目次
特集:妊娠期のマイナートラブルとくすり
≪はじめに≫
国立成育医療研究センター
周産期・母性診療センター 主任副センター長
妊娠と薬情報センター センター長
村島温子
妊娠中の女性と聞いただけで,診療,対応に苦手意識をもっていませんか?
母性内科という立場で妊婦さんを診療するようになって15年が経ちました.慢性疾患を持つ女性の妊娠の管理と,妊娠中に出現した疾患や症状の治療を行ってきた経験から,「健やかな母体に健やかな児は育つ」という理念のもと,妊娠という状態の特殊性を熟知したうえで母体を治療することが,児にとってもよい結果をもたらすと信じています.しかし,母性内科医として,妊娠と薬情報センターで働いておりますと,恐る恐る妊婦さんに接している一般の臨床現場の実態が見えてきます.
妊娠中はいろいろな症状や疾患が出てきます.例えば,便秘がひどくなったり,貧血傾向にもなったりします.妊婦さんだってインフルエンザにもなれば帯状疱疹にもなります.妊婦さんが不調を訴えた時,その解決のためにはどうすべきか,薬物治療が必要であればどのように薬を使えばよいのか,そもそも妊娠期によくみられる不調にはどんなものがあるのか,疑問は次から次へと出てきます.しかし,その疑問に答えてくれる書籍は意外とありません.そこで,今回は妊娠期にしばしばみられる症状を取り上げ,その病態の考え方と薬物治療も含めた対応の仕方をわかりやすく解説することとしました.
本特集が妊婦さんの診療や対応が「苦手」から「得意」になるきっかけになれば幸いです.
≪マイナートラブルを理解するための「産科学×薬学」≫
1.要点整理! 周産期母子の解剖生理学
・女性生殖器の構造とはたらき
・女性ホルモンの分泌調整
・妊娠のメカニズム
・妊娠時期の分類と妊娠週数の数え方
・胎児循環
2.妊娠期にみられる「からだ」の変化
・妊娠期にみられるみための変化
・妊娠期にみられる生理学的変化
3.周産期薬理学の基本
・周産期薬理学とは
・妊娠期に薬の影響の評価
・催奇形性・胎児毒性
・薬物の胎盤移行性
・妊娠による薬物動態の変化
≪臨床判断力が求められる妊婦のマイナートラブル≫
1.「頭が痛い」軽視できない頭痛を見逃さない
・「妊婦の頭痛」は緊急事態の可能性あり!?
・妊娠高血圧症候群(PIH)とは?
・妊娠高血圧症候群の管理と実際
2.「熱があります」「咳が続いて辛い」治療が必要な感染症とかぜを区別する
・その症状は本当にかぜ?
・妊婦のかぜ症状の注意点
3.「気持ちが落ち込む」「眠れない」妊娠中のうつ病を早期に拾い上げる
・妊娠期にもうつ病は存在する
・ホルモン変化だけではないうつ病の要因
・うつ病に気づくには
4.「貧血と言われましたが特に自覚症状はありません」重症化させない指導をする
・妊婦の貧血には治療が必要?
・妊婦の貧血の見つけ方
・見逃してはいけない「怖い貧血」
5.「毎日つるんとバナナうんちが出ていますか?」自覚のない便秘も解消してスッキリ
・便秘とは
・妊娠中の便秘とその原因
・注意が必要な便秘
・便秘の有無を聞き出すコツ
・便秘の妊婦さんへの指導
6.「味の濃いものがほしい」「つわりが急に止まった」妊娠悪阻へアドバイスする
・つわりとは?
・妊娠期の食事指導
・精神的不安の対応
・浅い呼吸が要因のつわり症状への対処法
≪薬による妊娠期のマイナートラブル管理≫
1.解熱薬・鎮痛薬
・妊娠中に熱が出たら?
・妊娠中に「頭が痛い」と訴えがあったら?
・妊娠中に使える解熱鎮痛薬って?
・アセトアミノフェンが使えないときは?
・妊娠中の腰痛で注意することは?
2.抗アレルギー薬
・抗アレルギー薬を必要とするマイナートラブルとは?
・妊娠時の抗アレルギー薬選択の留意点とは?
3.抗感染症薬
・保険薬局で,妊婦に抗感染症薬を説明するときの注意点
・妊娠中に抗感染症薬を投与するとき
4.貧血治療薬
・鉄剤による管理が必要な貧血は?
