原子層1枚からなる特異な物質
グラフェン:炭素フラットランドの探訪
A. K. ガイム, A. H. マクドナルド 家 泰弘 訳

宇宙を伝わる信号を,ナノ秒,数センチの精度で測定する
ルビジウム原子時計と基礎研究 J. カンパロ 御園雅俊 訳

プラズマの観察から浮かび上がる,太陽系の姿
太陽のいぶきと惑星環境――太陽系内のプラズマの話 松岡彩子

物理学のモデルは心臓をどう理解できるのか
心拍異常の非線形ダイナミクス A. カルマ,R. F. ギルモアJr, 大瀧昌子,石渡信一 訳

コラム:
不整脈はなぜ起きる? 杉山 篤
心臓の拍動メカニズム 福田紀男


【news】

超高エネルギー宇宙線の源は? B.シュワルツシルド 榎本良治 訳

ニュースダイジェスト P. F. シューウィ,J. S. バーディ
世界最短の光 / 原子迷彩 / 改良が進む光時計 / 超絶縁状態 ほか

クローズアップ:
サイクロトロン軌道の物差しで計測するフィボナッチ平面超格子 遠藤 彰

随想:男女共同参画企画:
ゆったりと流れる時間と無限の自由がそこにはあった 小谷元子

講座:
叩けば出るのは振動か波か 第3回 1+1=2 ? 原 康夫

連載:
“標準”はいま――不確かさの考え方と取り扱い方 鳥居寛之

コラム:
科学者の名言?迷言? 物理の中の自己言及 土井恒成

コラム:
パリティのココロ 霊界の次元 大槻義彦


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フォーラム
7月号予告
今月の切手
執筆者・翻訳者紹介



今月のパリティ

原子層たった1枚の究極のフラットランド
グラファイトのこすり跡のなかから数年前に初めて取り出された,炭素の1原子層からなる宇宙のなかでもっとも薄い物質,グラフェン。性質がきわめて魅力的で半世紀以上にわたって理論的に研究されてきた2次元系が,ついに実験対象として手に入るようになったのです。

ナノ秒レベルの測定をめざして
携帯電話の通信からGPSまで,原子時計,とくに小型で高出力なルビジウム蒸気セル時計が利用されています。装置の改良と小型化のために,原子物理や化学物理のより深い理解が必要です。蒸気セル時計は,どのように現代の時間計測で重要な役割を果たすようになったのでしょう。

太陽からのプラズマの風がみせる,さまざまな現象
緑や青,赤い光が,輝くカーテンや柱となって夜空を染めるオーロラは,もっとも美しい自然現象の1つです。一方,地球の周囲には放射線帯があり,人工衛星の機器さえ壊すことがあります。かたや美しく,かたや恐ろしい2つの現象は,成因をたどると同じところに行き着くのです。

非線形ダイナミクスの技法で不整脈を解明する
心臓疾患による突然死の防止や治療には,生命を脅かす不整脈の起源を理解し,新しい治療でアプローチすることが必要です。物理学,生物学,医学にわたる分野横断的研究により,いつ起こるかわからない致命的な不整脈を予知し,防ぐための突破口が見つかるかもしれません。
1,540円
【articles】
特集:高温超伝導Ⅱ
銅酸化物は超えられるか
巻頭言:銅酸化物を超える超伝導物質は? 家 泰弘

“室温超伝導”への2つのアプローチ
銅酸化物は超えられるか ――夜明け前が一番暗い 秋光 純

かごのなかでの原子振動の役割とは
ラットリングと超伝導 広井善二

水分子が挿入された系の超伝導とは
コバルト酸化物の超伝導 佐藤正俊

スピンと電荷の両方が超流動性をもつ画期的状態
スピン3重項超伝導状態はどこまでわかったか
――ルテニウム酸化物の超伝導 前野悦輝

キャリヤーをどう導入するかが成否の鍵
ダイヤモンドの超伝導 ――バンド絶縁体に起こる超伝導 高野義彦

Tcはなぜ低いのか
銅酸化物は超えられるか ――理論の立場から 青木秀夫


【NEWS】
新しい高温超伝導体LaOFeAs 細野秀雄
生物多様性の周期的変動は宇宙線が原因?
B. シュワルツシルド 戎崎俊一 訳
ボロンナノチューブはできるか J. ミラー 木村 薫 訳
ニュースダイジェスト P. F. シューウィ, J. S. バーディ
時間におけるフラクタル/宇宙探査機の速度の異常/世界最小のダイヤモンドのリング/ダイヤモンドのキュービット/単電子ESR ほか

随想:男女共同参画企画:
放射化学から植物生理学への道のり 中西友子
講座:
叩けば出るのは振動か波か 第2回 調和の減衰と強制 原 康夫

連載:
動物に学ぶ――雁の飛翔に学ぶ宇宙船の編隊飛行 津田雄一

コラム:
科学者の名言? 迷言? 物理学者 vs 純粋数学者 土井恒成

コラム:
パリティのココロ スモッグを吸って健康? 大槻義彦


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フォーラム
6月号予告

今月の切手

執筆者・翻訳者紹介


〈今月のパリティ〉
“たんなるサイエンスフィクション”はいま……
ベドノルツ‐ミュラーが銅酸化物を見つけてから早くも20年,銅酸化物をしのぐTcをもつ超伝導体はまだ見つかっていません。当時と同じ原点に立ち戻っているといってもよいでしょう。でも,大きな違いもあります。現在では多くの人が,“室温超伝導の存在”を信じているのです。(p.6)

フラストレーションは何を引き起こす?
ここ数年,正方格子ではなく三角形を基本とした格子を探すことが流行しています。単純な規則配列パターンが壊れ乱れた状態が,新しい超伝導につながると期待されるのですが,実際の物質でこれが実現された例は知られていません。そこで例によって,物質屋の挑戦が始まるのです。(p.13)

美しく輝くダイヤモンドが超伝導に?!
透明に輝く美しいダイヤモンドは,まさに宝石の王様です。超伝導には縁のなさそうなバンド絶縁体のダイヤモンドには,実は非常に高い周波数のフォノンがあることが知られています。このフォノンが電子に引力を生み出せば,ひょっとすると超伝導が実現するかもしれません。(p.26)

注文の多い超伝導
斥力からの超伝導においてTcを上げる,つまり銅酸化物を超えるためには,さまざまなパラメーターを最適な状況にする物質設計が必要になります。電子相関の強さ,スピンゆらぎおよび電荷ゆらぎの大きさをはじめ,あらゆるものが,適切になっていなければならないのです。(p.30)
1,540円
【articles】

特集:高温超伝導 Ⅰ
銅酸化物はどこまでわかったか
巻頭言:高温超伝導はいま 家 泰弘

・未曾有の研究努力は,何を明らかにしたのか?
銅酸化物はどこまでわかったか 内田慎一

・研究を先導してきた,強力な実験手法
光電子分光からわかること 高橋 隆

・反強磁性から生まれる高温超伝導の成長秘話
NMRからわかること 北岡良雄

・次世代パルス中性子源による,より詳細な研究
中性子散乱からわかること―― 磁気励起の立場から 山田和芳

・基本問題を高い信頼性で解く
銅酸化物高温超伝導はどこまでわかったか―― 理論の立場から 今田正俊

【NEWS】
1m離れた原子のエンタングルメント B. シュワルツシルド 豊田健二 訳
電場によるがん治療 J. ミラー 小畠英理 訳
量子スピンホール効果が観測された C. デイ 家 泰弘 訳

ニュースダイジェスト P. F. シューウィ, J. S. バーディ
炭素年代測定のメカニズムを説明する新しい計算 / グラフェンの最高速度記録 / もっとも暗い人工物質 ほか

随想:男女共同参画企画:
“ごくふつう”の理系世界をめざして 加藤万里子

講座:
叩けば出るのは振動か波か 第1回 いまさら単振動 原 康夫

連載:
動物に学ぶ――昆虫に学ぶ微小飛行体 河内啓二

コラム:
科学者の名言? 迷言? 論理の飛躍 土井恒成

コラム:
パリティのココロ デモクリトスのココロ 大槻義彦

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フォーラム

今月の切手
今月のキーワード
ベルの不等式 /染色体 / 微小管/量子スピンホール効果 /レイノルズ数

執筆者・翻訳者紹介
5月号予告

〈今月のパリティ〉
20世紀物理学が残した謎の,最終決着をめざして
高温超伝導が銅酸化物で発見されたのは,1986年のことです。20年が経過した現在でもメカニズムは解明されておらず,物性物理最大の謎であり続けています。臨界温度は思うように上がってはいないものの,機構の解明をめざしてあらゆる物性実験・理論の手法が総動員されています。

光電子分光の発展は,高温超伝導研究の歴史
紫外線やX線を照射して放出された電子をとらえることで,物質の電子構造を直接決定できる強力な実験手段,光電子分光。その歴史はまさに高温超伝導体研究の歴史と重なり,分解能の向上とともに新しい現象が次々に発見され,高温超伝導体研究をつねに先導してきたのです。

超伝導と磁性の不思議な関係
電子間に働く引力によって起こる“超伝導”と,反発力で起こる“磁性”という2つの重要な現象は相反するものと,長い間考えられてきました。しかし高温超伝導は反強磁性と“競合”せず,むしろ“協奏”しているようです。これらは共通の起源から生じているのかもしれません。

高温超伝導は“投資効率”が悪く,研究に値しないって?
これだけの努力でまだ最終解答に到達できないことには,相応の理由があるのです。それは量子多体問題の,もっとも基本的だが困難な部分を含んでいるためです。この難問を解くことが,21世紀の「多体相関をうまく制御できる科学と技術」に欠かせない要素となるでしょう。

商品情報・内容

■ 物理学のいまをわかりやすく伝える『物理科学雑誌』

独占提携の米国物理学協会誌”Physics Today”からの翻訳と, 第一線の研究者によるオリジナルの書き下ろし記事で,物理学の いまをわかりやすく伝えます。最先端を読み解くニュース記事, 授業とは一味違う連載講座や辛口エッセイなど,読みどころ満載 の『物理科学雑誌』です。

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