5. 睡眠薬
・不眠での薬剤使用の判断は?そのとき何を選択する?
・治療方針と薬物療法は?
・新生児不適応症候群とは?
6.消化器用剤
・便秘への薬剤使用の判断は?
・薬は何を選択する?
・胃部症状での薬剤使用の判断は?そのとき何を選択する?
7.皮膚科用剤
・妊娠中に痒みのあるときに何を考え,薬剤を選択する?
・妊娠中にステロイド外用剤が必要となる疾患は?
・ステロイド外用剤の胎児への影響は?
8.ワクチン
・妊娠可能年齢の女性が接種することがあり得るワクチン
・妊婦・妊娠を取り巻くワクチン接種
・渡航ワクチン
9.漢方薬・OTC薬・サプリメント
・漢方薬は安全に使用できる?
・OTC薬はすべて安心して使用できる?
・サプリメント摂取への注意点は?
処方例から学ぶ! 妊娠期のマイナートラブルへの対応
case1 便秘症状を訴える妊娠初期の女性
case2 インフルエンザに罹患した妊娠中期の女性
case3 腰痛を訴える妊娠後期の女性
≪コラム≫
・薬をのんでから妊娠が発覚したときの対応
・慢性疾患と妊娠
・くすりのラセミ化のかたち ~サリドマイドに関連して~
・脳静脈血栓症
・妊娠高血圧症候群は予防できる?
・もともとうつ病の妊婦さんへの対応
・薬局でできる“妊娠前のケア”
・妊婦の不眠とむずむず脚症候群
・妊娠中の発熱したときの診察は?
・薬以外に鼻炎症状の悪化を回避するには?
・妊娠中の薬剤使用に関する情報は,何を参考にする?
・サプリメントの店頭以外の購入ルートに注意!
≪Series≫
・最近のコクシ -妊婦と薬
・ハマゾン.co.jp -本当は怖い動物の子育て
・エビデンスと実臨床の架け橋~臨床疑問のゆくえ~
妊娠中の血圧管理は厳格にした方がよい?
≪巻末付録≫
・医薬品集 カスタマイズツール
妊娠と薬物治療・妊娠期のマイナートラブル編
≪次号予告≫
要点ガッチリ!!「認知症高齢者」対応力
≪はじめに≫
国立成育医療研究センター
周産期・母性診療センター 主任副センター長
妊娠と薬情報センター センター長
村島温子
妊娠中の女性と聞いただけで,診療,対応に苦手意識をもっていませんか?
母性内科という立場で妊婦さんを診療するようになって15年が経ちました.慢性疾患を持つ女性の妊娠の管理と,妊娠中に出現した疾患や症状の治療を行ってきた経験から,「健やかな母体に健やかな児は育つ」という理念のもと,妊娠という状態の特殊性を熟知したうえで母体を治療することが,児にとってもよい結果をもたらすと信じています.しかし,母性内科医として,妊娠と薬情報センターで働いておりますと,恐る恐る妊婦さんに接している一般の臨床現場の実態が見えてきます.
妊娠中はいろいろな症状や疾患が出てきます.例えば,便秘がひどくなったり,貧血傾向にもなったりします.妊婦さんだってインフルエンザにもなれば帯状疱疹にもなります.妊婦さんが不調を訴えた時,その解決のためにはどうすべきか,薬物治療が必要であればどのように薬を使えばよいのか,そもそも妊娠期によくみられる不調にはどんなものがあるのか,疑問は次から次へと出てきます.しかし,その疑問に答えてくれる書籍は意外とありません.そこで,今回は妊娠期にしばしばみられる症状を取り上げ,その病態の考え方と薬物治療も含めた対応の仕方をわかりやすく解説することとしました.
本特集が妊婦さんの診療や対応が「苦手」から「得意」になるきっかけになれば幸いです.
≪マイナートラブルを理解するための「産科学×薬学」≫
1.要点整理! 周産期母子の解剖生理学
・女性生殖器の構造とはたらき
・女性ホルモンの分泌調整
・妊娠のメカニズム
・妊娠時期の分類と妊娠週数の数え方
・胎児循環
2.妊娠期にみられる「からだ」の変化
・妊娠期にみられるみための変化
・妊娠期にみられる生理学的変化
3.周産期薬理学の基本
・周産期薬理学とは
・妊娠期に薬の影響の評価
・催奇形性・胎児毒性
・薬物の胎盤移行性
・妊娠による薬物動態の変化
≪臨床判断力が求められる妊婦のマイナートラブル≫
1.「頭が痛い」軽視できない頭痛を見逃さない
・「妊婦の頭痛」は緊急事態の可能性あり!?
・妊娠高血圧症候群(PIH)とは?
・妊娠高血圧症候群の管理と実際
2.「熱があります」「咳が続いて辛い」治療が必要な感染症とかぜを区別する
・その症状は本当にかぜ?
・妊婦のかぜ症状の注意点
3.「気持ちが落ち込む」「眠れない」妊娠中のうつ病を早期に拾い上げる
・妊娠期にもうつ病は存在する
・ホルモン変化だけではないうつ病の要因
・うつ病に気づくには
4.「貧血と言われましたが特に自覚症状はありません」重症化させない指導をする
・妊婦の貧血には治療が必要?
・妊婦の貧血の見つけ方
・見逃してはいけない「怖い貧血」
5.「毎日つるんとバナナうんちが出ていますか?」自覚のない便秘も解消してスッキリ
・便秘とは
・妊娠中の便秘とその原因
・注意が必要な便秘
・便秘の有無を聞き出すコツ
・便秘の妊婦さんへの指導
6.「味の濃いものがほしい」「つわりが急に止まった」妊娠悪阻へアドバイスする
・つわりとは?
・妊娠期の食事指導
・精神的不安の対応
・浅い呼吸が要因のつわり症状への対処法
≪薬による妊娠期のマイナートラブル管理≫
1.解熱薬・鎮痛薬
・妊娠中に熱が出たら?
・妊娠中に「頭が痛い」と訴えがあったら?
・妊娠中に使える解熱鎮痛薬って?
・アセトアミノフェンが使えないときは?
・妊娠中の腰痛で注意することは?
2.抗アレルギー薬
・抗アレルギー薬を必要とするマイナートラブルとは?
・妊娠時の抗アレルギー薬選択の留意点とは?
3.抗感染症薬
・保険薬局で,妊婦に抗感染症薬を説明するときの注意点
・妊娠中に抗感染症薬を投与するとき
4.貧血治療薬
・鉄剤による管理が必要な貧血は?
5. 睡眠薬
・不眠での薬剤使用の判断は?そのとき何を選択する?
・治療方針と薬物療法は?
・新生児不適応症候群とは?
6.消化器用剤
・便秘への薬剤使用の判断は?
・薬は何を選択する?
・胃部症状での薬剤使用の判断は?そのとき何を選択する?
7.皮膚科用剤
・妊娠中に痒みのあるときに何を考え,薬剤を選択する?
・妊娠中にステロイド外用剤が必要となる疾患は?
・ステロイド外用剤の胎児への影響は?
8.ワクチン
・妊娠可能年齢の女性が接種することがあり得るワクチン
・妊婦・妊娠を取り巻くワクチン接種
・渡航ワクチン
9.漢方薬・OTC薬・サプリメント
・漢方薬は安全に使用できる?
・OTC薬はすべて安心して使用できる?
・サプリメント摂取への注意点は?
処方例から学ぶ! 妊娠期のマイナートラブルへの対応
case1 便秘症状を訴える妊娠初期の女性
case2 インフルエンザに罹患した妊娠中期の女性
case3 腰痛を訴える妊娠後期の女性
≪コラム≫
・薬をのんでから妊娠が発覚したときの対応
・慢性疾患と妊娠
・くすりのラセミ化のかたち ~サリドマイドに関連して~
・脳静脈血栓症
・妊娠高血圧症候群は予防できる?
・もともとうつ病の妊婦さんへの対応
・薬局でできる“妊娠前のケア”
・妊婦の不眠とむずむず脚症候群
・妊娠中の発熱したときの診察は?
・薬以外に鼻炎症状の悪化を回避するには?
・妊娠中の薬剤使用に関する情報は,何を参考にする?
・サプリメントの店頭以外の購入ルートに注意!
≪Series≫
・最近のコクシ -妊婦と薬
・ハマゾン.co.jp -本当は怖い動物の子育て
・エビデンスと実臨床の架け橋~臨床疑問のゆくえ~
妊娠中の血圧管理は厳格にした方がよい?
≪巻末付録≫
・医薬品集 カスタマイズツール
妊娠と薬物治療・妊娠期のマイナートラブル編
≪次号予告≫
要点ガッチリ!!「認知症高齢者」対応力
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